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スターを作ってみよう

「お手本が居なければ作ればいいじゃない?」

という訳でスター冒険者作成です


 冒険者ギルドの建物は出来、トップは据えたもののそれをサポートする人員やら冒険者への周知やらはまだまだ時間がかかる。

 既にゴルテックスの爆発の音に城や周辺の住人も「あ、まただ」と慣れてしまい、黒こげになったゴルテックスを室外に放り出して、室内の後片付けをするトパーズはかなりたくましくなった様に見える。



 俺はと言うと、この冒険者ギルド立ち上げ時期のどさくさに紛れてやってしまおうと思っている事があるので、タカさんに連絡を取ろうとしている。


 それは他の冒険者にとって「あこがれ」、「見本」となる様なスタープレイヤーをでっち上げてしまおうという事だ。


 というのも現状の冒険者たちが「街の便利屋」タイプや「ハイパー自警団」タイプを除くと、一般人に忌避というか敬遠されていて、一般人→冒険者という流れでの情報収集が難しいと思われるからだ。


 教授の「忘れ物」という、どこにあるのか、どんな物なのかも分からない代物の情報を得る為に冒険者の情報が必要であるという事は当然だが、冒険者と一般人の絶対数の違いがあり、また、狩人、漁師、薬師、行商人といった様な冒険者ではないものの独自の行動域を持つ人々の情報というものも見逃す事は出来ない。


 そういった一般の人々に自分自身で広く接する事は出来ないので、冒険者にそうした人々の声や情報を汲み上げる役割を果たして欲しいのだ。


 その為には冒険者という存在のイメージアップと、冒険者たち自身の意識変革が必要だと思う。

 

 まあ、冒険者学校みたいのを作って新しい世代を育てるという方法もあるが、そもそも現状じゃ冒険者はあまり目指してなるものではない。

 「冒険者学校やりますよ~!」と声をかけても、おそらくあちこちから手に負えない悪ガキが厄介払いに放り込まれてくるだけになるだろう(まあ、それはそれで面白そうではあるけどな)。


 育つまでに時間がかかるしな~。



 そうした事態に、ある程度即効性の期待出来るものとしてのスタープレイヤー。

 タカさんの中のモンスターたちに擬体を使って演じて貰えないかと期待している。



 ま、そんなこんなでタカさんと駄弁りんぐ。

 

 「いいお手本になる冒険者を見付けたり育てたりってのは難しいと思うんで、タカさんの中に居る連中で誰か協力して貰えないかな?」

 「っていうとあんま凶暴なヤツやバトルマニアは避けた方が良いって事だろ?」

 「そうだねぇ、血を見て喜ぶとか、原型留めないほど相手をバラバラになんてのは避けて欲しいなぁ。」

 「やっぱ戦士、それもソード使いだよな、主人公格は。」

 「まあ、最近の小説なんかは魔法使いってパターンもあるけど、実際問題、マジックユーザーはそれだけで胡散臭く見られちゃう事もあるからねぇ。」

 「一番、胡散臭いヤツが何を言ってるんだ?」

 「いやいや、俺はごくフツーですよ?」

 「俺の知らない間に普通の意味が変わってたのか・・・。」

 「こんなに普通なのに『アブノーマル』だという・・・。」

 「誰も性癖の事なんか話してないだろ!」


 

 色々と脱線はしたものの協力の確約を得た。



 ノード伯、バルモア伯にも連絡を取り、こちらにはリタイア冒険者や、冒険者の残された家族のギルドでの雇用の話をした。

 その場ですぐに何人かの心当たりがあるようで、最終的にはかなりの人数が確保出来るかもしれない。

 仕事に慣れない内や、人数が足りないトコはサーバントをよそから回してフォローしよう。

 ゴルテックスの「爆発」があるから、働く人間の住む寮は少し離れたトコに建てた方がいいかもな。



 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・



 さて・・・・・・確かにスターが欲しいとは思ってたが、まさかこんな「大物」が出てくると思わなかった。


 誰かというと「勇者の中の人」。

 元・リザードマンの戦士だっけ?

 今はマッチョなバーバリアン系戦士の擬体に入っている。

 正に古典王道的なヒロイック・ファンタジーの主人公。

 

 「こいつなら文句なしだろ。実力、演技力共に実績があるしな。」

 いやいや、この人でダメなら、誰も適任者いないでしょ?


