プロローグ
―Ready…Fight!
「ふふーん。ケンちゃん、負けないよー!」
「かかってきな。」
昔から、ゲームをする時は、他の人と違った方向に心が向いていた。
『フッ!ハッ!イヤーッ!』
『あんっ!ぐっ!いやああっ!』
女キャラのモデリングは良い。フェイシャルも手を抜かず付けられている。声優も売れっ子を起用していて、質は高い。
だが。
―K.O.
『きゃああああああっ!』
「あちゃー。また負けちゃった。容赦ないな~。」
だが、画面の切り替わりが早すぎる。これじゃあ、折角の死体が眺められないじゃないか。
…栄養素が、摂取できないじゃないか。
「同じキャラでもう一回やろうよ!」
「…もちろん!」
部屋の片隅に積まれている、沢山の格ゲーやアクションゲームを横目に見る。
このゲームも、この子が飽きたらあっち行きかな。
「また負けたー!」
いつか、俺の歪んだ理想を叶えてくれるゲームが出てくれるのだろうか。
それまでは、いろんなゲームに僅かに含まれている、栄養素を接種して生きて行こう。
「もう一回だー!!」
はいはい、と隣で熱狂する女の子をあしらいつつ、俺は説明書を見て使えそうな技を探すのであった。




