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2050~ステータス1の廃人  作者: 烈火
プロローグ
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☆導入部分2

~仮想空間・夏祭りにて


7月7日、七夕の夜。

短冊に大人も子供も関係なく願いを乗せた言葉を書く。


仮想世界に人間が追い込まれてから俺たちを不憫に思ったのか、AIによって享受される願いは平等に可能な限り実現するようにしたからだ。


仮想世界のアバターとなった那藤少年は友人を連れ4人で丘にある世界樹と呼ばれた巨大な木に短冊を持って歩いていた。

那藤は背の高い赤髪でサングラスの初老に声をかける。


淘汰(那藤)「じーさん、俺は別に願い事なんてないからやめてくれって」


スミス「お前さんは分かっとらんな。

私に貸しなさい、代わりに願いを書こう!

人間たるもの欲望に忠実であれ。

私は死ぬまで色々現役と頼んだぞ?

人生150年社会とも言われるからな」


チャラ民「チャラ民はお嫁さんかな!」


淘汰「ネカマが何を言う」


子供のような見た目の青髪の魔女というのが姿の表現としては正しいだろうか、リア友であり同級生の彼はりんご飴を舐めながらニコニコして笑う。


この世界では話した言葉が視界の下に文字として表示され聞き取れない事は無い。

誰が話したか等も表示される為、慣れるまで少し時間はかかったが便利ではある。


俺は不思議と黙っている茶髪に猫耳とぐるぐる眼鏡をつけた少女に声をかけた。


淘汰「どうした?ねこさん。

いつもなら寿司に最も重要な液体を忘れた大将が如く、すっすー言ってるのに」


ねこさん「茶化さないで下さいす。

そ、そのっすね。

ええとっすね……」


スミス「ん?チラッと見えたぞ?

短冊には……『想い人と話せるように』

そんなんでいいのかい?」


ねこさん「わわ!?

くそじじい、見てんじゃねっす!」


悲鳴と共に短冊でビンタを喰らうじいさん。

何も言わずデリカシーがねぇよなとチャラ民にアイコンタクトすると肩を竦めた。

彼は割と言動と行動はおかしいけど良識はある。

いや言動、行動駄目ならアウトじゃねぇか


と黙って勝手にボケて勝手に突っ込むという寂しい癖はここで置き、ねこさんといえばで思い当たる有名人の名前を出した。


淘汰「もしかしてJINYA(じんや)さんの事か?やっぱあの人憧れるしな!」


ねこさん「え、ええ。

それもなんすけどその、リアルが上手くいってないっすから上手く行けばなって」


スミスのじいさんはリアルでも関係ある。

ねこさんとも長い付き合いだがあまり深く触れない。


まぁ仮想世界のアバターは見た目も身長も年齢も声や性別までもが自分で選べる世界だ。

彼女なりに不安を抱えることもあるのだろう。

何せAIが指定した個人のスキルに適した作業をひたすら人間達は学校なり仕事なり規定の時間させられているのだからな。


1度考えると深く長く考えてしまうのも自分の悪い癖である。

黙ってしまい空気が白けてしまいそうだったので会話を繋げることにした。


淘汰「短冊の願い事はAI達が結構理想に近い形で叶えてくれるんだよな。

でも夢や目標は自身が努力して得た方が嬉しさは大きいと思う。

ただ目標って意味で意識するのは確かにいいかもかな」


ねこさん「目標……すか

なら沢山あるっすね!

仮想世界のMMOで皆さんの役に立てればとか今いる自分達のギルドを大きくしたりとか!」


チャラ民「確かに沢山あるかも。

ギルドハウスに即席の木でもいいから植えてそこに目標とかを飾りたい!」


スミス「去年のクリスマスツリーなら物置に入っとるぞい」


季節外れもいい所だ。

口に出そうとした時には夜空が見える丘の上に出ていた。

中央に短冊の付けられた木が見え、麓の屋台から登ってきた浴衣を着たアバター達が集まってGMに短冊を渡していた。

タブレットを持って複数人で自撮りをしている人もいる。


そう言う俺らも浴衣を着て屋台でアメリカンドッグを食ったり、射的をしたり、金魚すくいをしたりと満足いくまで楽しんだのだが。

短冊を渡す列に並んだ途端チャラ民がはしゃいで俺の腕を掴んだ。


チャラ民「ねえ!知ってる?

あそこにあるお星様には織姫と彦星がいるんだけど1年に1度7月7日、七夕の日だけ会えるんだってさ!」


淘汰「聞いた事ある。

なんだっけ2人で遊び呆けたせいで神に怒られてそうなったんだっけ?」


チャラ民「なんかそう聞くとロマンさに欠けるねぇ」


そんな話をしていると俺達の番が来たらしく浴衣を着た男性のGM(仮想空間の管理人)と女性のGMが短冊の回収しに手を出した。

俺の分の短冊を持ったスミスが急にテンション高く声を出す。


スミス「よし!決めた!

淘汰の願い事叶えたる!」


俺が確認しようとした時には既にスミスじいさんは短冊をGMに渡していた。

その途端だ。

急に上が明るくなり皆が空を見上げる。

一筋の大きな流星が……こちらに向かって落下してくる!


恐ろしい振動と光の中現れたのは豪華な着物を来た和風な幼子だった。


なんの演出か理解には戸惑ったが俺は声をかけることにした。


淘汰「誰だお前?」


GM2.5「パンダが喋った!?」


言い忘れたが俺のアバターは訳あってパンダの姿をしている。


そうした混乱の中、宙に舞った短冊には


『手前の織姫と仲良く』


と綺麗な字で書かれていた。

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