登場人物等紹介
■登場人物紹介
●三浦誠司
・年齢:25歳
・外見の特徴:作業の邪魔にならない程度に伸びた黒髪。
目は細く、滅多に表情を変えることもない。
・体型:身長は180cmほどと、大柄。ただし、運動は愛犬の散歩程度のため身長からすると細身。
腕や足も長く、手足も大きめ。
・性格:冷静というよりは、感情の起伏に乏しい面も。
人嫌いや世捨て人というよりも、一人で完結しているため他者を必要としないタイプ。
何事もロジカルに判断をする。
そのため、あり得ない事態に遭遇しても、他に可能性がなければそれを受け入れてしまう。
・服装:出勤時はビジネススーツ。普段着は、ボーダーのシャツにジャケット、
チノパンといったスタイルがメイン。特にこだわりはない。
・持ち物:出勤時はビジネスバッグを持ち歩き、そのなかにはエコバッグをひそませている。
家の中では、タブレットを使用。
料理のレシピを確認したり、電子化したミステリィを読んだりしている。
・一人称:俺
・二人称:ミューラ(ミューラに対して)、アリス(有朱に対して)
・その他:兄は海外に行ったまま音信不通・
それに続くように両親も病死し、マンションを相続して一人暮らし。
いや、愛犬のコタロウと一人と一匹暮らし。親しい友人や、恋人などはなし。
勤務先は、バスで通える税理士事務所。9時5時で、繁忙期でも残業は避けるスタイル。
朝晩の犬の散歩は欠かさず、料理など家事も一人でこなしている。ただ、料理は男の料理。
●ミューラ・シルヴァラッド
・年齢:15歳
・外見の特徴:ふわりとした美しい銀髪を、背中まで伸ばしている。
サファイアの様に輝く大きな瞳は、とても印象的。
やや幼い部分もあるが、非常に整った容貌。
(土地や時代で好みは変わっても、絶対的な美の基準は変わらないようだ)
それでいて、はつらつとした生命力に溢れている。
・体型:身長は155cmほどで平均ぐらい。ただ、手足は細く、足は長い。
全体的にすらりとしているが、胸は大きめ。
・性格:明るく天真爛漫だが、逆に言うとお姫様らしい落ち着きには欠けている。
何事にも前向きで、一生懸命。良くも悪くも、誠司とは正反対。
ただ、側室の子であまり愛情を注がれなかった面もあるため、優しくされると弱い。
というか、基本的にチョロい。
・服装:転移時は、青を基調としてスカートが大きく膨らんだドレス姿。
しかし、家の中でずっとその格好はできず、スウェットやジーンズ+(変な文字の)Tシャツなど残念な格好に。
外出時は、ちゃんとスカートを身につけたりするが、誠司が適当に買ってきたのでださい。
・持ち物:魔力を貯蔵するペンダント。王家の紋章が刻まれた指輪。イヤリングなどの宝飾品。
・一人称:わたし
・二人称:セージさん(誠司に対して)、アリスさん(有朱に対して)
・その他:転移魔法の実験でアクシデント……というよりは、
クリティカルしすぎて異世界(地球)へ転移してしまった。
シルヴァラッド王国の第三王女で、若くして魔法研究所の特別顧問を務める天才。
だが、そのせいで同年代の友人は少なく寂しがり屋でもある。
この実験が終わったあとは、本格的に政略結婚の話が進められることになっており、
元の世界への帰還には、若干、思うところがあるようだ。
●浦賀有朱
・年齢:14歳
・外見の特徴:金髪(地毛)をツインテールにしている。母親がアメリカ人で、日本人離れした顔立ち。
子猫のように挑戦的な光が灯った瞳をしている。
常に笑みを絶やさず、小悪魔的な魅力がある。
・体型:身長は150cmほど。身長は平均より低め。全体的に発展途上の体型。
・性格:仕事の現場では優等生だが、誠司や家族の前でわがままを言う部分が本来の性格。
好きな人を困らせたりと子供っぽいところも。
心を許した相手にはスキンシップが多めで、容易く踏み込んでくる。
・服装:制服は、スクールセーターと紺のプリーツスカート。
私服は、ロングのスタジャンにストライプのスカートを合わせ、ニーハイを穿いたりしている。
・持ち物:デコレーションされ、ストラップがたくさん付けられたスマフォ。
アクセサリ類は校則で禁止されているが、ピアスの穴は開けている。
スクールバック(スクバ)には、ヘアゴムやクシ、リップクリームや鏡などいろいろ入ってる。
