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第二夢

おはようございます、こんにちは、こんばんわ、葵 悠です。

まず始めに遅くなってすみませんでした…。

ちょっと壁にぶち当たってしまいまして、それを考えてる内に遅くなってしまいました。

自分の小説を見てくださっている皆様…本当に遅くなってすみませんでした。


それでは

「し…死ぬだって…?」


そんなバカな話があるはずがない!俺はそう自分に言い聞かせた、だが…鬼灯はさも当たり前の如く淡々と話を進める。


「そう…死ぬわ、夢はねその人間の心や感じたことが夢となるの、そしてその人間を倒すということは夢を壊し、そして心を壊し、精神崩壊へと繋がるわ。」


「…ッ!」


「そして精神崩壊を起こした人間は衰弱し死に至る。」


「じ、じゃあ衰弱死する前に病院に入れるとか…」


俺は水狐を助ける為に何かないかと必死でその方法を探した…だが


「無理よ、その方法は随分前に実行したわ、でもねどんなに薬を投与して、食事を与えても結局皆死んでいったわ、それほどまでに心を壊された人間は生きる気力を無くすものなのよ…」


「…ッ! だったらお前らは何もせずに今まで見捨ててきたのか!? コイツはもう助からない仕方ない…って!」


「…ッ!!うるさいッ!アンタに何が解るのよ!それ以上口を開いてみなさいアンタの夢を無に帰してあげるわ。」


「…うッ…」


俺は鬼灯の怒りの発言に圧倒されて口を開けたまま呆然としていた…

そのまま何も言えずに立ち尽くしていたら鬼灯は俺から顔を背けた。

顔を背けた鬼灯は何か考えがあるのか独り言を呟きだした、そして再び此方に向き直り。


「あんた、青嵐 水狐の悩み…とか解る?」


そう聞いてきた鬼灯はズイッと俺に顔を近づけてきた。


「す…水狐の悩み?……うーん…」


俺は水狐の悩みを考えながら拳一つ分も入らない位にまで近くにある鬼灯の事も考えていた。


(うわッ…ヤバイ…顔近いし…スゲーいい匂いする)


「そうよ……って聞いてんの?」


「え、あ…あぁ!聞いてる聞いてる、考えてたとこだ」


慌ただしく鬼灯の問いに返答したら、鬼灯はジロジロと此方を観察するような目で見てきた俺は慌てて…


「な…なんだよ」


「歯を抜くわ一本ずつ、顔を前に出して口を開けなさい…ペンチを調達してくるからその態勢で待ってなさい」


「いやいやいや!今の話から何でそうなるの!?そして俺はその態勢で待ってなくちゃいけないのッ!?」


「ペンチ…ペンチ…理科室かな?」


「聞いちゃいねぇッ!!」


「やっぱりホルマリン漬けがいいかしら?」


「…」


俺は心からコイツに恐怖した…コイツに関わっていたら早死にする、殺害されるだろう…。

俺は5秒思考して逃走ルートを決定、逃走態勢をとろうとした時に鬼灯が口を開き。


「はぁ…アンタねぇウソに決まってんでしょ?どーせ変な事でも考えてたんでしょ?それより青嵐の悩みとかは解ったの?」


「…あー…いや全然解らん」


「そう…」


そう言うと鬼灯はまた考え事を始めた…俺は黙ってその様子を見ていた、すると鬼灯は何か思いついたように顔をあげて言った。


「行くわよ」


その顔はさっきまでの表情とは違い真剣な表情になっていた、そして鬼灯は足早に歩を進め始めた…しかし俺は鬼灯に一つ聞いておかなきゃいけない事があったそれは…


「…どこに行くんだ?」


そう目的地…何処に行くかも分からない状態であまり人にはついて行きたくない、もしかしなくてもコイツなら電気イスやギロチン…アイアンメイデン等が在るところに連れて…もとい連行されかねない、拉致と言ってもいい。


「はぁ?決まってるじゃない、青嵐 水狐の家よ。」


意外と普通の返答が帰ってきた。

その事に困惑していると…


「それとも何?処刑場にでも連れていかれるとでも思ったの?」


「…」

(どうやら俺はコイツと一緒にいると迂闊に思考したり喋ることができなくなるようだ…)


俺が額に汗を浮かべて目を泳がせていると鬼灯は不敵な笑みを浮かべさっさと歩いて行ってしまった、ここでついて行かねば俺の将来が危うくなるかもしれない…いや…既に危ないか。

何にせよ水狐の事が気になる、鬼灯について行くしかないか。

俺は鬼灯の後を追った。



約10分後…



「はぁ…はぁ…」


「こんな短距離走っただけで息切らしてんの?ちょっとは鍛えたら?」


「返す言葉もありません…」

(コイツの体力は異常だ…やはり戦うとなると相応の体力とかも必要なのかもな…)


