表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〜異世界に降りた自衛官、リアルも異世界も救う〜  作者: レノスク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/22

第17章「帰還者たちの逆襲」

佐渡ヶ島北岸。朝日がまだ低く、海風が冷たく吹き抜ける中、自衛隊の地上部隊はモンスターに押されていた。

「前線、押されてます!」

通信越しに若い指揮官が叫ぶ。

「後退しろ!各陣地を固めろ!」

だが、押し返される勢いは止まらない。

モンスターは統率が取れず混乱しているように見えたが、個々の戦闘能力は高く、兵士たちは次々と銃撃で応戦するしかなかった。

司令部ではレーダー越しに状況を把握するだけで、目視確認はできない。

「……あれは……何だ?」

レーダー上の点群が、一斉に砂浜沿いに現れた。

人型だが、動きが異様に速い。

ミサイル発射ボタンを握る指先が一瞬止まる。

その影の中に、蒼真たちがいた。

浜辺に姿を現した瞬間、モンスターの群れは背後からの出現に気付き、混乱を見せる。

一瞬、動きが止まり、互いにぶつかり合い、指揮系統が崩れる。

統率を失ったモンスターは、ただの脅威に過ぎなくなった。

「斎藤、右側を制圧。蒼真、中央をカバー」

短い声とハンドサインで、全員が即座に動く。

蒼真は銃を構えつつ、砂浜に展開するモンスターを観察した。

「起点はあそこだ。統率個体を先に潰す」

異世界での戦闘知識が脳裏に浮かぶ。

モンスターは統率がなければただの肉塊に過ぎない。

「各員、標的優先順を確認!脚部、頭部、武器保持者!」

レンジャー課程で叩き込まれた実戦戦術が、自然に隊員の動きに乗る。

撃ち分け、回避、間合いの計算――全てが無言で連携される。

混乱したモンスターは、背後から襲いかかる蒼真たちの動きに翻弄され、攻撃のタイミングを失う。

槍や刃物を持つ個体は孤立し、銃撃とローリングで次々と倒されていく。

魔法や特殊攻撃も、蒼真の経験で瞬時に予測され、かわされる。

「……火球!」

炎が飛んでくるが、蒼真は回避しつつ周囲の仲間と連携し、同時に倒す。

斎藤の指示は冷静かつ的確だ。

数分間の攻防で、押されていた前線は次第に安定する。

自衛隊は未だレーダー越しでしか蒼真たちの正体を把握できないが、敵が急速に減少していることを確認する。

「……人型、何か殲滅してる…?」

迷いと戸惑いが言葉に滲む。

蒼真は最後のモンスターを銃で確実に仕留め、砂浜に膝をつく。

息を整え、仲間を確認する。全員無事だ。

自衛隊が浜辺に接近してくる。

まだ距離はあるが、レーダー越しにその姿を追う。

蒼真たちは静かに立ち、銃を下ろす。

「……人間です。味方かもしれません」

通信越しの声に、自衛隊は安堵を見せる。

海風の中、蒼真と自衛隊の兵士たちは互いに距離を詰め、言葉を交わす。

「……無事か?」

「はい、全員無事です」

戦場に響いていた銃声と爆発は収まり、ただ波の音だけが残った。

島の運命を握る戦闘は終わった。

モンスターは全て、蒼真たちの知識と経験によって葬られたのだ。

しかし蒼真は海を見つめる。

「これで全て終わったわけではない」

水源はまだ世界のどこかに残っている。

だが、少なくとも今、この島に生き残った人間たちは救われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