赫々戦争~我は赤色~
日本郵便防衛庁vs共産勢力の予告版的な?
赫々。
戦功など功名が立派で目立つさまを、赫々と言う。
また、別の意味として赤色をシンボルカラーとする数多の勢力が争い合ったある戦争の事を指す場合がある。
その名も、赫々戦争。
日本郵便防衛庁が1954(昭和29)年7月に発足して以来、日本郵便防衛庁が抱える4つの派閥と、彼らを取り巻く更に数多の派閥によって1980年代まで続いた武力闘争である。
派閥が一つ、『全逓派』
郵政省の労働組合の一つであり、郵政省に対して過激な労働闘争を繰り広げる全逓信労働組合、全逓の流れを汲む派閥である。
郵便防衛庁の部員の内、郵政省からの人員に多く、日本共産党や日本社会党、更にその背後からソビエト連邦共産党と中国共産党からの支援を受けている。
派閥が一つ、『全郵政派』
郵政省の労働組合の一つであり、反全逓、労使協調を掲げる全日本郵政労働組合、全郵政の流れを汲む派閥である。
全逓派と同じく郵政省からの人員に多く、郵政省や自由民主党、そしてアメリカ政府からの支援を受けている。
派閥が一つ、『郵便派』
彼らは、全逓と全郵政、そして全逓派と全郵政派との間で過激化する闘争に辟易し、両者から距離を置いている派閥である。
そして降りかかる火の粉を避ける為、政治的な色が付くことを恐れ盲目的に郵便を守る事のみを良しとしている。
派閥が一つ、『旧軍派』
その名の通り、かつての大日本帝国陸軍と大日本帝国海軍の退役軍人らで構成される派閥である。
その出自からして左右問わず国内外からの強い批判に曝される彼らであるが、日本の国防力を維持するべく日本郵便防衛庁の戦力向上に献身している。
共に日本郵便防衛庁の教導にあたる在日米軍や、全逓派と全郵政派の戦闘を鎮圧する日本警察の機動隊とは協力関係にある。
そしてこの4派閥でさえ、挙句はこの4派閥を支援する数多の組織でさえ一枚岩では無かった為に、この武力闘争は混迷を極めた。
日本郵便防衛庁が発足する以前から全逓と全郵政との間にあった闘争は、彼らが日本郵便防衛庁という軍事組織に呑み込まれた事で一層過激化していくのだった。
「日本郵便防衛庁はGHQの妥協の産物?―――いや確かに、Japan Postal Defence Agencyにそういった一面があった事は確かだ」
「だが実際には、JPDAは第三次世界大戦を勃発させる危険性を常に孕んでいた。そう第三次世界大戦だ」
「彼らの内戦が、アメリカ、ソ連、中国による代理戦争であった郵便内戦が郵便の外に波及した時、それが第三次世界大戦の勃発を意味すると、誰もが確信していた」
「幸いにして、彼らは総じて郵便馬鹿となり、GHQの目論見通り“郵便を守る軍隊”となった訳だが……、それがアメリカにとって幸いだったかは、まあ、第三次世界大戦よりはマシだと納得するしかないな」




