表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/79

道を作ってみよう

初の異世界人遭遇

そしてお出かけです

 昨日は城建てて、少し休んでから城内を探索・・・しようかと思ったが、部屋にあった水晶球で色々検索出来たんで歩かずに済んだ。


 適当に作ったこの城だが、この世界でもオーバーテクノロジー気味なんじゃないかと思われるほど機能が充実していた。

 俺の今居るとこが主寝室、ベッドにソファ、執務机にクローゼット、隣接して浴室。

 どういうわけかバスローブやタオルなどがあり、水やお湯も出た。

 魔法スゲー!


 すぐ下の階が副寝室で、その更に下が執務室兼簡易謁見室。

 隣接して補佐官とか秘書とかいう人間のための部屋もある。


 更に下には会議室やら、客室やらがあり、別の棟には働く人間の為の部屋まである。

 食堂に隣接して食料生産ユニットまであるのには驚いた。

 食材でない適当な物を放り込んでも、魔術で料理に変換するというわけわかめな代物。

 土やゴミからでもステーキや寿司が作れる。

 他にも服飾生産ユニット、金物生産ユニットなど、ここにこもったまま生きていくには十分な物が揃っていた。

 

 俺一人生きていくなら、周りと一切接触しなくても、このままここで生きていける。


 さて、こうなるとわざわざ面倒くささや危険を無視してまで、どこかに行く必要があるだろうか?



 ・・・ないんじゃね?

 いや、目的や使命があるわけじゃねーし、元の世界じゃ家族も無いし、失業保険で暮らしてた最中だったし、無理して戻る必要もない。

 まあ、安全と情報を確保した上で、別の町とかにちょっと観光や買出しに行く位はするかもしれないけど、今すぐどこかに行く必要は全くないだろ?


 偵察用とガードマン的なモノが作れるユニットは作っておいた方がいいかな?


 なんか適当なの無いかな?


 お、これとか良さそう。


 《スカイアイ生産ユニット》

  自力飛行を行い情報を送る小型自動機械を生産するユニット。消費MP30

 《ガーディアン生産ユニット》

  戦闘機能を有する人型自動機械を生産するユニット。ユニットの強さに応じて必要MPが変わる。

  消費MP50~240

 

 あと、これもあった方がいいかな?

 

 《サーバント生産ユニット》

  日常の活動をサポートする人型自動機械を生産するユニット。消費MP40

 《武器工房ユニット》

  武器を研究、試作するためのユニット。消費MP80



 じゃ、早速作るか。

 えっと、この城にコネクトする形でいいのかな?

 まずは失敗しても余り痛くないスカイアイのからいくか。

 「コネクト・スカイアイ生産ユニット」

 お、城の全景みたいなワイヤーモデルが表示されたぞ?

 くっ付ける場所をこれで指定すんのか。

 ・・・ほい、終わり。

 これで出来たのかな?

 水晶球で見てみよう。

 お、出来てる、出来てる。

 指示も出来るな、取り敢えず100体くらい作っておくか。

 じゃ、他のも作ってと・・・ガーディアンは取り敢えず50体、サーバントは俺一人だからなぁ、取り敢えず5体もいりゃ十分だろ?

 生産完了したら・・・ってもう出来たのかよ!

 魔法生産か? すげーな。

 じゃ、ガーディアンは門の内外に4体ずつと、メイン通路沿い巡回、棟ごとの巡回をそれぞれペアでやらせて、サーバントはこの棟の入り口とエレベーター入り口、それに俺の部屋の傍でいいかな? スカイアイは周辺巡回組と方面探査組に分けて・・・結構面白いな、こういうのも。

 こうシミュレーションゲームっぽいっていうか。

 あー、これから探査とかの報告も受けるようになるんだよなぁ。

 秘書っぽいのなんか欲しい気もする。

 あと、携帯型の端末とかも要るかな?

