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検証

 まずは魔力について聞いてみる。


 用途は二種類あるようだ。

 一つ目の用途はそのまま魔法に使用すること。

 尚、魔力を使い切ったとしても魔法が使えなくなるだけで他に影響は無く、魔力は自然と回復していくらしい。


 もう一つは身体能力の強化に使用すること。

 これは、魔力で筋力や体力等を上げることらしい。ちなみにどれだけの魔力を身体能力の強化に使用するかの調節が難しいとのことで、ミリー自身も身体能力の強化はやっていないと言っていた。


 次は総魔力量。

 これはその名の通り、魔力がどれだけ自分にあるかの値だ。最大MPみたいなものだろう。

 最大MPを増やすにはレベルを上げればいい。となれば簡単だが、あいにくこの世界にレベルなんて概念は無い。


 総魔力量を増やすには魔力を持つ敵。魔物を倒せばいいという。魔物なんているのか。

 ミリーは魔物を見たことが無いらしい。勿論、俺も無い。


 それと、先ほどヘレンが言っていた魔窟。魔物がいる洞窟だから魔窟だそうだ。


 総魔力量とは違うが、同じ魔法を何度も使っていくうちに、その魔法を使える回数が増えていくと言う。もちろん魔物を倒さずにだ。


 魔法を使用することで、総魔力量が増えると言う人もいるらしいが、何度も同じ魔法を使うことで魔力が効率的に使用出来るようになっていくというのが、現在主流の考え方らしい。


 話を聞いた限り俺もそうなんじゃないかと思う。

 というか確認はそう難しくないように思える。


 まず、同程度の魔力を消費する魔法AとBを用意し、使用可能回数を確認する。

 その後、魔法Aが多く使える様になるまで使いまくる。

 そして魔法Aの使用可能回数が増えた時点で、魔法Bの使用回数を数えればすぐわかるはずだ。総魔力量が上がっていれば魔法Bも多く使えるはずなのだから。


 さて当然だが、総魔力量が増えればその分魔法を多く使えることが可能となる。

 そして身体能力を強化する際は、この総魔力量の増加分で行うのが一般的だという。

 これは身体能力の強化に使用した魔力は、永久に失われて総魔力量が減るかららしい。


一時的に身体能力を上げるものだと思っていたが、どうやら恒久的なもののようだ。間違えて、全魔力を使ってしまい魔法が使えなくなった奴もいるのかもしれない。


 ちなみに総魔力量も魔法に使う魔力も自分の感覚次第になり、目安になるものは無いという。そんなことは無いと思うが。


「うん、このくらいでいいかな」

 一時間程経ったので、そろそろ切り上げる。さすがに長時間拘束するのはミリーに悪い。


「せっかく休みだったのに、時間とっちゃってごめんね。とっても助かったよ、ありがとう」

「いえ、私も楽しかったです。では失礼します、練習がんばってください」

 ミリーはそう言って部屋から出ていく。うーん、とてもいい子だ。


 それにしても結局魔法のことを聞いているより、雑談をしている方が長かった気がする。


 収穫といえば、魔力で身体能力を強化できること。魔物を倒すと総魔力量が増えるということ。魔物のいる所は魔窟。魔法を使えば使う程、効率化が可能。まあこれは要検証か。

 あと、ミリーは冒険者志望で、今日のパンツは緑色だということだ。。

 パンツの色は冗談だったのだが、顔を真っ赤にして答えてくれていたミリーはすごい可愛かった。セクハラだ。


 さて、どうせ暇なので光魔法と自分の実力について検証をしてみよう。


 まずは、今の自分がどれだけ魔法を使えるかを確かめる。

 ミリーは、総魔力量も魔法に使う魔力も自分の感覚次第と言っていたが、ある程度分かるはずだ。


 総魔力量を『100』とし、全力で手を光らせてその時間を計る。

 二十二分十三秒、計算が面倒なので秒は切り捨てる。

 この数字から一分当たりの消費量を計算する。


 『4.5』

 これは今の俺が魔力を出力できる最大値でもある。出せるじゃないか、簡単な算数だ。


 次は魔力の回復量を確認する。

 まず三十分なにもせずに立ったまま待ち、全力である『4.5』の力で光を出す。

 

 だいたい一分四十五秒。

 『8.2』回復したくらいだろう。となるとだいたい六時間で魔力は最大になる計算だ。

 ここから一分当たりの回復量は『0.27』程度ということになる。

 

 次はベットに横になりながら三十分待つ。その後また同じことを確認する。

 だいたい一分四十五秒。体勢で回復量に違いは無いようだ。

 

 ここで一つ疑問が出てくる。魔法を使用している間も回復するのだろうか。

 もしそうなら実際の消費量は『4.23』になるだろう。

 ただなんか誤差な気もするので、検証は先送りすることにしよう。


 ちなみに時間は腕時計で計っている。この世界に来たときに付けていたものだ。

 ケレーレンに「そんなすごいものを付けてるのがばれると、腕ごと持って行かれる」と脅されたので、普段は付けずに鞄の中にしまっている。


 腕時計をまじまじと見つめていたら、致命的な事に気が付いた。


 検証を始めた段階で俺の魔力は最大になっていたのだろうか。なってない気がする。川で少し使った。

 少ししか使ってないので、もしかしたら最大まで回復していたかもしれないが、これは後日再検証するべきだろう。


 ショックがデカいので魔力に関する検証は終わりにする。


 次は光魔法で何ができるかを確かめてみよう。

 魔力を回復させがてら、アイデアを出してみる。



 その一。全身を光らせる

 これはカッコいいポーズ用だ。


 その二。自分以外を光らせる

 これはランプ代わりになるだろう。


 その三。光の集束

 これはレーザーだ。光と聞いて一番最初に思いついたことだ。是非とも使ってみたい。


 その四。光の増幅

 暗視スコープみたいに暗いところでも明るく見える事を期待している。覗きには使わない。


 その五。光の操作

 光学迷彩用だ。レーザーの次に使ってみたい。



 とりあえず、一通り試してみる。


 できたのは、全身を光らせること、触っている物を光らせることだけだった。

 結局、光魔法は光らせることだけなのだろうか。それとも実力が足りないだけか。後者であって欲しい。


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