犬の散歩に行ってみよう
日常回兼登場以降、大して出番の無いコロの散歩回です
いい天気だし、最近運動不足気味ということもあって、リードを持ち出してコロの散歩に出た。
今日のコロの外見はポインター。
ウルトラ◯ブンの車の名前でもあるが、ガキの頃、俺が図鑑を見てガッカリした様に、外見的にはそれほど特徴的な犬とは言えないんだが、何故かこの姿を取ってるな、誰の影響だ?
フラッと思い立っての行動なんで一人っきり(いやシェードがいつでも一緒か?)だったんだが、気付けば城の子やらエメラルドやらサーバントやらでかなりの大所帯。
基本、城の子にはサーバントが着いてくるから、子供たちに見つかった時点で大所帯確定なんだけどな?
こうして周りを見ながら歩いてるとアジトの城壁内も結構賑やかになったもんだな、としみじみ思う。
元々は荒野だし、城が出来てもしばらくは城と城壁くらいしか無かったし、住人も俺とサーバントやガーディアンたちと城の子たちだけだったしな。
今じゃ、商人やら貴族やらだけでなく、近隣の住民や冒険者たち、時間帯によっては城門が混み合うこともあって、入り口を増やせないかという話も出ている。
なんか「あると楽しいよな」とか「必要じゃね?」とかの思い付きで建てたものばかりの町(もう、こうなると町とか、城壁都市って言っていいよな?)がこうなってくると、俺以外のまともな統治者が欲しいトコだな。
うん、正直、色々、面倒くせえ。
何もかもほっぽり出してどっか行っちまいたくなることあるからな、たまにだけど。
ボウから連絡入ったりすると「ああ、俺も行けばよかった!」とか思うしな。
この星は、地球と比較すると、どうも高低差が激しいらしい。
ボウから、この間1万メートルを超える山にぶつかりそうになったという連絡があった。
あんま、高すぎる高度飛ぶと色々トラブル発生する可能性あるし、空を飛んでるのなんて、鳥かモンスターしかいないから、普段はそれほど高いトコ飛んでないらしいんだ。
雲の下を飛ぶなんてこともそれほど珍しいことではないようで、その山は裾野が広かったこともあって左右に回避することはせず、「もう少し近づいたら上昇して、上を飛び越えりゃいいだろ?」とのタカさん(分身)の意見で、山に近づいてから上昇。
雲の上に出てもまだまだ山が上に伸びていて、かなりの急上昇で衝突を回避したんだとか。
真っ青になるボウと対照的に、普段はしない様な飛空船の動きにタカさんははしゃぎまくってたらしい。
まあ、ボウ以外、その程度では死ぬ奴は乗ってないし、そのボウもタカさんが守ってくれるだろうから、衝突したトコで人的被害は発生しなかったんだけどな?
パン(本体)のスパイ衛星はこの星全体をカバーする様にはなってはいるものの、地図の作成だの3Dデータ化だのはしてないからなぁ。
パン、本体の意識もこの星の地表より宇宙空間と隣の惑星(モンスターの箱舟化テラフォーム済み)にほとんど向いてるからなぁ。
パンやデミアなんかの人に混じって暮らしてる端末連中の世界に関する意識にしても、普通の人間とそれほど差は無いし。
パンと言えば、ほとんど俺の周囲をウロチョロしたり、子供たちと遊んだりしているが、夜中に時々、ストロベリーの居るテーマパークに行ったりしていて、ごくたまに俺も付き合わされる。
いや「権限でテーマパーク貸し切り遊び放題!」とかじゃねえよ?
昼の間はお客さんの相手で楽しく過ごしてるストロベリーだが、閉園時間後は独りぼっちだからな。
お姉さんとしての自覚が生じたパンは、少しでも妹が寂しくない様にとアジトやパンデモニウムの設備を使って毎日の様に連絡を取っているけど、直接会うのはそうしたものとはまた別。実際、行くとストロベリーも喜んでくれるしな。
2~3回、コロも連れて行ってあげたこともあって、最初に連れてった次の時には小人たちと一緒に子犬たちにも大歓迎された。
うん、コロに魅了されたストロベリーが子犬型端末を作っちゃったんだ。
小人といい、子犬といい、ストロベリーの感性は姉に比べると、えらく真っ当だ。
ホント、なんでパンの端末はミジンコやらイカやらオウム貝やら悪夢の産物なんだろうなぁ……(しかも、パンと同じ様な口調で話したりもするんだぜ? ミジンコに「お兄ちゃん」と呼ばれた俺の気持ちがわかるか?)。
……とまあ、つらつらと考えつつ、子供たちの話を聞いてリアクション取りつつ、コロの散歩を城の西から北に回り、遊園地の北側を通って城の門へという比較的人の少ない散歩コースで回っている。
コロはその気になればフェンリルにもケルベロスにも成れるだけあって、子犬サイズでも大人を引きずれる力があるんだが、子供たちがリードを引いてる時は一般的な子犬相応の力しか出してないようだ。
たまに着いて来た子に代わってやってるんだが、微笑ましい光景の範疇で済んでいる。
流石、チート犬だ。
子供たちだけで散歩に連れ出した時なんか、帰り道に疲れちゃった子供たちを、巨大化して背中に乗せて帰って来ることもあるからな。
賢く優しい子なんで城の皆から可愛がられている。
散歩をおねだりされたブロンズが散歩に連れていくこともある。
子犬の散歩をするミノタウロス型高級ガーディアンという光景は、巨体ゆえ俺たちの日常に混ざるのがちょっと難しいブロンズが周囲と馴染む手助けにもなってる。
噂をすればだな。
巡回帰りのブロンズとちょうど散歩予定コースの半ばで遭遇。
無邪気にブロンズに好意を示すレアな存在なんで、ブロンズもかなりコロを可愛がっている。
ブロンズにリードを渡すと、コロは真っ黒なチベッタン・マスチフの姿になった。
バカでかいチャウチャウといった感じのチベッタン・マスチフでも、ブロンズと並ぶと子犬に見える。
女の子はちょっと距離を取ってる子もいるが、男の子たちは大はしゃぎだ。
ブロンズに肩車をせがむ子すら居る。
子供を肩車しつつ、犬の散歩。
まるで日曜日のお父さんの様だ。
俺やサーバントたちがその後を、疲れちゃった子をおんぶしながら歩く。
子供は体温高いから、夏場だとおんぶもけっこう苦行だ。
てか、背負って三十秒もしてねえのに、もう寝ちゃってるよ。
意識無くなると重くなるんだよな、などと思いつつ、ずり落ちない様気を付ける。
あの~、エメラルドさん?
子供背負った状態で腕組んで来るとか、異様に器用な真似してこないでくれませんかね?
こっちはそんなに器用じゃないんですけど?
久々の執筆で読み返して「最初の方は結構、side表記使ってたなぁ」と
当時は結構、普通に使う人大勢居ましたよね?




