第一夢
おはよう御座います、こんにちわ、こんばんわ。
葵悠です。
え~まずは…
大変遅れてすみませんでした。
私は一応受験生なのでAO入試等の関係で次話投稿が三ヶ月も空いてしまいました…
しかし入試は終わりもう自由の身です。
入試の合間に書いていたのでおかしい部分が多々あると思いますが最後まで読んで頂けると嬉しいです。
前書きが長くなりすいません…
それでは(やっと)第一話です。
現在…
俺は今年から通う鬼灯学園の入学式に出席している。
…(つまんねぇな)心の中でそう思いながら俺は鬼灯学園理事長の鬼灯 宗円(ほおずき そうえん)の長い話を全校生徒と聞いていた。
鬼灯 宗円は髪を後ろで結んでいて、ちょび髭?というのだろうか?
理事長の容姿はまんま紳士タイプといった所だ。
…(ここまで言っておいてアレだが、どーでもいいな)
「…である。…えーではこれで私からの話は終わる。」
「…はぁ、やっと終わった。」
理事長の話、時間に換算すると一時間と17分ちょっと位だった…。
入学式を終えてそれぞれ振り分けられたクラスへ向かう、ちなみにどーでもいい情報だが、
俺のクラスは1年H組です。
教室に入ると既に半分位の生徒が席についていたり、早くも友達になり話し合っている生徒の姿が視認できた。
俺にも一応同じ中学の友達がこの学園にいるが皆、俺とは別のクラスだ。
まぁこのクラスでも友達を作ればいいし、昼休みに友達に会いに行けば良いだけの話だ。
ここで思考を止め、俺は席に着くことにした…
5分程して担任先生が「ほら皆、席に着け。」とお決まりのセリフを言いながら開いたままだったドアから入ってきた。
先生の呼び掛けで皆が各々の席に座ると先生が再び口を開いた、「よーし、皆席に着いたな。」先生が皆を一瞥し生徒が全員座ったことを確認する。
そして、「よし、まずは自己紹介からだ、俺の名前は…音並 駿だ、趣味は走る事だな。」
そう言って音並先生は黒板に名前の漢字と読みを書いていく。
「じゃあ次は皆の番だ、名前、出身校、趣味等を言っていってくれ。よし、まずは逢坂からだな。」
そう言って音並先生は壇上から出席番号1番の逢坂という人を名指しした。
逢坂と呼ばれた男子生徒は起立し自己紹介を始めた。
「逢坂 高貴と言います 出身校は……」こんな感じで俺までの5人の生徒の自己紹介が終わり、ついに俺の番が来た…。
ちなみに…もう解っているだろうが、俺の出席番号は6番だ。
「黒守 結城です。 出身校は白鈴中学校です。 趣味は…昼寝です。よろしくお願いします。」
まぁまぁこんなもんかな?
そう思いながらクラスメイトの拍手を浴びながら着席する、そして男子生徒全員の自己紹介が終わり、女子の番になった。
女子達の自己紹介もどんどん終わっていきそして…ある女子生徒の番になった、女子生徒は起立し口を開いた…
「鬼灯 火鱗 光月中学出身 趣味は…調教です。」
そう言って鬼灯 火鱗は着席した…
ところで皆さん想像してみてほしい、この鬼灯 火鱗という女子生徒…外見はえらく美人なのだ。
背は俺よりも少し小さく、髪は蒼みがかった肩くらいまでの長さのショート、芸術と言ってもいいほど整った目鼻立ち、薄桃色の柔らかそうな唇…。
そして輝く蒼い瞳は宝石で例えるとブルーサファイアといったところだ。
こんな感じの女子が自己紹介で趣味は調教だと言い出すもんだから、現在30秒程教室の時間は凍結したままだ…。
すると我に返った音並先生が教室の時間凍結を解除してくれた。
「じ…じゃあ次は本多!」
「…え?あ…は、はい!」
本多と呼ばれた女子生徒は慌てて起立し自己紹介を再開した。
鬼灯以降、変な自己紹介をするものはおらず自己紹介は終了した。
そして音並先生が明日の予定などを話し、HRが終わり午前で学校は終わった。
…帰り道
「帰ったら寝るか…。」などと独り言を呟きながら帰路をたどっていると後ろから俺の肩を叩く者がいた。
「よ! 一緒に帰ろーぜ!」
そう言って肩を叩いて来たのは同じ鬼灯学園に通う、青嵐 水狐だ。
水狐はよく名前と顔で女に間違われやすいが結構イケメンだし結構、肉食系男子だ。水狐とは小学校からの仲だ、まぁ親友と言うやつだ、水狐は小学校のサッカーの少年団で知り合って親しくなった、他にも少年団の頃からの友達が鬼灯学園にいるが皆違うクラスだ。
「ん、帰るか。」
俺はそう言って再び自宅への帰路を辿り始めた、俺と水狐の家は学園からほど近く歩いて30分…自転車で15分と言ったところだ。
今日は入学式だったので自転車ではなく徒歩で登校した。
