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Ruin & City 3 ―それぞれの世界で―  作者: 夕陽倍施工
第1章:ラージウッド編~楽しむということ
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第一話『半分の目標』

 


 戦闘は人の感覚を鋭敏にするのだろうか――。


 敵意というものに香りなんてない。だけど目と耳、そして鼻までもがそれを感じとっている気がする。

 目の前の薄汚い狼の群れに、俺は剣の切っ先を向けた。数は五匹、剣を向ける行動を挑発と捉えたのか、獣の顔は怒りに満ち今にも俺達三人に襲い掛かろうとしている。こいつらがただの獣ならば、俺はこのまま突撃していたかもしれない。だがモンスターとはいえ連携を組んでくる相手、無謀と勇気を取り違えると即昇天となる。


 手に握った剣を上段に構え、溜めを作る。このまま振り下ろしたところで、決して刃が届く距離じゃない。おまけに大振りの動作だ。俊敏なこいつらにはかわされてしまうだろう。


 だが、ここは現実世界とは違う。『ゲームの世界』なんだ。だから、目の前の標的を切り裂くのは、この剣の刃そのものじゃない。



「いっくぜ! 剣技【パワーストライク】!!」


 

剣を振り下ろしながら、そこに込められた『気』を一気に解放した。


 ――そう、目の前の標的を切り裂くのはこの剣の刃じゃなく、そこに込められた『気』だ。


 素早く振り下ろされた剣の軌跡から、力の塊とでも呼べばいいのだろうか、凄まじい速度で敵へ向かって透明なエネルギー体が突き進む。そして、その透明なエネルギー体は反応しきれなかった狼へと直撃し、ザン! と狼の額を切り裂く。加えて直撃の勢いを以って狼を軽々と後方へ吹き飛ばした。直撃した狼は甲高い悲鳴にも似た叫びを上げ、力なく地に伏す。その様を見てヒートアップしたのか、二匹がこちらへ突進してきた。大きく開かれた口から覗く、鋭い牙。もし、その牙がこちらの肉体へと届いてしまえば、深く突き刺さり大きなダメージは免れないだろう。



「ダイキ、交代しましょう!」

「オッケー、カイ! チェンジだ! 遠尾さんは魔法を!!」

「う、うん。やってみる……!」


 

 俺は移動用スキル【バックステップ】を発動させ、前衛をカイに任せた。

 可能ならば先ほど撃った【パワーストライク】を連続で出したいが、それは今の俺ではできない。だから、こうして前衛を代われば、それが連続攻撃の代わりになる。そうして、もう一人の前衛であるカイが攻撃を行っている間、俺は術者である背後の少女をガードできる位置へと下がった。いつでも攻撃を防げるように、盾をつけた腕に力を込める。

 


「行きますよ! 槍技【ダブルスラッシュ】!!」

 

 

 勇ましい声とともに、左から右、そして右から左へ横払いの二連撃。カイの槍による連続攻撃は、俺が使う剣に比べ広範囲をカバーできる。左と右、異なった方向への振り払いは切り返しが難しく負担もかかるはずだが、まるで達人でもあるかのようにこともなげにそれを実行する。

 

 最初に放った剣の衝撃波、そしてカイの一般人離れした槍技。

 そう、これが『スキル』による恩恵だ。

 

 気力がのった槍技が飛びかかってきた狼達へカウンター気味に命中する。ドサドサっと力を失くした二匹の獣。残りは二匹というところで、槍使いが少女へ指令を出す。


 

「アミちゃん、ラストはかっこよく頼みます!」

「て、敵対する者を、焼き尽くす力をここに。炎術、【ファイアブレイズ】!!」


 後方に位置し機会を伺っていた少女、遠尾さんが魔力を込めた杖を掲げ、魔法を発動。

 残りの二匹が、単純にもやはり突進を仕掛けようと地を蹴ろうとする。だが、もう手遅れだ。


 敵の足元に魔法陣が浮かび、そこから小規模な噴火のように炎が湧き起こった。その赤々と燃える様を見ていると、まるで自分が焼かれているかのような錯覚を起こすほどだ。

 そうして湧き起こった炎は残った二匹を取り囲み、炎の渦と化しながら徐々にその包囲を狭めていく。そしてその包囲は接触となり、猛る火に全身を侵された悲惨な獣達は、ただただ焼かれるしかなかった。




「ふーっ、やりましたね。ダイキ、アミちゃん。ノーダメージで五匹です。結構僕達、イケてるんじゃないでしょうか?」


 魔物が落とした鉱石を回収しながら軽口を叩く、槍を携えた少年。頭上には『クーラ』とカタカナ表記された文字が表示されている。


 俺の親友の九浦くうら かい。さわやかにセットされた髪形、そして赤く光るピアスが憎々しくも似合う美少年。

 