・一人称:アタシ
・二人称:セージくん(誠司に対して)、ミューラ(ミューラに対して)
・その他:幼い頃から、子役、声優として活躍している(中学)二年生。
そのため、数年前まで学校でイジメにあっていた。
誰にも相談できなかったそれを、誠司が解決(とまではいかないが、悩みを解消)したため、
それ以来、誠司にアタックをかけているが、当然のように受け入れられたことはない。
時折、誠司の家を訪れることがあり、ミューラとエンカウント。同居する彼女に危機感を抱く。
■登場小説紹介(敬称略)
●『長いお別れ』 レイモンド・チャンドラー
第一話に登場。
『さらば愛しき女よ』も良いですが、チャンドラーと言えばやっぱり『長いお別れ』でしょう。
テリー・レノックスとの友情がね、良いんですよ。初対面でいきなりそんなに仲良くなる? とか思うところはありますけど、良いんですよ。
これをベースにしてTRPGのシナリオを作ったこともあるくらいです。
ラストも切ないですしね。
ミステリ的にはチャンドラーは、まあ、あれなんですが(伝われ!)。でも、シャープで洗練された文章に、機知に富んだ会話が素敵で、ぐいぐい引き込まれます。
この文章の前には、多少の瑕疵は気になりません。
「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」とか、普通出てこないですよ。個人的には、清水訳が良好きです。
あと、チャンドラーと言えば原尞の沢崎シリーズも、未読なら是非読んでもらいたいです。
寡作ですが、もの凄く作り込まれた作品で沢崎もマーロウに負けず劣らず格好良いのですよ。
それにしても、『愚か者死すべし』のときはギリギリ携帯電話を持ってなくても大丈夫ぐらいの時代でしたが、今新作を出すとなるとどうなるんでしょうかねぇ。
電話代行の女性とのウィットに富んだ会話が大好きなんで、引き続きなんとか登場して欲しいものです。
いや、その前に、新作を……。新作をください……。
●『奇巌城』 モーリス・ルブラン
第三話に登場。
ルパンは、子供の頃のヒーローでした。小学生の頃は、恐らくクラスや学年でホームズ派とルパン派に別れるのではないかと思うのですが、作者は圧倒的にルパンでした。
怪盗ですよ? 無条件で格好良いじゃないですか。
あと、怪盗は探偵っぽいことをする場合もありますが、探偵は事件を解決しかできない。これはもう、怪盗は探偵の上位互換と言えるのでは?
なんてことも思っていたように思います。
『奇巌城』には思い入れもありますが、個人的には第一短編集の『ルパン逮捕される』から『獄中のアルセーヌ・ルパン』の流れが好きです。
いきなりルパンが逮捕されるのかよ! という驚きからの見事な脱獄劇に度肝を抜かれました。
ガニマール警部は、まあ、ご愁傷様ですが(笑)。
小説を読むのが面倒くさいという場合は、森田崇による漫画版『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』もオススメです。漫画だと、フランスの街並みが描かれているのが良い。
それに、絵柄もあってルパンの破滅的で、病的な上昇志向をより感じられます。
●『指輪物語』 J.R.R.トールキン
第四話(後)に登場。
作者は学生時代からTRPGにどっぷり浸かっていたんですが、「TRPGやってるなら指輪ぐらい読んでなきゃ駄目だろ!」ということで読みました。
正直、最初はダルかったです(笑)。
粥村での描写とかこんなにいるのかよとか思ってましたし、サムとかピピンはこいつらうぜえなと思ってました。
『ホビットの冒険』は読んでないどころか、存在も知らなかったのでビルボとか出てきても「ふ~ん」でしたしね。
ところがところが、読み進めていくうちにどんどん愛着を持ち始め、最後の別れのシーンでは泣けてきました。
というか別に旅立たなくて良いじゃん? とかけちを付けていたような気もします。
それから、粥村や馳夫、つらぬき丸などの独特の訳語も最初は格好悪いと思ってたんですが……途中からはこれじゃないと駄目だなと調教されてしまいました。
ストライダーって誰ですか? 飛竜ですか? 馳夫さんは馳夫さんでしょう?
