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■第48話 最後の歩道橋2



 

 

 

唇のやさしい後味に酔いしれながら、

マドカがそっと目を開けリョウを見つめた。

 

 

 

 『ねぇ・・・ あたしのこと、好き・・・?』

 

 

 

真っ赤な頬をしたリョウが、照れくさそうに俯きそして

コクリと一度大きく頷く。


するとマドカが違うとでも言うように首を横に振った。

 

 

 

 『好き・・・?』

 

 

 『・・・はい。』

 

 

 

再び首を横に振るマドカ。

 

 

 

『・・・好き?』 3度繰り返した時、意味が分かったリョウが

照れくさそうに笑った。

 

 

 

 『・・・好き、です・・・


  好きです、すごい好きです・・・


  ・・・好きで好きで、もう・・・ ほんと、どうしようもないくらい


  どうしたらいいか分かんないくらい・・・ 大好き、です・・・。』

 

 

 

『分かった分かった!』 マドカがぷっと笑う。

 

 

 

 『よく出来ました!


  これでワタセ先生の ”人の気持ち ”講座は終了です。


  もう教えることはありません・・・。』

 

 

 

リョウが物寂しげにマドカを見つめる。


最後の授業が ”好き ”というたった2文字だったという皮肉さに

哀しげに微笑む。

 

 

 

 『あ! 最後にひとつだけアドバイス!


  ・・・アンタ、コンタクトにしたらいーよ・・・


  メガネはずしたら超モテるよ、女子に・・・ 


  新しい学校、共学なんでしょ~?』

 

 

 

すると、リョウはかぶりを振って小さく笑った。

 

 

 

 

 

   『どうでもいい10人に好かれるよりも、


    大切なひとりにずっと好きでいてほしいです・・・。』

 

 

 

 

まっすぐマドカを見つめるそのメガネの奥のやさしい瞳。


マドカが照れくさそうに澄まし顔を向けた。 『・・・あっそ。』

 

 

 

 

ふたりでクスクスと笑い合う。

絡め合いつなぐ手に更に更に力を込めた。

  

 

 


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