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-Rubyの記憶-  作者: 花
1/7

-プロローグ-

シャンバラから少し離れたところにある荒野の国・カイン。

カインは世界最高峰の軍事力を持つ国・シャンバラと、ならず者たちの住まう国・エデンの間にある世界一の領土をもつ人の住まない国だ。

その断崖絶壁にコロニーの白い軍服を纏った少女が立っていた。

少女の赤い髪と白い肌を乾いた風が撫ぜた。


「……」


少女の後ろから、大きな黒いグリフォンが歩み寄ってくる。

グリフォンが甘えるように少女の肩に顎をのせると、少女の手がグリフォンの嘴を優しく撫でた。

グリフォンが低く唸る。


「憂海」


誰かが少女に声をかけた。

少女が振り向くとそこにいたのは少女と同じ軍服を着た赤い髪の青年だった。

あまり良くない目つきは良くないが、整った顔立ちだ。


「…もうそろそろ、出る時間かな」


少女が青年を見て言う。

青年は少し目を細めた。


「グウウゥゥ…」


グリフォンが鋭い唸り声をあげた。

2人とも絶壁の下を見る。

そこには和服を着た男が2人いた。

男たちの肌蹴た着物から見えた胸には大きな蛇と林檎の刺青があった。

それは、この世のならず者たちが集まる組織───カタストロフに属している証だった。

少女と青年の属する組織・コロニーとは敵対しているのだ。

そして、2人に与えられた命令のひとつにカタストロフの殲滅がある。

このカタストロフの2人を見つけた少女と青年は、その2人を殺さなければいけないのだ。

少女が右手で左腰の刀を握り、左手で鯉口を切る。

男たちは気が付かなかった。

少女がとんっと静かに崖から飛び降りた。

音も無く綺麗に崖の下へ降りていく少女。

石の壁を蹴り、スピードを上げる。

ぐんっと距離が詰まった。

地面にだいぶ近付いた頃、少女が思い切り刀を引き抜いた。

刀は男を脇の下から横に真っ二つに切り裂いた。

もう一人の男が武器を構えた瞬間、少女の刀が男の左胸を突いた。

それはほんの一瞬の出来事。

少女が地面をとんっと蹴ると、体は上昇しすぐに崖の上に移動した。

青年が少女を崖の下を覗きながらおもむろに口を開いた。


「お前がやらなくてもよかっただろう」


「念のためだよ。危ないもん」と返す少女。


「ちゃんと偵察もしたし、次は何をするの?」


少女がきくと、青年は自分の首についたチョーカーをいじりながら返す。


「シャンバラとアガルタの国境付近にある森に、元帥様お墨付きの子供たちを迎えに行くんだろ」


「子供たちかぁ…。私より年下かな?」


「ないだろ」


期待の眼差しを向ける少女に青年は即答した。

アガルタはカインとは真逆にある国だ。


「3人くらいいるんだったよね?」


「ああ。でも追加で1人増えるかもしれないらしい」


「そうなの?」


「そう連絡が来たからな。ここからアガルタまで3日で着きたい。急ぐぞ」


「うん」


そう言うと、2人はその場を立ち去った。

【地底世界】

・地球は3つの層になっている。その2つ目の層の世界のことを呼ぶ。

・地底人という人間が住んでいる。

・地上世界の北極とメキシコに巨大な穴があり、そこが唯一の地上世界との繋がりである。

・地底世界には核にあたる場所にユグドラシルという巨大な木がなっている。その木に地底人たちは住んでいる。

・地底世界は全て『酸素の水』と呼ばれる液体に満たされている。

・アガルタ、シャンバラ、ノア、メア、ロキ、レヴィ、カイン、エデン、エリスの9つの国で構成されている。

・その地層は聖地【ユグドラシル】を内側に守るように球体になっており、地上世界の地層と【ユグドラシル】の間にある世界。

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