絶滅した鳥 後編
私は最後の1羽
私の個体は絶滅する
家族も友達も仲間も
みんないなくなった
人間に連れて行かれた
何も希望が持てず眠っていた
そして、私も捕まった
そうなのね
この場所で終わるのね
私の仲間も
ここで終わったのね
まって
あの人間は何を言ってるのかしら?
「また届けてくれ」
「探しに行こうぜ」
もう私しかいないのに
これで、絶滅するのに
あ、外でこちらに走ってくる人間
あの人は私達を保護してくれてた
でもね、遅いのよ
何もかも、遅すぎたの
ここで助かってもね
私しかいないの
もう子孫は残せないの
絶滅が、早いか遅いかの違いだけ
数が減ってから、守ろうしてもね
遅すぎるのよ
それにね
私達はお金になるから
捕まえられてしまうの
悪い人間は必ずいるのよ
地球さん
私の個体は絶滅する
この星で
生きることができて
嬉しかった、楽しかった
地球のおかあさん
私達を産んでくれて
ありがとう
もしまた
この体で生きられるなら
人間がいない
平和な星で生きたいわ
………
おい執事
はい、なんでございましょうか?
ご領主様
最近あの鳥を食べてないぞ
早く取ってこさせろ
それがですね…絶滅しまして、
もうこの島には、おりません
絶滅だと、もう食えんのか
はぁ…別の肉でも食うか
そういえば、ご領主様
なにやら、
とても肌触りの良い毛皮を持つ
動物がいると話を聞きまして
なんだと、それを早く言え
報酬はいくらでも出す
早く連れてこい
かしこまりました
すぐに手配します
ふっふっふ
楽しみだわ
わしの着る服は、
全部その毛皮にしようかのう