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逢魔が刻の一ツ星  作者: スズヤ ケイ
幕間 五
88/172

八十七 密

「竹生姫が破れたようでございまするな」


 行燈の光もない真なる闇の中、偵察の式神を飛ばしていた芦屋道子がぼそりと呟いた。


「ぎゃっはっはっ! ざまあねえ! これで雷雨が止めば、おれの天下がまた来るってえもんよ」


 それを受け、闇の中で何やら巨大なものがもぞりと身じろぎをする。


「ご慢心めされるな。確かにわたくしめの呪法によって、貴殿の力は何倍にも増しておりまする。しかし、それはあちらも同じこと。龍神の精気を奪って、さらに強うなって挑んできましょうぞ」

「けっ! このおれが負けるとでも言いたそうだなあ?」

「いえいえ、そこまでは申しませぬ。ただし、かの御仁は大層頭が切れまする。実力で勝っていても、策で引っ繰り返されでもすればたまりませぬ故」


 道子の進言に、ガチガチと何かがこすれ合う硬い音が鳴る。


「だから油断するなってか。まあおめえさんの顔を立てて、一応聞いておいてやるが。要は圧倒的な力で、策ごとぶっ潰しゃいいんだよ。違うか!?」

「仰る通りかと存じまする。いや、さすがは千年を生きる大妖殿。大した自信でござりまするなあ」

「あったりめえだろ! 忌々しい龍神がいなくなった今、この機に乗じて琵琶湖を奪っちまえば、水気も自由自在、おれに死角はなくなるって寸法よお! おめえさんはゆっくりと祝勝の宴の支度でもしてりゃあいいさ」

「おお、頼もしい事この上なし。そういうことであらば、派手な宴の席ををご用意せねばなりませんな。どうかご武運をお祈り申し上げ奉りまする」

「ぎゃっはっはっは! 任せておけい!」


 巨体を揺らして愉快そうに笑う影に、道子は両袖を上げて顔を隠しつつ、ちろりと赤い舌を出していた。

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