無事に水狐の家付近まで来た俺と鬼灯は辺りの様子を伺っていたのだが…

さっきの水狐と鬼灯の戦闘のお陰でDR現象が起こり水狐の家付近は酷い惨状になっていた、死亡者は出なかったが壁や道路などが滅茶苦茶に壊れていたそうなると当然警察が出動していて近辺は封鎖、迂闊に近寄れない状態だった。


「…で、どうするんだ?」


「取りあえずは青嵐 水狐の寝相を確認したいわ」


「…寝相?」


「寝相はね、その人間の性格とかがでるものなのよ」


「へぇー初めて知った…まさか……」


「ピンポーン、それじゃ行くわよ」


そう言って鬼灯が歩きだした方向は水狐の家とは逆方向だった、嫌な予感しかしなかったので一応確認をとってみた。


「あの~鬼灯さん一体どちらへ…?」


「アンタの家よ」


「何故に俺んち!?」


鬼灯の脳みその中では一体どんな情報のやりとりが為されているのか、かなり気になるところだ。


「今、家に行ってもどうせ青嵐 水狐は起きてるわ、なら皆が寝静まる夜に出向いて侵入した方がいいでしょ?それにこんな昼間に堂々と他所の家に侵入できるわけないでしょ」


「確かに…」

(こんな昼間から他所の家に侵入できるわけがない、「私は泥棒です」と言ってるようなものだ)


「だが何も俺の家で待つことないだろ…」


「なに?何か見られたくないものでもあるの?」


そう言って鬼灯はニヤリと笑った。


「何を言ってるんだい、鬼灯さん…そんなものあるわけないでしょう?」


大丈夫、落ち着け俺…そうさ何も隠しているものなんか…


「すっごい棒読みね…まぁ何かあるのは解ったわ」


「何故バレた!?」


「ほら、ふざけてないで行くわよ、早くしないと青嵐 水狐が危うくなるわよ?」


確かにその通りだと思った、ふざけるのは水狐を助けてから幾らでもできる…今は鬼灯の言うことに従い水狐を助ける事が最優先だ。


そして歩くこと数分…

鬼灯を先頭にして俺の家の前まで来て俺はふと疑問に感じたことがある、それは…


(鬼灯 火鱗…コイツは何故に俺の家の場所を知っている?……一体何者だ…)


「お邪魔しまぁす」


「って勝手に入るな…」

(こんな怪しいやつ簡単に入れられるか!)

「何か言った?」


「はいはいどうぞーいらっしゃいませー」(怪しい以前に恐かった…)


唯一の救いは…


(父母は不在か…まだ仕事中か?)


都合よく(?)親二人はまだ帰ってきて居なかった事であった、あの人達に鬼灯を見られたらどんなリアクションが返ってくるか解らない…危険だ……。

そして俺は仕方なく鬼灯を自分の部屋まで誘導して…


バタンッ…


…き、気まずい…。

鬼灯は俺のベットの上…俺は床に座っている。

考えたらコイツは何時までいるつもりだろうかいつまでも二人きりはまずいし、その内親二人が帰ってくるそんな時にこの二人きりの状態を見られるだけで十分危うい…。


現在…6時半ちょっと過ぎ…


このままだといずれ親が帰ってくるだろう、その前にこの人をここから移動させなければ…




2時間後…




「ダメだ、移動どころか…寝ちゃったよこの人ッ!」


鬼灯は俺のベットで此方に背中を向け気持ち良さそうにスヤスヤと寝息をたてている、起こそうにも起こした後が恐くて起こせない。どうしたものかと考えていると、鬼灯が寝返りをうって、顔を此方に向けてきた…俺は鬼灯の寝顔を見てドキッとしてしまった。


「可愛い…」


寝顔の鬼灯はかなり可愛いかった、起きてる時には無い幼さが鬼灯の寝顔には出ていた。

その無垢な寝顔をじっと見ていると突如鬼灯が目を覚ました、鬼灯と俺は見つめあう形になり…


「何見てんのよ、奴隷の分際で」


「…スイマセン」


前言撤回、全然可愛くない。


「…今何時?」


起きたばかりの鬼灯はキョロキョロしながら時計を探してそう聞いてきた、しかし結城の部屋には壁掛け時計が無いからその行動はした所で無駄だった。

結城はポケットから携帯を取り出し時間を確認…時間は8時36分と表示されていたのでそのまま時間を伝える。


「8時36分だが…」


「…じゃあそろそろ行きましょうか」


そう言うと鬼灯は俺のベットから飛び降りて部屋のドアへと向かっていく。

もう何処に行くかは大体検討がつくので俺は黙って鬼灯についていく。

俺の家を出て数分後、着いたのは水狐の家だった。


「で…どうするんだ?」


そう聞いた…すると。


「侵入するわ」


「いいのか?深夜の寝静まった時に来なくて」

(最初はそんな事を言っていた気がする)