 ほとんどココに居る事になるだろうけど、何か有ったときの為にあった方がいいよな。


 ・・・独り言増えてるなぁ、向こうじゃそんなでもなかったんだけどなぁ。

 秘書ロボとメイドロボ作るかな?

 そういうの作れるユニットあるか?


 《高級サーバント生産ユニット》

 情報処理等高度な知的作業も可能なサーバントを生産するユニット。消費MP120 


 これがそんな感じだな。

 じゃ「コネクト」っと。

 秘書とメイド長と執事の3体。

 女性型2体と男性型1体生産っと。


 

 「タイチロウ様、はじめまして高級サーバント001です。」

 「はじめまして002です、よろしくお願いします。」

 「003です。以後よろしくお願いいたします。」


 おー、外見こそロボっぽいが、会話は普通の人間と変わらないなぁ。

 「よろしく、数字の名前ってのもなんなんで、001がルビー、002がサファイア、003がアメジストって事で以後よろしく!」


 ルビーが秘書、サファイアがメイド長、アメジストが執事って事になる。

 うん、なんか偉くなった気分だな。


 「「「了解いたしました」」」


 ん?

 サーバントに高級があったって事はガーディアンにも高級あるのかな?

 どれどれ?

 お、やっぱあった!


 《高級ガーディアン生産ユニット》

 高度な戦闘能力を有するガーディアンを生産するユニット。消費MP250~1000 


 騎士みたいのやらケンタウロスみたいのやらミノタウロスみたいのやらが作れるのか。

 最高レベルのユニット作ってそれぞれ1体ずつ作っておくかな?



 「タイチロウ様、正門ガーディアンからアンノウンの報告が入っております。」

 「アンノウン?」

 「人間の子供のようですが、門を叩いて崩れ落ちるように意識を失ったとの事です。」

 「この城の門、パラライズとかショックとか仕込んで無かったはずだよねぇ?」

 「純粋に体力的な限界だったようです。どの様に対処しますか?」

 「大人ならともかく子供じゃねぇ、見捨てるってのも後味悪いし・・・怪我とか病気はないかな?」

 「それは分かりかねます。」

 「医療ユニットとそれ用のサーバントを作らないと駄目か、まあ、俺もいつか世話になるかもしれないし、この際だから作っちゃおう。取り敢えず、その子は客用寝室にでも寝かせておいて、その間に医療系作っちゃうから。」

 「了解いたしました。その様に指示を出します。」

 「はい、よろしく。後、取り敢えずサファイアはその子についててあげて。ルビーはスカイアイの情報確認を、アメジストは待機して俺のサポートを。」

 「「「了解」」」



 高級ガーディアンは後回しだな。

 医療関連は・・・と、これか。

 

 《医療ユニット》

 医療・検査の為のユニット。消費MP180

 《医療・看護用サーバント生産ユニット》

 医療・看護用のサーバントを生産するユニット。消費MP230


 じゃ、「コネクト」っと。


 にしても、この辺町とか村とか無かったよなあ、どこから来た子供だ?

 スカイアイも飛ばしたばかりで情報入ってないし、本人が起きてからかな。


 一回、どんな子か様子を見て、その後、起きるのを待ちながら高級ガーディアン生産ユニットを作るか。

 

 ・・・あれ?

 言葉通じるんだろうか?





【SIDE:???】


 目を覚ますとまだ少しクラクラした。

 ここはどこだろう?

 死んじゃって天国なのかな?

 キラキラ明るくて、ベッドもフワフワで、生きてる時には味わったことのない・・・でもお腹すいた。

 死んじゃってもお腹って減るんだね、初めて知ったよ。

 「目が覚めましたね」

 女の人の声がする。

 天国の人って彫刻みたいな姿をしてるんだね。

 私もそうなってるのかな?

 手を見てみたが、死ぬ前と同じ痩せて汚れた手だった。

 「タイチロウ様、子供が目を覚ましました。」

 『了解、じゃ、そっち行くわ。』

 女の人が男の人と話をしている。

 男の人は別のトコにいるみたい。

 これって魔法ってやつかな?