歩く事30分俺の家に着いた。
水狐に「家、寄っていくか?」と聞いたが「今日は疲れたから今度にするよ」とのことだった、俺は「そうか」と答え家の前で水狐と別れた。
しかし実際の所、俺も疲れていたから別れて正解だったかもしれない。
「ただいまー」
と…言っても誰も居ないが。
実を言うと俺の家は結構金持ちだ、両親はどっちも働いていて、父さんは有名企業の社長…母さんはその秘書だ。
ありきたりな関係だが、それが俺の両親だ。
そうゆうことで両親が仕事中の今、俺は家に一人だ。
「疲れたし寝るかな。」
そう呟き玄関で靴を脱ぎ、真っ直ぐ自分の部屋に向かう。
部屋に入りベットに直行、ベットに倒れ、枕を引き寄せ、直ぐに眠気が襲ってくる。
「…ねむ………」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
鬼灯学園…
殆どの生徒が下校した静かな学園の中で2階へ続く階段の踊り場で一人の女子生徒の声が響く。
女子生徒はケータイで誰かと通話していた。
「対象は青嵐 水狐…1年B組、男子だ」
「青嵐 水狐ね…解ったわ。で…どうするの?」
「とりあえずは様子見だ、先日調査班が発見した時は変わった様子は見られなかったらしいからな」
「…了解。居るか解らないけどとりあえず今からダイブしてみるわ」
「…解った」
ピッ…
パチン…
「青嵐 水狐…」
女子生徒はそう呟き、1階へ階段を降りていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
自室…
「んー…夢の中といってもヒマだな、いつもと変わんねーし…」
夢の中で俺はいつもどうり自分の部屋に居た。
最近になって毎日見るようになってきたこの不思議な夢にもそろそろ飽きてきた。まぁ飽きたと言っても寝たら必ず見るのだから仕方がない。
「さて…どうしようか…。」これから何をしようか考え始めたその時。
…ドーーンッ!
…ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「ッ…!?」
窓の外から腹の底に響くような爆発音が聞こえてきた。
「な…なんだ?」
…バタンッ!
タッタッタ…
俺は状況を確認するために急いで外に出て辺りを見回した、とりあえず家の周りに被害が出ていない事を確認した。
その時。
ドォンッ!!!!
再び爆発音が鳴り響いた。
しかも――
「くっ…」
(近い…!それもかなり…なんだ、この夢で一体何が…?)
(確かめなくてはならない、)何故ならこの夢で起きた事は、現実に反映されるのだから。
そう思い結城は走った、爆発音のする方向へ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
青嵐 水狐家 玄関前…
ドォンッ!!!!
「くっ…!」
(まさかこれ程とは…!)
爆発音が鳴り響き煙が立ち上る、その煙の中に青嵐 水狐と鬼灯 火鱗がいた。
そして水狐が口を開き。
「君がいけないんだよ、僕の世界に勝手に入って来たんだから。」
「フンッ!勝手にだと?夢は繋がってるんだ!勝手にも何も仕方ないだろう?」
「そうなのか…でも…君が悪い。」
そう言って水狐は再び両手を広げ臨戦態勢に入った、すると…
ボッ!
水狐の手の平から蒼く小さな水の竜巻が現れた、
竜巻はだんだんと大きくなり人の頭くらいの大きさになり、そして両手の竜巻を合わせた。すると…
ゴッ!
一瞬にして竜巻の大きさが何倍にも膨れあがった。
それはまるで嵐…
それを見ていた鬼灯は驚愕した。
「ッ!?」
(ここまで大きくできるの!?油断していた…まさか私がここまで追い詰められるなんて…仕方ない、ここは一旦……)
鬼灯は思考し逃走姿勢を取ろうとしたその時。
「な…なんだこれ…?水狐、お前がやったのか?」
「ッ!?」
(な…こんな所に一般人が!?)
そこには家と家の間の狭い路地から来たと思われる黒守 結城がいた。
結城は状況が解らずただ光を見ることしかでくなくなった。
「結城、君も居たのかい…?」
「どうしたんだ?お前…なんか変だぞ。」
「結城、君は助けてあげるよ…だから早く逃げて。」
(今だッ!!)
水狐が結城と会話をした瞬間、水狐に僅かな隙ができた。
鬼灯はその隙を見逃さず即座に行動した、瞬時に手のひらに火球を作り出し、走って、現在の状況を飲み込めていない結城の手を取り、火球を水狐に投擲した。
「ッ!?」
水狐は火球に反応し瞬時に手の平に水の竜巻を作り出し、火球と激突した…。
ボンッ!!
