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死んだら何にもならない

作者: 竹仲法順

     *

 苦しくて、自殺しようと思ったことはある。これは紛れもない事実だ。この世の中、理不尽なことだらけ。自分に一体どんないいことがあるのかと、ペシミスティックに考えたこともある。

 だが、仮に苦悩の末、自殺したとして、その後何かあるのかと問われれば何もない。自分を落とし込もうと悪巧みを画策する連中の思うつぼである。だから、生きて抗議してやる。そう開き直るようになった。

     *

 確かにこの世の中、救いなどないに等しい。ずっとそう思っている。未だにそうだ。でも、いいことだってある。今、ボクにとって一番の苦痛はオヤジの饅頭屋。あんなものが家の中にあるから、私生活がまぜっかえされるのである。

 でも、あの会社(本来的には会社組織でも何でもないのだが)はいずれ数年以内には破たんする。必要がないからである。社会にとって害悪にしかならない。そんなものを生かし続けておくなど、到底許されないのだ。だから、いずれ間違いなく離散する。その時はボクの悩みの種が一つ減ったことになる。

     *

 話を戻すと、死んで意味がないのは、仮に輪廻転生のようなものがあった際、自殺した人間など浮かばれないということ。そう思うと、尚更生き抜いていくしかない。それに多少妨害があったとしても、そんなものは痛くもかゆくもない。ああ、またやってるなといった感じで。それに人間には誰しも尊厳というものがあるじゃないか?コソコソ裏工作などする人間は卑屈。腐っている。そんな人間たちを今まで吐いて捨てるほど見てきた。

 散々申し上げているように、饅頭屋も叔父の会社も別に必要ないのである。ボクの代になれば、全部手を切る。そして二度とさせないようにする。まあ、そう言わなくても、自然と離散するのだ。烏合の衆は、所詮烏合の衆。クズでカスだから、堂々と出来ない。前述したように陰で裏工作するのである。汚い人間たちだ。いや、人間というよりも、家畜にすら劣る最低の輩だな。

     *

 最後に一つだけボクの取柄を言っておきますが、それは決して悪いことやコソコソしたことをしないことです。唯一の長所だと思っている。卑屈な人間は、どこまでも卑屈。クズはどこまでもクズ。そんな人間たちに一切用はない。

 まあ、人生など曲折の繰り返しだ。いろんなことがある。息苦しいのは誰でもだと思う。その息苦しさを乗り越えることが出来て、もしくは克服できて、初めて人はいい生き方を選択できる。別に境遇の悪さなど、そう関係ない。自分次第なのだ。人生は。そう思うと、一時の感情での自殺など愚かな選択肢なのだし、どこまでも力強く生き抜いてやる決意が出来る。したたかに、だ。

 ひとまず一筆書かせていただきました。

 ではまた。

                             (了)



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