 「お待たせっ・・・て、大丈夫か? お嬢ちゃん? どっか痛いトコないか?」

 黒い髪の男の人、こっちは普通の人間みたい・・・天国には普通の人間もいるんだね。

 「大丈夫です。ここは天国ですよね?」

 「あ・・・? いんや、俺も良くは分からんが、嬢ちゃんの様子を見る限り天国じゃないと思うぞ? なんでこの城来たんだ? この辺、町とか村とかないだろ?」


 え?

 もしかして、私、まだ生きてるの?


 !!!


 お姉ちゃん!


 「お願いです! お姉ちゃんを! お姉ちゃんを助けてください!」


【SIDEOUT】




 あー、胸糞わりぃ。

 いや、あの子、リコって名前らしいけど、あの子のせいじゃねぇんだけどさ。

 奴隷ね・・・。

 ただでさえ気に食わないのに、身を守る術のない子供をさらってってのはねぇ。

 しかも、あの子は「片目が潰れてて商品にならない」って人買いの馬車から捨てられたんだと(建築師なんてアホなクラスじゃなく、ヒーラーとかプリーストなら良かったのに)。


 俺も善人ってわけでもねぇ普通の日本人だと思うけどさ、こういうのはやっぱ駄目だろ。

 なんか、この世界、あの子の話聞くと中世風ファンタジー世界っぽい。

 大きな町の城壁の外にスラムがあって、リコとそのお姉ちゃんは二人きりで暮らしてたんだそうだ。

 で、人攫いに捕まって人買いに売られ、別の町に商品として運ばれてた。

 

 さっきまでピザ食いながらそんな話をして、今はサファイアと一緒に浴室行ってる。

 ゴミやなんかと一緒に馬車から捨てられたもんで、結構大変な事になってたからな。

 着替えはどうすんかなぁ、子供用の服なんかねーからなぁ、ここ。

 服飾生産ユニットで子供服も作るか。

 

 

 取り敢えずは子供用のバスローブを着させた(着ていたボロに比べれば、遥かにマシだろ?)リコと、アイアンと名づけたケンタウロス型高級ガーディアンと共に(騎士型がブラス、ミノタウロス型がブロンズと名づけた)人買いを探しに出る。

 乗り物は大地の均し車。

 リコの話を元にスカイアイを先行探査させて、馬車の轍は既に発見した。

 「じゃ、行くぞアイアン!」

 「了解いたしましたタイチロウ様。」

 道なき道をおそらくはこの世界では考えられない速度で走る。

 俺らの前に道は無く、俺らの後にはロードローラーで均された道と呼んでも差し支えのない物が出来ていく。

 普段ならおそらく、というより間違いなく目を回しているであろうリコも、姉の事を心配してそれ以外頭にないのであろう、ひたすら前を見つめている。

 

 俺は熱血とか正義の味方とか程遠い、冷めた元・失業者の訳わかんねぇ建築師とかいうもんだけどさ。

 ガキが笑ってられない世の中は間違ってるだろ?

 冗談抜きに俺が全部征服しちゃろうか、マジで。

 ま、先の事はさておいて、まずは人買いのクソをぶちのめす。

 で、リコの姉ちゃんを救い出す。

 他にもガキは居んだろうから、そいつらも含めてウチの城に連れてって、でもって腹いっぱい食わせて、ぐっすり眠らせる。

 他の事はそれからだ。



 ローラーを走らせて1時間。

 ウチの城にたどり着いてすぐ気絶する様な疲労と慣れない高速での移動にも関わらず、リコはまだしっかりと前を見つめてる。

 こいつが凄いのか、この世界の子供が凄いのか。

 いや、それだけリコにとって姉という存在が大きいのだろう。

 俺でも結構ケツが痛ぇていうのに。

 前方に点として見えていた馬車が少しずつ大きくなってきている。

 そろそろあちらにも、こちらが地面を砕き驀進する音が聞こえているだろう。

 