「別にいいわ、あれ以上アンタの家に居るのも迷惑になるだろうし」


「んー…いや、まぁ」

(こいつも一応人並みの精神は備えているらしい)


「けどまだ9時前だ、水狐もご両親もまだ起きてるだろう」


そのセリフ通り水狐の家にはまだ灯りが点々とついている。

だが…


「大丈夫よ、青嵐 水狐は多分…寝てるわ」


「何故そう言い切れる?」


「今日は入学式だったし、家の前であれだけの騒ぎを起こして警察とか来たんだから精神的に疲れて寝てると思うわ」


成る程と思った…しかし、水狐の家によく遊びに来ている結城は水狐の部屋の位置を知っている、それは家の外から見てもそうだ。

だから気付いた水狐の部屋の灯りもまだ点いていることに。

その事を鬼灯に話すと…


「カンケー無いわ、なら確認すればいいでしょ?」


鬼灯には部屋の灯りなどまったくカンケー無かった。

そして9時ちょい過ぎ…侵入開始。

水狐の家の庭から侵入して家の裏手に周りこんだ、バレたらどう説明しようと頭の中で考えていると鬼灯が…


「肩車して」


「…」


流石に躊躇ってしまった、そりゃそうだ女の子に「肩車して」と言われてホイホイ肩車するような奴は絶対に下心がある。

そんな事を考えていると鬼灯が急かしてきた。


「早く肩車しなさいよ、屋根に登れないでしょ」


そう水狐の部屋は2階にあるのだ、そのため肩車しないと屋根に登ることができないのだ。勿論俺が肩車してもらう訳にはいかないので俺が鬼灯を肩車しなくてはならない。


「解ったよ、ちょっと待て」


2秒で心の準備を終わらせて、片膝をつき土台の役になる。

そして…


「よいしょ」


鬼灯が俺の肩に乗ってきた、細く柔らかい太ももに挟まれまさに至福のときという感じだが、ここで変な事は出来ない変な事をしたその時は…


「その時は頭と胴体がバイバイする事になるからね?」


「…肝に命じておきます」


ホントに考えを読むのが上手いな…というわけでまだ頭と胴体をバイバイさせたくないので俺は鬼灯を屋根まで運ぶ…今はただそれだけを全うするだけだ。


「よっと…」


立ち上がり鬼灯を屋根まで運ぶ。


「ちょっと動かないでね…よいっしょ…」

鬼灯は肩の上で立ち上がりそのまま屋根に飛び移った次は俺が登る番だがどうしたものか…考えていると鬼灯が手を伸ばしてきた。


「ほら、早く」


「けど無理だろ鬼灯一人で…」


「これでもアンタより鍛えてるつもりよ…早く」


「解ったよ」


俺は思いきりジャンプして鬼灯の手を掴んだ、言ったとおり鬼灯は少しは鍛えているらしく上半身くらいまで引き上げてくれた、あとは自力で登りきった。

そうして屋根づたいに水狐の部屋まで向かい水狐の部屋の窓まで来た。


「…で?」


「で?って…後は覗くだけでしょ?」


「それはそうだが…」

(なんだか罪悪感がハンパない)


そんなこんなを言ってる内に鬼灯は水狐の部屋を覗きだした、つられて俺も覗く。



水狐は……大の字で寝ていた。



「う~ん…大の字かぁ」


そう鬼灯は呟いた…俺は一つ確認したいことがあったので鬼灯に聞いてみた。


「もしかして…寝相を確認しにきたのか?」


「そうよ?」


「…寝相で性格が解るのは解った…だが他に一体何が解るんだ?」


「あ、寝相変わった!」


「聞け…人の話を」


「次はコの字かぁ」


「…」

(もういいや…)


既に俺は蚊帳の外だった、この事件に関連しているはずなのにどんどん話が進んでいく…大丈夫なのだろうか?

その後約30分ほど水狐の寝相を見続け大の字とコの字以外の寝相を確認できなかったので…


「よし、今日は帰りましょう」


「…はいよ」


結局俺は何も解らないままその日は帰ることになった。


「ほら、早くしなさいよ!アンタの家に行くんだから!」


「またッ!?流石に勘弁してくれ!」


「奴隷のくせに私に反逆するつもり!?」


「それは今はカンケー無いッ」


「口答えは許さないわ!アンタは…………!」


「………!」


「……!」


「…」


「…」

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