蜂蜜ボーイ
僕はキース、双子の兄がいる。彼の名前はケビン。
僕たちはいつも一緒にいた。
着るものも一緒だったし、好きなものも一緒だった。
僕はそれが嬉しかった。
いつも僕を頼ってくれるし、僕も頼る。
彼には自分の悩みをなんでも言えた。
僕は彼を運命共同体だとさえ思っていた。
でも1つだけ、誰にもいっていない事があ
る。
僕は彼を愛している。
中学生になる前にはこの気持ちに気付いていた。
いけないし、おかしいし、あり得ない事だって事も分かっている。
それでも、本当に好きなんだ。
手を繋ぎたいし、キスもしたい、抱き合って寝たい…彼を愛しているから。
こんな事誰にも言えない。
言ってしまったら、この先どうなるか分からない。
苦しい…………。
いつもみたいに話せば、同じ気持ちでいてくれたりするの?
怖くて言えないんだよ……
苦しい。
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僕はケビン。僕は双子で生まれた。
もう一人の僕の名前はキース。
僕は生きているのが辛い。
僕がゲイという事はキースしか知らない。父さんと母さんにも打ち明けていない。
僕はなんでもキースに打ち明けた。
いつも同じ気持ちでいてくれたんだ。彼もゲイだった。ただ嬉しかった………
ただ、僕は彼と違うところがある。
人が怖いんだ。
彼は人気者だけど、僕だけいつも仲間外れにされるんだ。
だけどキースは僕を省いたりしない。
キースがいないと何もできない。
僕たちはいつも一緒。
そう僕はキースに依存している。
キースがいないと生きていけないのだろう。
きっと死ぬ時も一緒だろうなんて思っている。
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苦しい…
涙が止まらない。
僕は、ここにいてはいけないだ。
ケビンと離れて暮らそう。
ケビンと離れても他に好きな人ができるだなんて思ってない。
でも彼と一緒にいると我慢できなくなりそうなんだ。もう限界だ。いけない事なんだ。
ケビンが生きていれくれればそれでいいんだ。
彼に気づかれないように外へ出た。
深夜の電車に乗って、デトロイトまで行くことにした。
涙が止まらない。
幸せになる事を願って……
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朝起きたらキースがいなかった。
学校から帰ってもキースはいなかった。
消えた。
荷物もなくなってる。
連絡もつかない。
どうして……
涙が止まらなかった。同時に怒りも込み上げてきた。
僕のことが嫌いになったの?
彼がいないとどうやって生きていけばいいのか分からない。
彼がいないこの世で僕は幸せになれる…?
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冬を越すことができなかった。
この双子の運命。