 まあ、気づいてもどうしようもないだろうけどな。

 お化けの様な訳の分からない車と騎士の鎧を着たケンタウロスの様な化け物。

 恐ろしさの余り気でも失ってくれれば楽なんだけど。

 外道をしかも商売にする様な奴にかける情けなんかないけど、自棄にでもなって子供が巻き添えくったらたまらない。

 

 細部まで見える様になった馬車を目にして、アイアンに指示を出す。

 「回り込んで牽制頼む。」

 「了解しました。」

 速度を落とし、建築師としての術を使う。

 「クリエイト・ストーンウォール!」

 馬車の進行方向を取り囲む様に城壁が創造される。

 周囲をすっかり取り囲み、中には俺らと馬車だけ。


 馬車から男が降り、アイアンを警戒しながらこちらに近づいてくる。

 「リコ、馬車に乗ってた人買いはあいつだけか?」

 「うん、そう。」

 「なら、ちょっと目を瞑ってな。」

 素直に目を瞑るリコを確認し、呪文を唱える。

 「クリエイト・スチールタワー!」

 男を貫いて地面から生えた鋼鉄の塔が天高く聳え立っていく。


 「いいぞ、目を開けて。悪い奴はやっつけた。」

 言うが早いか結構な高さがあり、大人でも飛び降りるのをためらうローラーからあっという間に降り、馬車へと駆けていくリコ。

 その声に馬車から飛び降り駆けてきたのがリコの姉であろう。

 抱き合ったまま動かない二人を見て肩の荷が少し下りるのを感じる。


 最悪、リコの姉が無事ではないという可能性もあった。

 リコがどれだけ彷徨った末にウチの城についたのかもわからなかったし、既に売られてしまっているなどという事も有り得た。

 あるいは、人買い集団の本拠地の様な場所で大勢の悪党を相手にするなんて事も考えられた。


 「デリート!」

 汚いオブジェの付いたタワーはそのままに、城壁だけ消去する。


 「馬車どうすんかなぁ。ガキ連れてくんなら、ローラーで引っ張るか、アイアンに引かせる方が早いんだけど、馬に罪は無いしな・・・。」

 考えている俺の方にリコと姉が近づいてきたのを声をかけられて初めて気づく。

 やっぱ、俺って戦闘むきじゃねーな。

 「どうもありがとうございます。なんとお礼を言っていいか。本当にありがとう。」

 「他のガキとかも無事か? 取り敢えず、ウチの城行くけど、誰か馬車扱えそうな奴は居るか?」

 「歩かせるだけならアイクって子が出来ます。」

 「じゃ、その子に頼んで・・・っとその前に食い物だな。声かけて外で食おう。全部で何人居る?」

 「14・・・リコ混ぜて15人です。」

 「リコも食うか?」

 「はい!」

 「そっか、じゃ外にみんな座れ。水は有るか? 手を洗った方がいいんだけどな。」

 「樽にありますけど、飲む分だけですが。」

 「あー、城に着けば水の心配は要らないから、それでみんな手を洗っちまえ。手づかみで食べるもんだからな。」

 手を洗い終えた子供からハンバーガーセットを配っていく。

 おっかなびっくり口にして、顔中笑顔にしてかぶりつく。

 やっぱガキは笑ってないとな。

 リコの頬についたケチャップを姉が拭いてあげている。


 帰ったら服飾生産ユニットで子供たちの服を作って、後はなにを作るかな?

 子供たちがこれからどうするかにもよるけど、保育用のサーバントを作るか?

 ま、馬車ペースの移動だ、行きよりは時間かかるし、道中のんびりと考えるか・・・。

建築魔法の攻撃使用法その1でした

こんなきっかけでも無いと城の外に出ない主人公

魔法使ってますし、しかも自分から何か飛んでくとかいう明確な攻撃魔法でもないんで、あんまり人を殺したという意識はありません

近寄られて攻撃されても嫌だし、話す価値も無い相手だと思ってるんで近寄らせもせずに撃退しました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