幼い鳥の苦しみ (残酷Ver)
なんだろ
あの しろくて ながいの
おもしろ そう
だめよ ぼうや
近づいてはいけないわ
わー なに
はねが ひらかない
くび くるしい
たすけて おかあさん
あー どうしましょう
糸が絡んでしまってるわ
私のクチバシでは無理よ
おかあさん くるしいよ
あー ぼうや どうか
「おい、見ろよ
赤ちゃんの鳥が糸に絡まってる
助けないと」
あれは、人間
私の子を助けてくれてるのね
おかあーさん
よかったわ
無事に助かったのね
うわーん おかあさん
よしよし
怖かったわね
「ふう、よかったな
助かって
もう ひっかかるなよ」
「ばいばーい
元気でね」
人間さん
助けてくれてありがとう
あなたは良い人間なのね
でもね、周り見て
こんなにも ゴミが溢れてるの
いつも生死の狭間で生きているのよ
なんでかしらね
同じ人間でも
良い人、悪い人がいる
その良い人でさえ
私の子を助けるだけ
捨ててあるゴミには
見向きもしない
手を振って
笑顔で帰っていくわ
何が嬉しいのかしら?
私の子を助けたから?
それには感謝してるわよ
でもね、あなたたちは嫌い
はぁ…
人間がいない世界で暮らしたいわ
………
「どうすっかなー、このゴミ」
「いっぱい捨ててあるし、ここに捨てれば?」
「そうするかー、ぽいっと」
………
わー なんだろ あれ
おもしろ そう
いって みよう っと
あら
ぼうやは どこ かしら?
………
「ねぇ
あの日、助けた幼い鳥
元気にしてるかな?」
「どうだろ?
今度、見に行ってみよう」
「そうだね、楽しみ」