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15、問い尋ねるのは父親の覚悟

 

「俺は出ないよ」

 谷は言う。

「負けたしね。あー、もう、本気出して負けるってのは相当に面倒だよな……もう、取り返しがつかねえ感じだ」

 あーあ、と谷は天を仰ぐ。

「ちなみに協力者であんたんとこの……なんだ、歌成とかいう奴と連絡取ってたのは俺の方だ」

 ありゃあ偽名か、といって。

「偽名じゃないよ……それで、残るって事は実験を続けるってことかな?」

「んー、どうかな。東が出ていったら中間報告で負けてる俺に続けさせてくれるかどうかわかんないしね。――侵入者、あんたが他の組織から物理的に引き抜きにきたのだと偽装しておけばそのリスクは減ると思うけど」

「そっか、まぁ、めんどくさいけど考えとく」

 それで、とあーの方を向く一日姉様。

「貴方はどうするの?」

「外に……?」

 あーは一日姉様の言葉を反芻するように言って。

 けれど、

「出ても良い物だろうか?」

「――なに、そのうざい感じ?」

 ば、ばっさりだ!

 この返答にはさすがのあーも表情を崩す。

「でも今更外に……」

「だから、めんどくさいって! あんたね、罪とか罰とか自虐とか自戒とか慚愧とかめんどくさいっての、それはそれで置いときなさい! やる事はやる事でいいけどね……あぁぁぁぁぁぁ!」

 あ! と息を切って表情をただす一日姉様。

 瞬間沸騰にも程がある。

 そして、感情を一度空白にした上で。笑顔。

「あんたの事を必要としてる人がいるんなら出てこいって言ってんのよ! ほら!」

 一日姉様の声がして、浮遊感。

「え?」

 飛んでいる。距離は二メートルの放物線。

 手が使えなくて受け身が取れない、痛みを覚悟した瞬間に。

「――と」

 受け止めて貰う。膝に抱かれて、上を見上げればあーの顔。

「どうすんの? その子に肩を貸すのは私の役目? それともあんたがやるの?」

 

 そう問われて、間近で見るあーは。

 

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