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04話 疑惑

 俺加藤将太は日本とそっくりな大和という国で入院生活をしていた。


 いつも通りアパートの布団で寝ていたはずだが気が付いたら、この国で爆発事故に巻き込まれ本間将太と呼ばれるようになっていた。


 この状況を打破するためにまずは本間将太という人間について調べることにした。きいなさんを騙すようで申し訳ないが本間将太の日記を持って来て貰った。この日記の中に何らかのヒントが得られることを期待している。

 人の日記を盗み見るのは褒められたことじゃないが今必要なのは情報だ。


『今日はきいちゃんと一緒にチーズタッカルビを作った。彼女の喜ぶ顔を見ているだけで幸せだ』


『きいちゃんと近所の河原で散歩をした。特別な場所に行くのもいいがこういった日常の場所でも新たなきいなを発見できる』


 夫婦で一緒に料理をしたり散歩に出かけたり本当にこの夫婦は仲睦まじいな。

 

 いや、見るべき場所を間違えたな……

 

『今日厄災対策課に移動が決まった。このまま仕事を続けられるか不安だ……』


『初めて厄災を射殺してしまった……命令だと思って殺したが割り切ることは出来ない。あれは人間だ』


『今日また厄災が殺されたと聞いた。リミットが迫っていたから薬物注射で安楽死だそうだ。この世界の人間のためとは言え人殺しは人殺しだ……』


 すごい内容だな。本間将太は精神的に相当追い詰められているな。


 この世界のために厄災を殺すといのはどういう意味なんだ。厄災がウイルスを持っているということなのか。これを読む限り厄災というのは人間のように思えるが。


『厄災調査課の捜査員と話す機会があった。一度来た厄災は二度と元の世界に帰ることが出来ないらしい。』


 (元の世界……!!!)


 この日記からかなりの収穫があったな。おそらくだがこの厄災というのが俺のような日本人のことかもしれないな。


 (つまり俺も殺される対象だって言うのか…… なぜ俺がこんな良く分からない世界で殺されなきゃならんのだ。)

 

 とにかく警察は敵になる可能性が高いな。

 現時点では俺が異世界人だと言うことはバレていないはずだ。

 もしバレているなら既に殺されているはずだ……


 警察からどうにか距離をとるかそれとも警察に接触するのがいいのか。

 一体どうすればいいのか。

 

 いや、警察に留まった方が情報が手に入りやすいかもしれないな。

 スマホで厄災について調べてみたが、何も情報が出てこなかったしな。

 爆発事件についても機密情報ということだったしな。


 どうにかこの厄災調査課に接触出来ればもっと情報を得られるかもしれないが難しいか……


 そんなことを考えている時に思わぬ人物が病室に入ってきた。


「本間具合はどうだ? 心配してたんだぞ」


 病室に入ってきたのは警察省東北警察局災害対策課中島課長。

 本間将太の上司である。


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