 そんな彼の言葉に応える。



「そうだな。 やっぱこういう連携攻撃がズバーって決まると気持ちがいいし、一度も攻撃を受けずに、五匹のモンスターを攻略できたってのはうまくいってる証拠だ。 遠尾さんは今のどうだった?」

「ん。適当、バラバラにやるより安心、できるかも。坂口君が下がって敵の接近を抑えてくれるから、魔法の発動に専念、できる」


 

 たどたどしく言葉をだすのは遠尾とおのお 亜美あみさん。頭上に表示されているのは『ゼラニウム』。 



「それにしても未だに僕達、ゲームキャラの名前でお互いを呼ばないですね。部外者からはどう見えるんでしょうか? ラージウッドさん?」

「ああ、もう! ラージウッドは止めてくれ! いい名前が浮かばなかったとはいえ、安直過ぎたし……。ちょっと恥ずかしい」


 

 オーソドックスな片手剣と質素な木製盾を納めながら応える。 

 俺は坂口さかぐち 大樹だいき

 大きな樹、だからラージウッド。頭上にそう表記されている。 

 ゲーム内での主人公の名前はいつもこれにしてプレイしている。

 だが今のように、知人にその名を言われると予想外に恥ずかしいもんだ。



「わ、わたしはラージウッドも悪くないと、思いますよ。坂口くん」


 

 擁護されるとかえって耳がこそばゆい。やっぱり無難にカタカナ三~四文字にしときゃよかった。



「まあ、いいです。僕達はリアルで互いを知っている仲ですし。ただいい加減サカグチクンとか、トオノオサンとかやめませんか? 一緒にゲームをやっているというのに、よそよそしすぎです」

「リアル知ってるだけにちょっと戸惑いあったんだけど、まあそうだな……。確かに『ゼラニウム、魔法をたのむ!』っていうのもなんか違う気がするから、遠尾さんがよければ、俺もアミって呼ぶよ。」

「わたしは、かまわない、かな。さかぐ――、ダイキ……くん」


 

 しょうがないですね、とでも言いたそうなカイ。が、次の瞬間には何事かを決めたように納得したような表情をこちらに向けた。



「多少強引でしたが、僕達はゲーム、VRMMOの『ルーイン&シティ3』を一緒にプレイしている仲間です。まあ友達ってやつですよ? もう少しゆるゆるとやりません?」

「んだな。リアルだったらありえない組み合わせだったけど、今は一緒にやってるんだしノリが良いほうが楽しいかもな。だから外人みて『ヘイ! マイク!!』って言っちゃうノリで、ダイキでいいよ。九浦に関しても俺が普段、カイって呼んでるから今更クーラっていいにくいし」

「……れんしゅう。ダイキ。カイ。 ……うん、もう大丈夫」


 

 少しの照れはあるが、心が充足し熱くなっていく感覚がある。素直に言えば楽しくて嬉しい。友達ができる瞬間っていうのは、ちょっとした一つの快感だ。そんな様子を見てか、カイはうんうんとうなずく。



「あぁ、いいですねえ、こういうの。出会いが経験をもたらし、経験が人を強くしてくれるのです。うん、実にいい」


 

 彼はニタっと笑うと悪ぶれもせず、そんなことを言い出した。



 「何言ってんだ? 前々からちょっとずれてると感じてたが、なんでこのタイミングでそんなクソ真面目なことを言う? いつも『あの女の子の美人度は4。おっと、あの子は7ありますよ!』とかいってるお前らしくないぞ」


 カイは女子を見ては『美人度』などという彼独自の尺度を持ち出して、勝手に美しさを数値化する。

 あんまりいい印象を与えるとは思わないのだが、それを自慢の外見と憎みきれない雰囲気でカバーしてるのだろう。



「そ、そんなこと、言ってるんだ」

「あれは僕にとって重要な意味があるのです! ……まあそのことは今はいいです。このゲームをプレイする上での目標を考えたのですが、ようやくそれが決まりました」

「ゲームに目標がいるのか? モンスターをがっつりぼんぼん狩ってりゃいいと思うが」

「やれやれ、このゲーム内でもやはり脳筋プレイですか? 目標なしにプレイしてもですね、これはただの娯楽なんですよ。何の高みも目指さずにやっていても、年をとって『あの時はよかったなあ』という懐古の材料にしかなりませんよ?」


 

 そりゃあそうだが……。

 カイはホントにどうかしたのか? 言ってることは分からなくは無い気がするが、唐突に何を決めたというんだ。



 「目標を決めてやるのは、賛成」


 

 止めるんだアミ、内容を聞かないままで肯定するのは!

 絶対にまともなことじゃないぞ!