●『ホーンブロワー』シリーズ セシル・スコット・フォレスター
第五話に登場。
海洋小説って日本じゃなぜかマイナーですが、ホーンブロワーシリーズは面白いので是非読んで欲しいですね。
シリーズそれぞれが面白いのは当然。続けて読むと、主人公ホーンブロワーの成長や出世に寄り添うことができて気持ちいいですね。
内心は自信がないんだけど、指揮は立派で部下からも慕われてるところとか、ほんと好きです。
ただ、ホーンブロワーは女性関係がね……。
別に女にだらしないわけじゃないんですが、奥さんへの対応が酷すぎるのがちょっとねぇ。マリアさん可哀想すぎます。
でも、実質的に寝取るような形になったレディ・バーバラは前の奥さんとの子供もちゃんと育ててるから偉い。
そして、レディ・バーバラが立派な分、ホーンブロワーが駄目に見えるという(笑)。
あと、ナポレオン時代の海軍というか、航海の事情が面白いです。
港で強制的にさらって船員にした挙げ句、まともな食事も与えないとか、ロイヤルネイビーほんと酷い(笑)。
食事も、本編で触れたとおりコクゾウムシが湧いた硬いパンとか藻の浮いた水とか平気で出てきますからね。
それと、旗艦に招かれたときの豪華な食事との落差がすごいです。
あと、海水シャワーが気持ちよさそうなんですよね。たぶん、実際はべたつくだけだと思うんですが。
ホーンブロワーが気に入ったら、そのSF版とでも言うべきドワーフ……ドリームライフなどでお馴染みの愛山雄町先生のクリフエッジシリーズ(http://ncode.syosetu.com/s1011b/)も是非読んでください。
特に、艇長を無意識にコクスンと読んじゃうような人は絶対に面白く読めると思いますよ。
●『黒後家蜘蛛の会』 アイザック・アシモフ
第六話に登場。
後から考えると、アシモフをミステリ作家として紹介とか、なんて畏れ多いことをしたんだと、ちょっと
後悔しています。
作中でも述べているとおり、フォーマットの決まった連作短編です。
なので、飽きやすいと言えば飽きやすいのですが、そこは誠司さんのように少しずつ読んでもらえれば大丈夫でしょう。
最後はヘンリーが持っていくとはいえ、「捨て推理」も魅力的なので、楽しいシリーズです。
でも、執事のヘンリーの過去は、知らなかったのでちょっとびっくりしました。あと、もう、シリーズの最後のほうになると、作中人物も「もう、全部ヘンリーでいいんじゃないかな」みたいな感じになっていくのもまた(笑)。
それから、森博嗣のS&Mシリーズの短編にも触れていますが、アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』とどっちにするか、ちょっと悩みました。
ちなみに、S&Mシリーズだと『幻惑の死と使途』が一番好きです。『幻惑の死と使途』と『夏のレプリカ』を一章ずつ交互に読むなんてこともやりましたね。
●『星を継ぐもの』 J・P・ホーガン
第七話に登場。
ナディアの最終回だったり、ナイトウィザードリプレイだったり、Zガンダムだったりする『星を継ぐもの』ですが、きっかけは友人の勧めでした。
SFだと思ったらミステリだったから読めと言われて、正直半信半疑でしたが……本当にミステリで二度ビックリ。
トリックの規模も、まさに宇宙的。言いたいことはだいたい作中で言ってしまいましたが、ミステリ者としては最初の不可能状況だけで満足。
なのに、最後に壮大なオチまで突きつけられ、さらに続編まであるとか。
久々に打ちのめされましたね。
ほんと、「タイトルは知ってるけど……」というので読まないなんてもったいないですよ。
●『中途の家』 エラリー・クイーン
第八話に登場。
作者が最も好きなミステリ作家、それがエラリー・クイーンです。
初めての出会いは綾辻行人の『十角館の殺人』。この作品に出てきたエラリィが好きで、元ネタである作家のエラリー・クイーンにも手を出したのですが……最初は訳が分かりませんでした。
そう。作者が最初に買ったクイーン作品は、ハヤカワで一番が振られてた『十日間の不思議』だったのです。そりゃ、いきなりライツヴィルものを読んでもわけ分からんわ。
後にきちんと国名シリーズから読み始め、きっちりはまったので安心ですが。
そんな大好きなエラリー・クイーンでなぜ『中途の家』なのかというと、作中のシチュエーションに合致……というほど合致はしていませんが、似てたので出したのですが……。
『中途の家』自体も、結構好きなんですよね。
まず、シチュエーションが良い。二重生活をしていた男が中間点で殺されたとか、もう、凄すぎません? 裁判もドキドキしますし。
なにより、クイーン警視らレギュラーが出てこないと言うことは、最初に読む一冊に向いていると思ったりもするんですよね。
そりゃ、一作目の『ローマ帽子の謎』から読んでもらえればベストですが、デビュー作だけあって読み難い部分もありますし……。
しかし、美少女にどっちにするのって言われてるシーンで、『中途の家』を思い出す誠司さんは凄い。




