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第14話 ハンター

連日投稿です。

今回は説明会なので…。


 オヤジさんに言われた通り隣にいくつかあるカウンターに目をやると、何やらおいでおいでと手を振っているお姉さんがいた。



 先ほどの会話を聞いていたのか、早速受付のお姉さんが笑顔でいらっしゃいと言ってくる。

 メガネを掛けていて金髪の長髪をアップでまとめており、どことなく秘書っぽい雰囲気。冷たい感じはあまりなく柔らかい笑顔をした少し色っぽいお姉さんだ。



 メガネ……この世界でもあったんだな。ここに来るまでには誰もつけていなかったから少々不安に思っていた。メガネを外せない俺としては、変に目立ちたくないを思っていたが、メガネが存在するのなら問題ないだろう。



「ようこそクロスメントのハンターギルドへ。私はミーリス。よろしくね。 話は聞いていたけど、ボウヤは新規のハンター登録希望者でよいかしら?」



 ボウヤって……さっきのオヤジさんといいなんだよ。

 確かに俺の見た目は実年齢よりも子供っぽく見える自覚はあるが、ボウヤと呼ばれるほどじゃないと思うんだが。と不満に思うものの、それよりも優先すべきことがあるのでこの場は見逃しておいてやろう。



「ああ。ハンターの新規登録をお願いしたい。それと魔力測定も無料だとか。」


「ええ。ボウヤは運がいいわ。丁度今日まで新規登録者は無料で測定が受けられるの。教会から借用している魔力測定器での簡易測定にはなるけどね。登録費用で2,000ミル、簡易プレート発行で追加で1,000ミルになるけどいいかしら?」



 それを聞いた俺は早速一分銀三枚を手渡して手続きをお願いすることにする。



「早速ありがとう。では、こちらの用紙のこことここに日付と注意部分をよく読んで必要事項をここに記載してね。 最後の欄にサインをお願いできるかしら?もし、代読と代筆が必要なら100ミルで請け負うから言ってね。」



 そう言って受付のお姉さんが差し出した羊皮紙に目を通す。



 実はここに来るまでに見た店や屋台の看板、商品プレートなどに記載されている文字が、このメガネを通してみるとその上に振り仮名のように浮かんで見えるというか、見た瞬間に日本語として認識できてしまうことが分かっている。


 現地文字も形としては認識しつつその意味が日本語で理解できるというのがミソだ。

 だから、渡された羊皮紙に記された文字の意味は理解できた。


 問題はまだ一度もやったことのない筆記であったが、すでにその文字を認識し意味を理解できているからどういう文字を書けばよいかはわかっている。

 意外にもあっさりと筆記できてしまった。




 それにしてもすごいメガネだ。心の中でばあちゃんに感謝しておく。




 登録に必要な記載は種族、名前、年齢、特技など簡単な項目のみだった。俺は記載した用紙を手渡す。

 それにしてもセキュリティーが信じられないほど甘い。

 これなら誰にでもなり替われるし、重複登録が可能だ。だが、結局戸籍も写真も無い世界では、これが限界なのかもしれない。それに、依頼さえこなせれば最低限問題にはならないのかもしれないな。



「名前はリュージくんね。 年齢は―……16歳……?」



 ミーリスがそこで言葉を止めて俺を見てくる。それはいい。予想できていたから。


 それよりもリンが少し驚いた顔で俺を見ていたのは傷ついた。

 道理で凛香みたいにお姉さん風を吹かせるなぁとは思っていたのだが、どれほど年下だと思われていたのか…。



「生まれた時から成長が遅い体質でね。年齢に偽りはないが?」



 と俺は努めて冷静に笑顔で答える。


 ミーリスは何かを感じ取ったのか、それ以上は特に言及せずに顔をそらし、手書き黒板らしきものに何やら書き込んで先ほどの登録の羊皮紙と一緒に奥の別の事務員に渡した。



「リュージ君。お待たせ。登録内容に問題はなかったわ。これで新規登録の手続きは完了となるわ。」



 プレート発行までにすこし時間がかかるとのことで、その間にハンターの注意事項とギルドの成り立ちなどの説明を聞いた。



 説明の概要はおおむね以下のようなものだ。



 まずこのハンターギルドという組織について。


 ハンターギルドとは一部を除き、すべての地域、国をまたがるハンターの互助組織のことで基本的に地域や国、宗教、およびあらゆる団体、組織の権力の干渉が及ばない中立な組織だということだ。

 本当にそんな組織があるのかと思わなくもないが、表向きはそう言う事らしい。

 これ程の規模と権利を持ち得ているのは先人の偉大な実績と、魔獣の脅威を排除し続けているハンター達の努力と力によるものとのこと。

 聞くと、国も魔獣の脅威を退ける役割を持っていないわけではなく、必要であれば騎士団が魔獣狩りをすることもあるようだ。だが、ハンター達の実益も兼ねて平時は基本的に魔獣狩りはハンターの役割となっているとのこと。持ちつ持たれつの関係なのだろう。




