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マジックアイテムを作ってみよう

今回、ようやくこの世界、というか国の情報が!

といっても騎士さんは解説向きキャラじゃないんで

色々と不足する事もあるかと

 

 さて、VS人買い組織だが、子供たちの救出さえ上手く行くんなら、人買いどもはジェノサイドになろうが、逃げる奴が多少いようが構わないと思ってたんだが、せっかく騎士さんがここに居るんだし、人買いどもの「その後」に関しては騎士さんに任せて(手柄になるだろうし)しまおうかと、少々プランを練り直した。


 でもって制圧プランを話して、制圧部隊(乗用ガーディアン+ブラス、アイアン、ケンタウロス型量産ガーディアン×50、俺が乗ってく予定のナイト)を紹介したところ、「こ、これなら問題なく制圧出来るでしょう」と冷や汗混じりのコメントで、やはり、かなりのオーバーキル状態のようだった。


 「ここまでのものであれば、抵抗をする気も無くすでしょうし、それでも逆らう者が居ると言うのであれば、命を奪うような事になるのも仕方がないかと・・・。あくまで子供たちの無事を優先しましょう。」

 

 

 で、その後、騎士さんを講師に、この国の地理その他についてお勉強。


 「では、騎士さんよろしく。」

 「わ、私にはシモーヌ・ド・フォルジュという名前があります。出来ればシモーヌと呼んでいただきたい。」


 なんか、どっかで聞いたような名前だなぁ。

 なんだっけ?


 「分かりました、シモーヌさん。じゃ、よろしく。」

 「はい♪えっとこちらのお城・・・・・・いい加減名前決めません?」

 「あー、じゃあ取り敢えず『ニート城』・・・ってのはギャグにして、『秘密基地』ってのも秘密じゃないから適当じゃないし、『隠れ家』ってのもなんだし・・・『アジト』で(いっか)。」

 だから、ルビー「センスの欠片もありませんね」って残念なモノを見る目で見るなよ。

 考えてる内に頭の中に、昔、プレステでやった事のあるゲームが浮かんじゃったんだからしょうがないだろ?

 いや、センス無いのは自覚有るけど、君らの名前も俺が付けたんだよ?


 「このアジトは王国・・・そう言えばこの国の名前はご存じですか?」

 「いえ、全く知りません。」

 「サイファイス王国と言いますが、この国の西の外れ、隣国の国境の方が王都より近い、という位置にアジトはあります。」

 「ふんふん、なるほど。」


 「この王国は国土の中央、やや南よりにある王都グランフィスを中心に、北にノルディス、東にドーティン、南にサルカス、西にウェスティンという4つの大きな都市があり、これらを繋ぐ街道沿いや、国土を流れる2つの大河アーモスとクレティグ沿いに幾つかの街があります。」

 「わりかし、分かりやすい感じだね。」


 「この国の貴族は他国とは異なり、貴族が領地を有していません。例えば私も拠点としておりますウェスティンは、ノード伯爵が統治していますが、ウェスティンの所有権自体は王の物であり、伯爵はその管理を請け負い、それに応じた棒給を得ているという形になります。これは国家中枢に関わる宰相も、私の様な末端の騎士もすべて同じで、それぞれの職務に応じた棒給を国家から受け取り、各々の職務にあたっているのです。」

 「ほほお、封建制でなく中央集権の専制王政か。上下問わず領地がないってのは徹底してるな。」

 「それでも資本を投じて開拓した土地の私有は認められておりますし、他にも色々と裏技は有るようです。また、私有地の売買自体は禁じられておりませんので、それが可能である財力があれば個人が広い土地を有する事も可能です。」


 「ん? って事は、ここに関しては根回しと手続き次第で、そのまま王国から認められる可能性もあるって事か?」

 「そうですね、ある程度高い地位にある方との伝手があれば、不可能ではありません。タイさんが『開拓した』という事で私有を認めて貰う事も・・・ただ、通常、開拓の場合、事前に王国へ申請を行い、その許可を得てからというのが正規の手順ですので、その部分を誤魔化す必要が出てきます。」

 「ん、まあ、争ったり、対立したりしないで済む方法があるってのが分かっただけで大助かり。なにせ、情報源が子供たちしかなかったからなぁ。」


 この国自体に過剰に介入する気は全くないけど、俺の魔術に関しては曖昧にしたまま(じゃないと、この国の王様やら大貴族様やらが「ウチの城も造ってくれ!」とかウザイ事になりそうだし)、富の提供と、いざと言う時の国境防衛武力の提供で、この場所の確保は出来そうな気もする。


