第19章「外交の嵐と再会の約束」
佐渡ヶ島、戦闘後数週間。残存モンスターの掃討作戦は完了し、島はほぼ安全を取り戻した。特殊作戦群として蒼真たちは基地に戻り、異世界への扉の安定化を確認していた。
「これで島は安定……だが、外交面での課題はまだ山積みだ」
斎藤が眉をひそめる。蒼真も頷く。
政府関係者と蒼真たちは、異世界の使節団との国交樹立準備に入った。しかし、現実世界の外交は簡単ではなかった。
中国とロシアは異世界との国交を妨害する動きを見せる。
「新たな世界と結ぶことは、我々の安全保障に重大な影響を与える」と国連を通じて抗議。
アメリカは日米同盟を盾に、日本に圧力をかけてくる。
「もしアメリカに利益が還元されない場合、同盟関係の再検討もありうる」
蒼真は肩を落としながらも、エリシアとの再会を心の支えにしていた。
扉の向こうから、異世界の使節団が現れる。その中に、長く離れていたエリシアの姿を見つける。
「……エリシア」
「蒼真……あなた!」
二人は言葉にならない感情を抱えつつ、ゆっくりと歩み寄る。
蒼真は彼女の手を取り、軽く握る。
「守りきった……もう離さない」
エリシアは目を潤ませながら微笑む。
「私も……ずっと待っていた」
その後、扉の前で正式に国交樹立が行われる。
異世界代表と日本の代表が握手する中、蒼真とエリシアは自然と肩を並べ、互いの存在を確かめ合う。
蒼真の耳元で囁く。
「これからは、一緒に歩むんだ」
エリシアは小さく頷き、しっかりと手を握り返す。
だが、その直後、外交的圧力が現実に襲いかかる。
中国の外交官が言う。
「日本が勝手に異世界と結ぶのは、国際秩序への挑戦だ」
ロシアの代表も続く。
「安易な国交は予期せぬ軍事リスクを生む」
アメリカ代表はさらに厳しい。
「日本と異世界の国交は、アメリカの利益を保証する条件下でのみ認められる。さもなければ、日米同盟の見直しも考慮する」
蒼真はエリシアの手を握ったまま、静かに息を整える。
「……俺たちが築いた平和を、妨害されるわけにはいかない」
エリシアも力強く頷く。
「一緒に乗り越えましょう。あなたとなら」
政府と自衛隊は世界の圧力に頭を抱えながらも、特殊作戦群の異世界での戦果と信頼性を盾に、外交交渉を進める。