「賛成者多数ですね。では、行動の指針となる目標を発表します!」

「おい、何が賛成者多数だ!」

「ダイキ、聞こう?」

「あ、ああ……」


 

 カイがこぶしを振り上げ宣言する。

 


「ゲーム内で恋人をつくる! 以上!! 各自この目標をもって能力を鍛え、知識を吸収し、情報を取得、コネを広げる。二十年後に今のこの時間を懐かしむ、みすぼらしい中年にはなりません。愛する妻が自分の帰宅を微笑みながら出迎えてくれる、そんな暖かい家庭を手にいれましょう!」

 

 

 絶句。

 乾いた空気が少しの間を支配する。



「何でそうなるんだ……。まるで出会い系じゃねえか!! 馬鹿はお前の方だろ!?」

「……無理。ぜったい、無理!」


 

 アミはちょっと想像を働かせたみたいだが、すぐにあきらめて首を振った。

 ゲーム内で恋人を作るだあ? そういうのは大概トラブルの原因だ。

 これはVRMMOで、しかもこのゲームはリアルでの性別や容姿が割りとリアルに反映される。だから女性プレイヤーの特定や選別は容易なため、ほとんどこういったゲームはプレイヤーのブラックリスト機能を搭載しているし、あんまり行動がひどいとゲーム利用停止措置を受けることもある。



「てかゲームはゲームであって、遊びにきてるのになんで異性がらみの人間関係でもやもやしないといけないんだよ!」

「まあ、まあ。話をよく聞いてください。細かいところを省いたのは悪かったです。だけど、考えてみてください」

「何をだよ。ゲームで恋愛って、無いことは無いだろうが難しいんじゃないのか? しかも俺ら高校生だし」

「そうつっかからないで。では聞きますよ? リアルを見てください。だれもかれもが恋愛しています。青春を謳歌しています。だから高校生だという理由で遠慮するっていうのは理由になりません。異性に興味がある、それは自然なことなのです。ダイキだってかわいい彼女の一人くらい欲しいでしょう?」

「そ、そりゃあそうだけどよ……」

「でしょ? でもですね、一体リアルで何ができるでしょうか? お金は無い、会える人間は限られる、告白して失敗でもしたら周囲の雰囲気悪くなる、といいところがありません。それは僕みたいに外見がよければ、彼女を作ることそれ自体は簡単ですが、校内で目立って行動にしにくいですよ」


 

 さらっと容姿自慢してきたが、憎憎しいことにカイはイケメン野郎だ。美人度とかいう謎の尺度を口にするせいで毛嫌いする女子もいるが仲の良い女子の方が多い。だがよくわからないことに彼女はいないんだよな、こいつ。



「カイは見た目いいからいいかもしれないが、俺はとてもじゃないがナンパなんてできねえぞ? それに露骨にそんなことやってたら運営が動くだろ」

「だれがナンパすると言いましたか? せっかくアミちゃんがいるんです。 女の子代表として聞きますよ?」

「……。え、な、なに?」


 

 声かけもしないでどうやって女性に近づいて、そして彼女にするとでもいうのだろうか。



「アミちゃんは見た目がいい男の人に、ちょっとナンパされたとしたら付き合いますか?」


 

 彼女はちょっと考えた風にしながらも、弱く首を左右に振った。



「た、たぶん無理。相手を知らないと会話、できないから。つまらないと思う、相手」

「カイ、何がいいたいんだ?」

「リアルを考えてください。勉強なり運動なりが優れていれば即モテるってことはまずありません。見た目が良いという点も条件の一つにすぎません。それ以前にですね、なかなか関係を作ることができないんです。もし気になってる子とクラスが違うと、意図的に行動しなければまず仲良くなんかなれませんよ」

  

 まあそうだな、と頷く。



「ですが、ゲームは別です。モンスター討伐のためのPTやクエストの攻略などで、自然に共同作業ができるんです。ゲームなので切実ではありませんが、命のやり取りだってあります」

「んん?」

「つまり『君は俺が守るよ!』という女の子をピンチを救う勇者ようなおいしいシチュエーションが存在しえるんです」

「お、おう」

「そしてここが一番大事なのですが、ここは学校とは人口の規模が違います。つまり出会いの可能性が違う。リアルで変なウワサもたてられることもまずありません」


 うーんとうなっていると



「ぐ、具体的には何をする、の? わたしは、その……。ナンパみたいなことは、難しい」

「確かに恋人ができるかどうかはともかく、実際何をやるんだ?」

「はい、二人とも、今の話を『馬鹿馬鹿しい』というより『実際にどうやるか』という点に考えを移してくれたみたいですね。僕はうれしいです」


 

 はいはいと手をひらひらさせ、次の発言を促す。



「まずですね、僕らで出来る限りの装備と戦略を考えて、経験と金銭取得の効率性を高めます。そして狙うはレアモンスターのレアドロップ収集」

 

 

