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07話 ミッツパーティー

「「「将ちゃん退院おめでとう」」」


 今日は将太ときいなの大学時代の親友である鈴木美樹と須藤恵美が快気祝いパーティーに来てくれている。

 本間将太と鈴木美樹は小学校からの幼馴染で他の二人より関係は古いそうだ。


 今日の料理はきいなから当然のように一緒に作ろうと言われた。

 俺こと加藤将太自身は自炊未経験で、カップ麺かコンビニ弁当の生活をしていたので料理に乗り気では無かったがきいなの潤んだ瞳に押し切られた。


 きいなの料理の腕は素晴らしかった。

 俺はひたすらきいなの言う通り作業したが、ラザニアやパスタ、ローストビーフにサラダなどあっという間にテーブルの上に料理が並んだ。

 もちろん俺に難しいことは出来ないのでクラッカーの上にハムやチーズ、トマトを乗っけていた。いわゆるリッ◯パーティーである。

 きいなにリッ◯パーティーと言ったが理解してくれなかった。日本と同じようで若干ちがう世界なのでリッ◯という商品自体が無かったのである。やはりこの世界から疎外感(そがいかん)を感じてしまう。

 やりたいことを伝えたら直ぐに理解してくれて『ミッツパーティーね』と言っていたので、この世界にも名前は違えど同じ文化があるようだ。

 

 そしてパーティーの準備は滞りなく進んだ。

 

「今日はわざわざ俺の快気祝いのために来てくれてありがとうございます」



「爆発事故に巻き込まれたって聞いたときは本当に心配したんだからね」


「あんまりきいなに心配かけさせないでよ。私達にもだけど」


 彼女たちは心から心配してくれているようだ。

 きいなもそうだったが本気で心配してくれる仲間羨ましいな。


 「まだ記憶が戻ってないみたいだけど、きいなと一緒に生活してれば直ぐに思い出すよね」


 「そうよ。きいなの将ちゃんへの愛の力があればあっという間ね」


 よくこんなことを言えるなと思ったが、きいな自身もまんざらではなさそうなので問題ないようだな。

 むしろこの関係が当たり前なのだと、俺が前の世界で持っていなかったものなので眩しく羨ましく思えた。


 パーティーも進んで来たので俺は美樹に対して本題をぶつけてみた。


「美樹さんに教えてもらいたことがあるんですけれども……」


「だからさん付けも敬語もやめて。将ちゃんそんなこと言われると寂しいよ」


「……ええっと、では改めて。美樹…に厄災という言葉に聞き覚えがないか教えて欲しいんです」


「厄災症候群についてなら将ちゃんによく聞いてたからその範囲でなら話せるよ」


 俺ときいなは二人で顔を見合わせた。

 

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