風魔法の授業でまた先生のかつらを飛ばしてしまったので、さすがの先生も次の授業から飛ばされないようにヘルメットを被ってくるようになりました
会長に教えてもらうのは嫌じゃないけれど、私が二人っきりで教えてもらうのが会長のファンに知られたらどうなるのかとても心配だった。
それに、それでなくても風魔法でも大変だったのに土魔法なんてできるのかとか不安だらけだった。
でも、結局、私の心配事なんて聞いてもらえるわけもなく、強引に決まってしまったのだ。
そして、予鈴が鳴ったので、私は慌てて学園長室を後にしたのだ。
礼儀作法の授業は何とか、間に合った。これで遅刻したら三回連続になるところだった。
私はホッとした。
しかし、しかしだ……
「ニーナさん。何ですか? そのお辞儀の仕方は? もう一度」
「はいっ」
注意されて再度やろうとして、
「手指延ばす、背筋をピシッと伸ばして、もう一度!」
結局、クラスで一番礼儀作法マナーのなっていない私は相も変わらず、ペトラ先生に集中攻撃を受けたのだった。
挙句の果てに宿題もたくさん出されて、これだったら遅刻しても変わらなかったと思ったのは秘密だ。
そして、次は魔法実技だ。私達は慌てて更衣室に向かった。
はっきり言って10分間で体操着に着替えるのは本当に大変だ。
なんとか遅刻せずに間に合ったのだが、
「行けーーーー」
私は風を投げつける様に風魔法を使おうと思うのだが、これがなかなかうまくいかない。
五回に一回くらいしかちゃんと出来ないのだ。
「ニーナ君。何ですか、その変な詠唱は。基本は『風よ、吹け!』です」
ヴィルタネン先生に言われるんだけど、それでうまくいったためしはないのに!
「風よ、吹け!」
全く、出ない。
「風よ、吹け!」
少しだけ。
「風よ、吹け!」
毛が一本揺れたくらい。
全然ダメじゃん。
「ああ、もういいです。本当にあなたのような平民はどうしようもないですね。詠唱自体が野蛮だし、なおかつ、ほとんどできないときているし。とりあえず、何でもいいので、風を起したらどうですか。本当に優雅さの欠片もないですね」
相も変わらず、嫌味満載だ。
さすがの私も少し切れた。
「行けーーーー!」
叫んで風を投げる感覚でやると、今度は突風が起こったのだ。文字通りの突風だった。
その突風はまたしても、ヴィルタネン先生のかつらを空高く飛ばしてしまったのだ…………
嘘!
私は唖然としてしまった。
さすがの私も唖然としてしまった。
その後職員室に連れて行かれた時は、もう先生方もまたかという感じで、ほとほと呆れてくれたんだけど。
後で担任に「ニーナさん。あなた完全にわざとやっているでしょ」
と呆れてくれるし。
「違いますよ。わざとできるほど風魔法ちゃんとできないです」
言い訳するのも嫌だけど、事実だ。
ヴィルタネン先生は散々私に嫌味を言ってくれるんだけど。
そもそも、かつらのヴィルタネン先生が悪いんじゃないか?
さすがの私もうんざりしてきた。
そこにどんと扉が開いて生徒会長が入って来たんだけど。なんか生徒会長も怒っている。
「ニーナ嬢。俺をいつまで待たせたら気が済むんだ」
そう言えば今日の放課後から土魔法の練習が入っていたのだった。
「あ、すみません。忘れてました」
私は思わず謝っていた。
「先生方。お取込み中のところ申し訳ありませんが、私も時間がありませんので、ニーナ嬢は借りていきますよ」
「しかし、殿下、今、彼女には注意をしているところでして」
「魔法訓練の時の多少の事故は仕方が無いでしょう。そもそも同じ生徒に毎回風魔法で同じことをされているのは先生の注意も足りないのではないのですか」
会長がズバリとヴィルタネン先生に言ってくれたのだ。
「えっ、いや、それは」
「ペトラ先生。どう思われますか」
慌てるヴィルタネン先生は無視して会長は横で呆れているペトラ先生に聞いた。
「まあ、殿下もお忙しいと思いますから」
ペトラ先生は笑って誤魔化して返事はしなかったけれど。
「ニーナさんはまた、反省文レポート10枚書いて提出しなさい」
「じゃあ、とりあえず、彼女の訓練は父から言われていることですので、連れて行きますから」
会長は強引に私を連れ出してくれたのだ。
ペトラ先生は黙って頷いてくれた。
次の授業からヴィルタネン先生がヘルメットをかぶって現れたのには本当に笑えたんだけど……
私への指導が更に厳しくなったのは言うまでもなかったのだ……
すみません。今日の夜の更新はお休みします。
続きは明朝です