直後、水蒸気爆発が起こった。
「よし今のうちにッ!何してんの早く!!」
「え!? あ…ちょっとッ!!す…水狐ッ!」
鬼灯は結城の腕を強引に引っ張り走り出した。
「…」
爆煙の中にはまだ水狐の影があり怪しげな笑みを浮かべていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夢の中…
鬼灯学園前…
「ハァッハァッ…」
「まぁ…ここまで来れば一安心かしら。…大丈夫?」
「…ゴホッゴホッ!」
俺は息が上がり上手く言葉が出てこなかった。
「てゆーかアンタ、私と同じクラスよね?」
「ハァ…そ、そんなことより…さっきのは一体何なんだッ!?あんな非現実的な事があっていいのかよ!」
「…私の質問に答えなさい。」
「ハイ、ソノトオリデス。」
あまりの恐さに即答してしまった、男なのに…情けない…何なんだコイツ。
「よろしい。でもその質問には後で答えてあげるわ、とりあえず今すぐ…夢から覚めなさい」
「?」
(今コイツ…何か言いかけたな…)
鬼灯は何か言おうとして一度口を閉じ考え…夢から覚めなさいと言い直した。
「まぁ…解ったよ覚めればいいんだな?」
「そうよ素直でよろしい。」
またここで何か言おうものなら先程の恐怖がまた到来するかもしれない…そう思い今は素直に言うことを聞いておく。
「それと夢から覚めたら学園に来なさい、それじゃ。」
それだけ言い残して鬼灯は消えてしまった。
「…忙しいやつだな。」そう言って
そして気がつくと夢から覚め現実に回帰していた。
「17時16分…」
壁に掛けてある時計を見て現在の時間を確認して学園へ向かう用意を始める。
この時間に両親はまだ帰ってきておらずまだ俺一人だけだ。
「さてと…行きますか。」
準備が終わり玄関へ向かう、最後に忘れ物が無いか確認しドアを開けた。
するとやはりDR現象が起こったのだろう…近所が騒々しかった。
今、現場に行くのはマズイと判断し俺は学園へ向かった。
20分後―
学園の校門前までちょいちょい走ってきた俺は、そこで鬼灯の姿を探した。
午前で終わった為か学園にほとんど生徒の姿は見られず静寂が支配していた。
「来い…って言われたけど、学園の何処に行けばいいんだ…?」
重要な事を聞き忘れた事に今気がつき、何処に行けばいいか考える。
そして…
「まぁ…あそこかな?」そう呟き生徒玄関へと向かった。
上靴と外靴を履き替え、何処へ向かうかとゆうと…俺が今年一年お世話になる1年H組だ。
H組の前まで辿り着き…
ガラガラ…
ドアを開けると。
「遅かったわね。」
教室の中からそう声が聞こえた。
教室の中には窓際の席の机にこしかける鬼灯の姿があった。
俺は教室に鬼灯だけの姿を確認して教室に入る。
「そう言うんなら、あの時に学園の教室に来るように言ってくれよ…」
「奴隷の分際で私に反逆とは…いい度胸ね?」
「…」
一体この20分弱の間にアイツの頭の中で俺の存在はどんな事になっているのだろうか?
「俺はお前の奴隷になった覚えは無いが?」
「さてさっきの話の続きだけど…」
(聞いちゃいねぇこの女ッ!)
「アンタ、さっきのような出来事は初めて?」
鬼灯は急に真剣な顔になり問いかけてきた、ここは俺も真剣になるべきだと思い鬼灯の問いに真剣に答える。
「俺は幼い頃からあの夢を見続けているが、あんなドンパチは初めてだよ。」
「そんなに前からあの夢を!?」
「?、なんだよお前だってそうじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ、あれはいろんな条件下で身に付く能力よ。」(黒守 結城、コイツは特別だ…)
鬼灯は既に結城が只者では無いことに気づき始めていた。
そして…
「…アンタ、DR現象…って知ってる?」
鬼灯は誰もが知ってるであろう゛ソレ゛について聞いてみた。
何故なら鬼灯はこの時、結城にある疑いをかけていたからだ。
そして結城は答えた。
「あぁ知ってるよ…でも俺は自分で何かを壊したりはしない、それで誰かを傷つけたり殺してしまうかもしれないから…」
鬼灯は結城のその言葉と真っ直ぐな眼をみて、安心し口を開いた。
「そう良かったわアナタは大丈夫そうね…流石は私の奴隷。」
一瞬にして空気が凍結した…
今俺の周りに誰かいたらソイツにこう聞きたい…
(ここ、笑うところ?)
しかし空気が凍結したにも関わらず鬼灯は一人喋り続けてる。
「でも青嵐 水狐…アイツはもう手遅れね、倒すしかないわ。」
「…やっぱりな、そう言うと思ったよ。」
「あら意外な反応ね、どうしてそう思ったのかしら。」
「さっきも言った通りこの特別な夢はDR現象…つまり現実に反映する、そしたら当然死傷者がでる…そんなことになる前にお前は水狐を止めに来たんじゃないか?」
「なかなか賢いわね。」
「これくらい当然だ」
「でも…もう一つアナタに言っておくことがあるわ…この夢は悩みとか憎しみを持った人間が主に見るもの。」
「そしてこの夢はその人間の゛心゛を反映しているの、その゛心゛を倒すとその人間の゛心゛を否定されたことになり゛心゛は壊れ、現実の人間は衰弱し…そして……」
「…死ぬわ」
「ッ!?」
俺はコイツが何を言っているのか、解らなかった。
葵悠です。
第一話いかがでしたでしょうか?
変な所がありましたら感想書いて頂けると嬉しいです…
これからもだてメガネの夢分析能力をよろしくお願いします。