 ん、ずいぶんゲームらしい話の内容になってきたんじゃないのか。



「続けます。いくらゲームとリアルは違うとはいえ、平凡なプレイヤーだと人としての面白みがないことには変わりがありません。他者の気を引くためにはなんらかの持ち味が僕らに必要なわけです。他者から抜きん出るためのひとつの要素としては"レベルによる強さ"がありますが、これは基本却下です」

「どうしてだ? レベル上がって強くなると人を助けやすくなって、人脈が増えると思うが」

「時間、ですか?」


「そうです、アミちゃんは話がはやくて助かります。僕らは一応学生で時間はあるにはありますが、勉強していない大学生ほど時間はないし、いってしまえば家に引きこもってる方々には圧倒的に量で負ける。もちろん強さを得るように努力はしますが、毎日を可能な限り最大限の時間でプレイする人間に勝てると思います?」

「レベルでも、レアアイテムをふくめた財産でも、何より経験の量で無理だな」 

「でしょ? でも惰性でプレイしてたら、いつもその方々の後ろを追いかけるだけのゲームになってしまう。ですので、この際いかに効率的にゲームを進めることができるか、という点に重点を置きます」



 先ほどまでとは違い、カイが熱心にゲーム攻略の方向性を語り始めた。



「具体的に言うとレアモンスター攻略です。レアモンスターはゲーム進行そのものには影響しないですが、存在が希少だったりする分、アイテムも優れたものを持ってることが多い」

「三人でやれるのか?そういう類は大抵、大人数のパーティーで攻略するようにできていると思うのだが」

「まあ確かにレアモンスターは強力ですがね。だけど撃破を目指しできるだけ少数で攻略するということは、能力や装備、情報を効率よく取得していかなければなりません。その過程で強くなり、財産もふえていくでしょう。もちろん人との関わりも増えてきます」


 

 レアモンスターというのは、モンスターの中でも特殊な存在だ。さっき戦ったモンスター――テラーウルフは多数存在しありふれているが、テラーウルフの希少種――ブラッディファングとなると、個体数が少なくなかなかお目にかかれないらしい。

 そして能力もテラーウルフとは段違いなために、戦略も練らなければならない。自分自身まだ遭遇していないが、聞いたところによると希少なアイテムを持っているそうだ。だが出現条件や生息エリアはまだ確定していないらしい。



「恋人を作るというのは半分冗談だったんです。ですが、一般的にネットゲームには終わりが存在しないものが多い。だから目標だけは設定しておきたいのです。そしてこのゲームでは、レアモンスターの討伐を目標にしましょう、ということです」

「はじめからそれを言えっての。ちゃんとゲームをやるんじゃねえか」

「あはは、そうですよ、きちんとゲームをしますよ? でも目標を掲げるからにはけっこうやることはあります。討伐に必要な能力を高めるのはもちろん、レアモンスターの目撃談や能力の情報収集、補助アイテムの調達が必要です。大人数なら分担してやれることですが、僕らは三人。レアアイテムがでたときのリターンは大きいけれど、その道のりは険しい……どうでしょうか?」


 

 カイはカイなりに、ゲームを本気で楽しみたいんだ。言ってしまえばこれは所詮ゲームだし娯楽のひとつにすぎない。でも――



「……ああ、やろうぜ。ラスボスのいないゲームを延々とやっても仕方ないしな。リアルじゃ何の取り得もないけど、ゲームくらい一度は本気でやってみるのもいいかもな。それに仲間と連携して敵を叩くっていう感覚、悪くない」

「ん、わたしも、頑張る」

「ふふ、決まりましたね。まあレアモンスター狩りというのも結局は終わりが無いんですし、最終的な目標は人生における伴侶づくりってことで。充実したゲームライフ、そしてそこから発展するであろう輝かしいリアルライフを送りましょう」

「結局そこに戻るのかよ」


 

 はははっとみんなで笑う。アミは控えめだがクスっと微笑んでいた。まだ何も始まっていないが、でも今から始まっていく。今がその境界線。他愛もない、ただの遊び。けれど子供には戻れないし大人にもなりきれない三人が、ゲームに熱中しようとする、ただそれだけだ。

 

 でも、友達と熱くなれる感覚ってよ、俺は好きなんだ。



「ところで、さ」

「どうしました?」

「あ、ううん。どうして二人はわたしをこのゲームに、誘ったのかなって。部活に入ってないから、自由にできる時間がありそうっていう理由は前に、聞いたけど。それだけなら他にも、いるし」


 

 俺とカイはこれでも付き合い長い友人だし自然だが、確かに今回のことは彼女の日常にとってはイレギュラー中のイレギュラーだろう。彼女にはこちらとの接点がほぼ無かったのだ。クラスメートということだけ、ただそれだけの関係だった。気になるのも分かる。



「ああ、それは――」


 

 俺は今日の学校でのことを思い起こす。


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