 「宜しく頼む。」

 「こちらこそ宜しく。」


 「他に2人希望者が居てな。・・・おい、ジーさん!」

 呼ばれて振り向いたのは小柄なエルフの美女。

 擬体が外見は作れるとはいえ、「絶世の」と付けていいくらいの美貌だ。


 「なんじゃい、メシかい?」

 「メシはさっき食っただろ?」

 「そうじゃったかのう?」

 「いい加減ボケごっこはやめにしろ!」

 「タカさんも怒りっぽいのう、歳かの?」


 は?

 もしかして、中身・・・。


 「見ての通り、中身は元・ダークエルフの長老だったジジイだ。『本人の強い希望』でこの外見になってる。」

 「よろしくのう、タイさんじゃったか?」

 「はい、宜しく御願いします。」

 「ふぉっふおっふおっふぉっ・・・。」

 「・・・で、なんでその外見なんです?」

 「男なら一度はやってみたいじゃろ? ロマンじゃよ。それに美人は色々と得なんじゃ。」

 「はあ・・・。」


 中身ジジイの美女なんて、誰得だよ!

 詐欺なんて生やさしい代物じゃねーぞ?


 「で、最後の一人だが「筋肉は正義!」コイツだ・・・。」

 「うむ。タイさんとやら、もっと筋肉を付けるべきだな。」

 「もう一人戦士ですか?」

 「元・オーガで『筋肉の神』の僧侶だ。」


 えっ? 「筋肉の神」ってなんじゃ、それ!?

 

 「筋肉を盛り上げて傷口を塞ぐ治癒呪文とか、筋肉を固くして攻撃を防ぐ防御呪文とか、多彩な『加護』に特徴のある神さんだな。」

 「我が神の教えは偉大なのである!」

 

 それ呪文っていうか、「この鍛えた筋肉でっ!!!」っていう格闘マンガの技じゃ?

 神の力とかじゃねえだろ!?

 もしかして・・・格闘マンガの世界の神様か?


 

 ・・・にしても、マッチョ戦士にマッチョ僧侶、紅一点の中身はジジイ。

 華が無ぇ・・・・・・。

 男2人は上半身半裸だし・・・。


 

 続けて実力も見せてもらったが、戦士はブラスを技量でも力でも上回り(ブラスが圧倒されるトコなんて初めて見たぞ?)、僧侶はブロンズと真っ向から「例え機械であろうと魂の筋肉を纏っているのが我が輩には見えるのである!」とか言いつつ楽しそうにぶん殴り合い(よく考えてみたら「僧侶」としての実力は全く見てないぞ?)、エルフは「ちと軽く撃ってみるか」と放った炎の矢で城壁のバリア貫通させてた(割れずに貫通なんて初めて見たぞ?)。


 後から2~3人探して追加したパーティにするとか言ってたけど、釣り合いの取れる相手なんか居るのか?

 国レベルの相手ともやれそうな連中なんですけど・・・。



 彼らより実力は凄いけど「性格がヤバ過ぎて今回向きじゃねえ」ヤツまで中に居るって言うし、マジでタカさん大魔王だったんだな。


 「エルフや僧侶は今まで無名だったってのは、まあ、どっかに籠もってたとかでいいとして、これだけの戦士が無名のままで居たってのは不自然だよなぁ。行商人一回呼び戻して、アイツが連れてきた事にでもするか?」

 「まあ、今回は品行方正な勇者である必要もないからなぁ。結構、素の自分でやってもらって平気だと思うぞ。」

 「素の自分って言やあ、中の人、元々リザードマンだよね?」

 「そうだな、アイツとの付き合いも長いなぁ。」

 「だったら、『リザードマンに育てられた戦士』とかどう?」

 「なるほど、それなら人間に知られていなくてもおかしくはない。」

 「それに、やっぱリザードマン同士で戦うのにも多少抵抗感あるわけじゃない? それも無理無く説明出来るし・・・。」

 「良さそうだな、その線で行くか。」

 「・・・俺はそれでいい。」

 「いいんじゃないかのう。」

 

 

 「お兄ちゃん!」

 「お、パンか、いつの間に来たんだ?」

 「ついさっき。あのねえ・・・。」

 「私もその『冒険者』になる!」

 パンの横に居た別の端末(こっちは幼女でなく少女、パンの10年後って感じ)が言葉を継いだ。

 

 まあ、博士の言葉によれば本体であるパンデモニウムから人間とは比較にならない魔力供給は受けられるという話だし、実力に関してなら問題はないんだが、メンタリティがなぁ・・・。

 

 「遊びじゃねえんだぞ?」

 「遊びは別の私がしてるから大丈夫だよ。」

 「危ない事とかもあるぞ?」

 「この間会った時から更に強くなったんだよ! 博士にも協力して貰ったし。」

 何やったんだ、博士・・・?