 やっぱ、ちゃんとした情報ってのは大事だね。

 何か考えるにしても、元になる情報が間違ってたり、全く無かったりすると考えようがないもんな。

 長期の目標として王国にきちんと接触して、王国内でのここの正式な扱いを、とかいうのも進めた方がいいかな。


 「元々、ウェスティンを中心とする王国西部は、大河の流れから離れている事もあり、開発されていない土地が多いところです。逆にドーティンを中心とする東部は、王都の東を流れるアーモスとドーティンのすぐ側を流れるクレティグという二つの大河の恩恵を受け、農業も盛んでかなり発展しています。北部は最北に山脈を有し、冬場はそこから吹き下ろしてくる冷たい風でかなり寒くなり、農業よりも牧畜や鉱山での採掘が盛んです。南部は一部が海に面しており、比較的温暖な気候です。東部とはまた違った作物を中心とした農業と、近海での漁業が盛んです。」

 「って事は、国の西側除くと結構豊かな国って事かな?」

 「そうですね、西側と北側には比較的強いモンスターが出る事もありますし、人には厳しい土地と言えます。」

 「モンスターも出るんだ。」

 「ドラゴン氷狼フェンリルといった大型の魔獣はあまり出ませんが、小鬼ゴブリン狗人ノールといった群れを形成する厄介なモンスターが出る事はあります。」

 へぇ、居るんだモンスター。

 そういうの無い世界の可能性もあるかな、とか思ってたんだが、そういうのが出るとなるとやっぱ冒険者とかもいるのかな?


 「そういったモンスターに対処するのは騎士の仕事?」

 「大規模な集団になったものに対して騎士団が討伐に向かう事もありますが、一般的には街付きの兵士や『冒険者』と呼ばれる私的な武装集団が対処する事が多いです。」

 やっぱいるんだ、冒険者。

 普通の異世界ものとかなら、異世界に来た人間はそっちルートだよな。

 まあ、俺のスキルじゃ難しいけどさ。


 「これまでの所で何か分かりづらい事はありましたでしょうか?」

 しっかり目を見て尋ねてくるけど、なんか照れるね、こう真っ直ぐに見られると。

 「あー、特にはないかな、実際見たり、行ってみないと分からないトコくらいだと思うよ、曖昧なトコは。」

 「それは良かったです。エルスくんたちも疑問はありませんか?」


 え?

 いつの間に・・・。

 エルスとテオ、それにニエルもか。

 いや、ホント俺って気配とかそういうのに疎いよな。

 暗殺者とかいたらあっさり殺されて終了。


 少しは何か身を守る為の物を作った方がいいかもしれない。

 うーん、マジックアイテムの製造ユニットと、魔道騎士の生産ユニットを作るかな?

 魔道騎士って主の魔力で動く騎士で、説明とか見ると影の中に潜ませたり出来るみたいなんだよね。

 分かりやすい武力としてのガーディアンの他にこうした連中も居るといいかもな、特にこれから王国関連とか、他の人間と接触していくんであれば。


 その後、雑談っぽい子供たちの質問タイムになり、軽くお茶をして解散。

 

 早速、マジックアイテムの製造ユニットを作ろう。


 《魔術付加研究ユニット》

 アイテムへの魔術の付加、及び魔術を用いたアイテムの研究・作成を行う為のユニット。消費MP210


 《魔道騎士生産ユニット》

 マスターの魔力により動く魔道騎士を生産するユニット。マスターによる魔力供給が必須である為、魔力の無い人間が魔道騎士を従える事は出来ない。消費MP450


 魔道騎士の生産ユニットは流石に消費MPが大きいなぁ。

 取り敢えずどんなもんか一体生産。

 で、マスター登録をするんか。

 『魔術ラインが接続されました』とか表示が出てるな。

 でもって、命名・・・影に潜めるって事だし「シェード」で登録。


 「主人マスター、ご命令を!」

 うん、鎧の中に闇しか入ってないってのが、なんとなく分かる。

 これが魔道騎士ね。

 あんま子供たちの前では出せないかな、こいつは。

 「影の中で待機して、とっさの時は基本防御優先で起動。」

 「了解・・・。」

 いや、自分の配下とはいえ、こいつ怖いよ、ちょっと。

 俺の影に足の方から消えていく。

 なんか、しばらくは気になって自分の影をチラチラ見ちゃうかもな。


 「タイチロウ様。」

 ん? パールか、リコの事か?

 「リコ様の目の件ですが、怪我の痕を消す事は難しくありませんので、直ちに処置にかかれますが、失明してから時間が経ちすぎて居る為、今の目に治療を行ってそのまま視力を回復する事は難しいようです。また、義眼タイプのマジックアイテムですが、視力は無いとはいえ体を普通に構成している目を手術で除去し、その代わりに入れるとなると痛みと違和感にかなり悩まされる可能性があります。また、成長期の子供である事から、調整や交換が煩雑になる事も考えられ、彼女の負担が大きくなる事も懸念されます。」

 「ある程度成長したら、また対処を考えると言う事で、当面は外見の補正と視力の補助を行う眼帯タイプのマジックアイテムを使用した方がいいって事か。」

 「その方がよろしいかと。」

 「了解、丁度マジックアイテム作れるユニットも作った事だし、そちらの方は俺が作っておくから、リコの時間の空いた時にでもエルに話をした上で処置を行っておいてくれ。」

 「分かりました。では、そのように手配致します。」


 最初はルビーたちもあんな感じだったんだけどなぁ・・・。


 


