魔王
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とりあえず、全属性が全能級に達した。
今、僕は6歳である。もう少しでアカデミーに入学。友達ができるのが今から楽しみだ。そんなことを考えながら、今、朝の走り込みをしている。始めたばかりの頃は2キロを目安にしていたが、徐々に走る距離は増えていき、今は10キロになっている。
「はぁはぁはぁ。おわったぁー!」
正直、10キロは相当きつい。でも、負けないためにはまだまだ足りないレベルだ。そして、終わってから家に帰ると、ちょうど昼前だ。家に帰ってから、魔術の勉強をし、そしてお昼ご飯を食べる。
お昼ご飯が食べ終わったら、午後は魔術の練習。とにかく、使える魔術を増やすことを目標にしている。昼前に読んだ本で出てきた魔術を実際に使ってみる。今日読んで使いたいなぁーと思ったのは確か....
「オールディストロイ」
その瞬間、爆音が辺りを包んだ。その音に耐えきれず、思わず耳を塞いでしまった。前を見ると、
何もなかった。本当に何もなかった。否、空気だけが存在している。今までそこにあったのは、限りなく広い平原、かなり遠くには、うっすらと森の影が見えた。それなのに、そこには何もなかった。
やっちった☆
まぁ起きてしまったことは仕方がない。とりあえず父様に相談しよう。それにしても、この魔術強すぎじゃね?これから使うのは封印しよ。
父様に相談した。すると、父様は言った。
「お前....どんな魔術使ったの?」
「はい。オールディストロイという魔術です。本当にごめんなさい。以後こんなことがないよう努めます。」
「オールディストロイ....!
お前、その本にオールディストロイの解説載ってただろ。それ読んだか?」
「......?いいえ。ただ名前がかっこよかったんで使おうと思いました。」
「その魔術.....魔王にしか使えない魔術だよ?」
「.....!? え....? おおおおおお父様、ご冗談を。」
「残念ながらマジだ。」
「マジか。」
「マジだ。」
驚愕しかなかった。だってさ、みんな考えてみてよ。
6歳が魔王にしか使えない魔術を使えるとか思わんやん。なんなんそれ。俺まじはんぱないって。魔王の魔術簡単に使うやん。それさき言っといてヤァァァァ!!
長い、ながーい沈黙のあと、先に喋ったのは俺だった。
「僕は、父様の子供ですよね?」
「あいつが浮気してない限り、俺の子だ。」
「父様の精子からぼくはできたんですよね?」
「.,.......そうだ。ちなみに精子って誰に教えてもらったんだ?」
「あぁ。それなら父様のベッドの下になんか人妻....」
「やめろっ!!!そこから言うな。頼む。そのことはどうか妻には内緒に。
本当にお願いいたします。」
「いや、言うつもりはありませんが。
それなら父様が魔王ということになりますが....」
「そんなわけないだろ。」
「ですよねぇ。」
「なんで使えたんだろ」
「なんでだろうな」
「まぁいいか」
「うん。まぁいいと思うぞ。」
ということでこの話は終わりなった。魔王級の魔術が使えたぐらいなんてことないことだ。
「ってなるわけねぇだろぉぉぉぉ!!
待てっ!息子よ。」
「なんですか?もうこれ以上この議論に意義は無いと思うのですが。」
「.....たしかに。じゃあいいや。
あれ、どこ行くんだ?」
「あぁ。今度は千里眼を使いこなす練習です。」
「わかった。行ってこい。ただ頼むからこの世界を壊さないように気をつけろ。」
「わかりました。では。」
そう言って俺は千里眼の練習をしようとした。しようとはしたのだ。でも、できなかった。なんでかって?千里眼を使いこなせてないからだよ。千里眼が使える日もあれば、使えない日もある。そんな感じだ。使える日でも、どのくらい遠くを見るかの調節ができない。
体は出来上がってきた。魔術もだんだん使えるようになってきた。ただ、目だけが使いものにならない。
「どうしたものかな....」
悩みながら、空を見上げた。夜でも無いのに流れ星が見える。お願い事でもしようかな。でも流れ星ってすい星からでたゴミって言われてるしなぁ。
ってあれ?なんか流れ星近づいてきてね?
うわうわうわうわ。怖い怖い怖い。めっちゃこっち来るやん。ええええ????
「ぶつかるっ!」
慌てて回避した。流れ星が空から落ちてきたのだ。否、それは流れ星ではなかった。
「いてててて。あ、おはようございます。」
いや、今はおはようの時間じゃねぇよ。
いや、今ふさわしいのはそんなツッコミじゃねぇよ。
「ぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!!!空から人ガァォァァァァァァ!!!」
「待て待て。落ち着け。僕は人じゃ無い。魔王だ。魔王。この辺で僕の魔術を使ったやつがいるんだ。心当たりはあるか?」
「おおおおお落ち着けって言われても、急に魔王って言われても....とりあえず、その魔術を使った人はぼっ...知らないです。」
「そっか。急に悪いな。そんじゃあね。
情報提供ありがとう。」
「はははは、はい。」
そう言って魔王(自称)は去っていった。
「今日はなんて日だよ....」
激動の1日だった。
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