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二日目~夜~

「えっと……何か飲まれますか?」

「何があるかしら?」

質問に質問で返されてしまった。というか、僕は怒っていたはずなんだけど……

「何もないのなら無くても大丈夫なのだけれど?」

「あ、いや…紅茶とコーヒーならあります。」

「そう…なら、コーヒーをいただこうかしら。」

僕は慌ててコーヒーの準備をし始めた。といってもお湯を沸かすだけだが。

なぜ彼女が僕の部屋に居るかというと、今から少し時間をさかのぼる。

30分ほど前、僕は怒りに任せて会場となっていた会議室から全速力で走った。その結果、運動不足だったこともあって僕はヘトヘトになって駅についたのだ。

空腹だったので、駅周辺の牛丼チェーン店で夕食を摂り、今度は徒歩でゆっくりと帰ってきたのだ。

すると、僕のマンションの前で待っている彼女を見つけたのだ。

外で立ったままというのもどこか申し訳ない気がしたので、中に入ってもらったというわけである。

そうこうしているうちにお湯が沸いたので、コーヒーを入れて彼女の座っているところまで持っていった。

「ありがとう。」と言いながら彼女は僕の手からマグカップを受け取りコーヒーを一口すすった。

それにすら僕は見とれてしまっていた。けど、こんな時間に男の部屋に1人で入ったりして大丈夫なのだろうか。

「あの……今日は何か…?」

「何だと思う?」

また質問に質問で返されてしまった。

何でなんだろう………何か特別な用事があるとも思えないし…。

ふと見てみると彼女は笑っていた。どうやら、僕の反応を見て楽しんでいたようだ。

ならばと思い僕は………

「あの、真剣な質問を……してもいいですか?」

僕はずっと彼女に聞きたいことがあったのだ。

「いいわよ。何かしら?」

「あなたは………本当に、死ぬことを何とも思わないのですか?」

なぜその質問をしたのか自分でもわからなかった。

「それは………そうよ。」

けど、その質問に対する彼女の答えもまた分からないものだった。なぜ変な間があったのか。僕にはどこか引っ掛かるものがあったのだ。

「なぜ今、答えるのに間があったんですか?

本当は死にたくなんかないんじゃないんですか?

家族に悪いとは思わないんですか?」

僕は一気に捲し立てた。すると……

「そんなの!家族に悪いと……申し訳ないと思ってるに決まってるじゃない!それに私だって!私だって……………。」

僕は面食らっていた。あの彼女がこんなにも取り乱すと想像していなかったからである。

彼女も、自分が叫んでいたことに気付いたようで、

「ごめんなさい……取り乱してしまって。」

と僕に謝罪をしてきた。

「今日は、明日の朝はこの家にいてほしいと伝えたかっただけなの。それじゃ……。」

彼女はそれだけ言うと僕の部屋から出ていってしまった。

1人取り残された僕は、ただ呆然としていた。

(私だって!私だって…………。)

だだその言葉が、僕の頭の中でグルグルと回り続けた。


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