 マジックアイテムの製造第一弾は見事に失敗に終わった。

 いや、機能はね、充分過ぎる程十分なものなんだけど・・・外見がね。

 ちゃんと考えてから作れば良かったんだが、完成した代物は真っ黒な眼帯にリアルすぎる目玉が半立体で貼り付いているという代物。


 ・・・少なくとも女の子の身に付けるものじゃねーわな。


 で、第二弾製造で出来たのが薄い紫色のバラの眼帯。

 どっかで見たような気もする代物だが、まあ、見た目も可愛いんで、外見カモフラージュの魔法をオン/オフ出来る様にしておいた。

 これは後でパールに渡しておこう。

 

 で、次に何を作るか考えて作ったのが、某龍玉のスカウターもどき。

 自分のステータスはさんざん見慣れてるけど、他の人間はどんなもんなんかな? と思って作ってみた。

 子供たちの才能チェックにも使えるしな・・・ってのは、完全に後から思いついた。


 

 後は騎士・・・シモーヌさんに、まあ授業料って訳ではないが、ヤバくなくて、それでいて役立つ物をと考え、俺の持ってる四次元ポシェットと同じ物を作ってみる事に。

 これは、元があるんで割と簡単に作れた。

 子供たちには持たせるとちょっと危ない気がするが、高級サーバントや高級ガーディアン、子供たちのお付きのサーバントには持たせてもいいかもしれないな。

 ちょっと多めに作っておくか。


 あー、後、人買いども捕まえた後、拘束するアイテムも作っておこう。

 手錠みたいなヤツでいいかな?

 

 で、それが済んだら乗用サーバントの囚人護送車作って・・・。

 子供たちはネ○バスに乗せればいいだろうし。

 今日中に対処出来るかな?





【SIDE:リュック】

 

 僕たちと同じ様に人攫いに攫われた子供たちの救出に、タイと騎士さんが向かうのだという。


 「俺も連れてってくれよ、タイのおっさん。」

 「お前が来るとお前の子分たちも来たがるだろうが! それに、ちっとばかし物騒だからな、今回は留守番だ。年下の子の世話を頼むぞ。」


 兄貴ががっかりしてるし、僕もちょっとがっかりしたけど、そうなるかな? とは思ってたんで、それほどでもなかった。


 アイアンによく似たガーディアンが、アイアンを先頭にずらりと揃って並んでいる。

 ブラスはバイクとかいう、凄くカッコイイ乗物に跨っている。

 騎士様はナイトの中でタイの隣に座っている。 


 お城も物語の中みたいな感じだけど、こうして皆が出発に備えているのも、吟遊詩人の英雄物語の一幕の様だ。


 かっこいいなぁ。

 いつか、僕もあの中に並んで・・・。


 そんな風に未来の自分の姿をそこに並べながら見ていたんだけれど、ルビーさんが何やらタイに報告すると、タイはナイトから降りてルビーさんと話し始めた。


 「あー、間の悪い招かれざる客人か・・・丁度準備が整ったトコで来るかなぁ・・・。」

 何か良くない事が起こったんだろうか?


 「あー、悪い、シモーヌさん。救出の方なんだが俺は行けなくなった。アメジスト、代わりに一緒に行ってあげてくれるか?」

 「了解しました。」

 あ、騎士様ガッカリしてる。

 「こいつらに指示に従うように言ってあるし、何かあればアメジストやアイアンやブラス通じて連絡取れるんで、ヨロシク頼みます。後、これ渡しておきますね。」

 あ、あの猫のバスだ。

 他にも色々な物を渡して、それを騎士様が受け取り、腰に付けたポシェットに仕舞っていく。

 あれ、タイの持ってるのと同じだよね。

 おそろいだけどプレゼントしたのかな、タイが。


 騎士様たちが出発、というより出陣って感じで出かけ、門の向こうに消えるまで僕らは手を振っていた。


 「さて、城の中に戻るぞ。ルビーはスカイアイの情報管理、サファイアは各門の警備状況の確認、エメラルドは子供たちが勝手に外に出たりしないよう居場所の把握、パールはこの際だからリコとエルを連れて例の処置をしといてくれ、あ、これ完成した眼帯な。じゃ、お前らも、すぐにどうこうってのは無いから、各自の仕事や遊びに戻れ!」


 「何があったんだろうね?」

 ニエルが興味深そうに尋ねてくる。

 「うーん、あんまり良い事が起こったんじゃないみたいだけどね。」

 そんな風に答えたけど、まさかあんな連中が来るなんて、その時の僕は思いもしなかった。


【SIDEOUT】 

騎士さんの名前は元ネタあり

外見や性格は全然似てませんけどね

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