第23話(心の中のひまわり)−完−
初夏を迎える頃、ぼくはやっとゆうじのお墓参りに行くことができた。
そして、ゆうじが亡くなってから発売されたアルバムを、やっと聴くことができた。
そのアルバムの最後の曲のタイトルは、『友へ』
死んでしまうことをゆうじはわかっていたのかと思うような歌詞。
かなり前に書かれたであろうその歌詞に、ゆうじの死への恐怖や辛さは感じなかった。
ただ、みんなへの感謝やありがとうの気持ちだけだった。
「ハルへの歌だよ、きっと。」
ユキは泣き虫の僕を抱きしめてくれる。
「ユキ、僕らがゆうじを忘れない限り、ゆうじは生きてるんだよな。」
ユキは、涙をこぼさないように上を向きながら、頷いた。
学校へ向かう朝日、夕方の優しいオレンジ色の空、夜空の星・・・。
何を見ても、ゆうじが僕を見てくれている気がする。
ゆうじの笑顔が、僕を温かく包み込んでくれているのがわかる。
これからも、僕はゆうじを忘れない。
毎日毎日思い出すだろう。
ゆうじは、僕らの中で永遠に生き続ける。
僕は、今日もユキの手料理を食べながら、ゆうじの歌を聴いて眠る。
ゆうじ、お前の歌はこれからもみんなの心に響き続ける。
―『友へ』―
『♪ありがとう 僕のために 流してくれた涙 僕には届いてる
ありがとう 僕を思い出してくれる君の胸に 僕はいつも いる
ありがとう 僕を信じてくれて 僕は今も笑っている
ちょっとだけ寂しくなるね ちょっとだけ会えなくなるね
僕は 幸せ届けに 空へ
笑顔 届けに 大空を 駆け巡る
どうか 忘れないで 君の笑顔は 僕の宝物♪』
どくんどくん2 〜あの空の向こう〜
を最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
3部作で完結の予定ですので、宜しければ3まで読んでくださいね。
ここまで書いてこれたのも皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。