 「ぶはっ、相変わらずタイさんは過保護だなぁ。」

 「俺らは別にかまわんぞ。」

 「可愛いは正義なのじゃ。」

 「頑張ればきっと筋肉の加護があるのである。」


 「いざとなれば『軌道衛兵』がありますしねぇ、いやはや、で、どこの国を滅ぼしにいくんですか? こんなメンバーを揃えて?」


 今度は博士か。

 で、「軌道衛兵」って何?


 「『軌道衛兵』はスパイ衛星の改造兵器で、現在この星の軌道上に24体稼働してます、大気圏外から狙った場所に槍を落とすだけの実に単純な仕組みですよ、空気抵抗の干渉を遮る術式を槍に刻んではいますが、ごく普通の槍です。ちなみに動作開始から目的達成までのタイムラグがあるので、ちょこまかと動く相手には使えません。」

 ちょっと待てぇいぃ!

 それドラゴンでも殺せるだろぉ!

 直撃しなくても被害甚大確実だし。


 「まあ、地下や建物の中を正確に狙う事は難しいですが、それも『端末』の情報フィードバックがあれば可能になりますねぇ、『端末』そのものの魔術も強力ですが、魔術障壁などで十分な効力を発揮出来ない場合でも、この『軌道衛兵』を用いれば殲滅出来るのです。」


 「ね、凄いでしょ?」


 なんだろう、幼女が凶悪兵器のスペックに勝ち誇るというこの光景は・・・。


 「えっへん!」という描き文字が背後に見える気がする。


 


 「あんま無茶すんなよ? 他の人達に迷惑かけるんじゃないぞ? それから、それから・・・。」

 「アハハハ・・・どこのお父さんだよ、まあ、出発はまだ少し先になるんだし、その間にフォローやなんかも考えておけばいいだろ?」

 「この際ですから色々と試してみたい事もありますしねぇ、どうせタイさんの事ですからあれやこれやと色々持たせる事になるでしょうし、多少荷物が増えても大丈夫でしょう。」

 「「じゃ、いいの? ありがとう、お兄ちゃん。」」


 いいじゃねぇか、本体が巨大な城でこれは端末だって分かってるけど、それでも酷い目とかには会って欲しくねぇもん。

 

 さて、何を持たせるかな?


 携帯水晶球と四次元ポシェットは当然として、キャンピングカータイプの乗用サーバントとかもいいかもな、でもって防具としてローブかドレス、魔術師扱いだろうからワンドかスタッフ、使い魔っぽい感じの小型ガーディアンとかも要るか?


 他のメンバーのアイテムも色々考えなきゃな。

 オリハルコンの剣ってどんな感じになって、どんな効果があるんだろうな?

 無骨な大剣とかもいいよなぁ、「それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった」とか見た目で納得出来る迫力。

 

 「タカさん、『竜●し』みたいな大剣どうだろ?」

 「おお、いいねぇ、こいつにも似合いそうだし、マントと鎧を真っ黒にして!」

 

 うん、時間が幾らあっても足りない感じになりそうだ。

 博士も「やる気」になってるし・・・。



 「うおぉおい、俺抜きで何か面白そうな事をやってるじゃねえか!」

 こいつも居たなぁ・・・。


 いつの間に作ったんだか自分なりにアレンジして作ったらしい車に乗ってるが、なんでそんなに凶悪そうなシルエットになってるんだ?

 タイヤは走る為にあるんであって、誰かを轢き殺す為にあるんじゃないぞ?

 エンジン音、動力源が何かわからねぇけどバカデカいなぁ。



  《ド・ドド・ドドド・ドッ・・・・・・チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーーンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!》 



 はいはい、お約束お約束。

 パン、流石に手を叩いて喜ぶのはやり過ぎだぞ?

 せいぜい内心で指さして「プギャー!!!」とやる程度にしとけ?




空気状態ですが、ほとんど常に主人公の横にはルビーが

博士の横にはアクアマリンが

ゴルテックスの横にはトパーズが

大抵の場合大人しく立ってます

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