 次に、ハンターランクについて。

 ハンターにはランクがあり、貢献度、実力その他諸々の実績から下から順に以下のようにランク付けされている。


RK(ルーキー)、 F、 E、 D、 C、 B、 A、 AA、 S、 EX-S”


 今登録した俺のランクはRK(ルーキー)だ。いわゆるお試し期間登録という事らしい。C以上ではギルド職員による昇格テストが発生する。AAまでは実績だけでもなれるが、S以上は途轍もない実績に加えてギルド長の三分の二以上の推薦が必要なんだそうだ。


 ちなみに、今現在Sランクは数名、EX-Sランクは今では認定者はいない。S以上はほぼ伝説的存在の様だ。



 受けられる依頼は自分のランクの1つ上まで。


 ランク違い数名でパーティー登録した場合、パーティーランクはその平均ランクになるようだ。




 次に、ハンターの特権。

 ハンターになるといろいろな特権があるみたいだ。

 各種の割引やサービスなどがあるとのことだが、俺にとって一番のメリットは身元証明だろう。


 金を稼ぐ手段が今のところこれしかないので、ハンターの依頼をこなして当座はしのぐしかない。


 AAやSランクともなると、国によっては国賓レベルの扱いになったり、入国制限を受けなかったり、立ち入り禁止区域への調査なども可能になるようだ。




 そして、ぺナルティーだが、国家の法に触れる行為は言わずもがな。

 俺的にはこの国の法を知らないので、むしろここを教えてほしかったが詳細は2Fの書庫で調べてくださいとのこと。後日調べてみよう。



 そのほかに、依頼の未達成や依頼主に迷惑をかける行為、ランク外の依頼を受けたり、ギルドで手続きしていない依頼を勝手に実施したり、代理受注など、ギルドのルールの違反は罰金や降格、場合によってはライセンスはく奪になるとのこと。



 特に、ハンター間の殺人行為は組織の根幹を揺るがす重大事項のため、国家の法を超えた懲罰が特別に設定されていると脅された。


 どうも賞金首のハンターを追うギルド御用達の組織もあるとか。いわゆる私設の暗殺集団だ。何それコワ。



 人目のつかない場所での魔獣との戦闘行為が多いハンターという職業柄、ハント中の殺人は立証が難しいケースが多く、だからこそ厳罰化されているとのこと。

 また直接手を下さずとも、魔獣を引き連れて他のハンターに擦り付けたり、救助できるシチュエーションでハンターを見捨てたりする行為は殺人に類する行為として厳しく処罰される。



 殺人とまではいかなくても、故意の攻撃や高位ハンターによる下位ハンターへの恐喝や脅しなどもNGとされている。



 とは言えハンターは血の気の多いものも多く、やはりハンター同士のいざこざは絶えないようだ。少なくともギルド内や職員の目の届く範囲での争いは禁止と言われた。



 ま、確かにハンター同士の信頼がなく、いつも背中を気にしていたら魔獣狩りなどしていられないだろうことは容易に想像がつく。




 一通りの説明を終えたところで、ミーリスが木製のプレートを手渡してきた。


「お待たせしました。はい。これがハンタープレートよ。」



 大きさはリンの持っているモノよりやや大きく10×5センチくらいの木の板だ。左上に8桁の数字と中央に俺の名前が手彫りで刻まれている。右下には穴が開いており、ヒモと一緒に渡されたので、首などから下げておくためのものだろう。



「これであなたもハンターの一員よ。ライセンスプレートはあなたの身元を証明するものであり、ギルドで受注や達成報告、素材の買い取りなどで必要になるから大切に身につけておいてね。 もし無くしてしまったら再発行に2,000ミル必要となるので、注意してね。」



「ああ。分かった。」



 そのプレートをじっと見つめる俺に微笑ましい笑みを浮かべてミーリスはさらに続ける。



「では、いよいよ魔力測定を行いましょう。」



 魔力測定。


 ついに。ついにこの時が来てしまった。

 既に魔法を使える俺は、いったいこの世界ではどの程度の判定になるのだろうか。いや、ちょっと待てよ。もし万が一ここで目立ったりしたら、先日決めたばかりの方針に早速反することになる。


 ……いやうぬぼれるな。俺はモブ。万が一にもラノベのテンプレ的展開にはならないだろう。それに何よりもこのワクワク感が俺に魔力測定を拒否する選択肢を奪ってしまっているのも事実。この衝動は抑えきれそうにない。

 方針は確かに大事だが、それよりも俺はこの異世界を楽しんで生きていきたい。



 俺はそう決意して、ミーリスに首是で答えた。

異世界ものを読むといつも思うんです。


なぜ魔物の駆除は冒険者の仕事なのかと。生活圏の拡大と治安維持は国家権力が実施してしかるべきでは?と。騎士団が討伐すればその報酬も独り占めだし、その領土維持を国の融通の利かない冒険者なんかに任せてて、果たして国を統治できるものなのだろうか。


と言う疑問は横に置いておいて話は進みます。


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