開幕:序幕の最終章より
某作家先生の某作品をリスペクトして書いた小説です。
楽しんでいただけたら幸いです。
また、どの作家先生のどの物語かわかった方は、感想で教えてくれると嬉しいです。
なぁ、「事実は小説より奇なり」って言葉を知ってるか。
現実には小説みたいに奇怪なことが起こるってくらいの意味なんだがな、これは本当だ。
なぜなら、今俺が直面している現実は、どこのファンタジーだってくらいぶっ飛んでいるんだから。
ドゴォォォォォォォオオオォォォォン
ズガガァァァァァァァァアアァァァン
えっ?
この音は何だって?
ふっ……。
それは俺が訊きたいぐらいだ。が、仕方がない。答えてやろう。
この音はな……。
落雷や隕石がこの俺めがけて飛んできている音なんだ。落雷はともかく、隕石っていうのはあれだ。英語でいうところの「メテオストライク」ってやつだ。あれ? 違ったか? まぁ、ともかく、小惑星が地球の重力に引かれて大気圏に突入し、燃え尽きずに地上に落下するアレだ。燃え尽きたやつが流れ星なんだぜ。だから、流れ星って下手すると危険なんだぜ。覚えとけよ。
ドゴォォォン、ドゴォォォォォォォォオオオォォォン
ズガガァァァァン、ズガァァアアァァァァァァァン
「うわひゃぁぁー」
っとかって冷静に言っていられる状況じゃあないんだ。
すまんが少しだけでいい。
黙っていてくれないか?
できたらそれで応援してくれると嬉しい。
それも黄色い声で。
……………………。
いやいや、話が脱線したな。
すまん。
それで何だっけ?
えっ?
状況説明?
さっきのだけじゃ全然状況が分からないって?
そらぁ、アレだけで分かったらすごいけどな。
御覧の通り、俺にはそこのところを詳しく説明する余裕がない。
えっ?
それじゃあ、物語が始まらない?
何訳わかんないことを言っているんだ。
俺の物語は俺が生まれた瞬間から始まっている。
あんたの物語だってそうだろう?
そんなことを訊いているんじゃないって?
あぁ、分かった。分かった。
ちゃんと最初から説明するから。
ちょっとだけ待ってくれ。
――そう、あれは数日前の出来事だ……。
学校帰りの夕暮れ時。
俺は見つけてしまったのだ。
蝶を……。
いや、それだけならまだいい。それを追っかけてしまったのが俺にとっては運のつき。いや、運が良かったのか?
とにかく、それが俺と世界を変容る幻想物語の始まりだったんだ……。