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僕が君の為に、してあげられる事。

作者: 七瀬
掲載日:2021/01/21







【僕が君の為に、してあげられる事。】

何度も何度も、考えたよ。

たくさんたくさん考えた!

それでも、“答え”が見つからないんだ。





・・・1週間前、突然! 君から【告白】される。



『あのね? 私、もうそんなに長くないんだって...。』

『えぇ!?』



はじめは、彼女が冗談で話しているのかと僕は思った。

何の話をしているのか? あの時の僕は、ピンときてなかったんだ。

彼女がその後、こう言うまでは、、、。



『私、“乳癌”なんだって! もう、あちこちに転移している

らしいの! 入院して抗がん剤治療をするしかないって! 先生が

私にそう言ったわ。』

『・・・えぇ!? 本当の話なの?』

『うん。』




・・・僕の頭の中は、真っ白になった。

急に、絶望を感じたんだ!

でも? 彼女の方が辛いと直ぐに思い僕は前を向いた。

本当に、泣きたいのは彼女だから。

僕が、しっかりしないと、、、!

そう、思ったんだよ。

僕は、彼女に少しでも長生きしてほしいから入院して抗がん剤

治療をしてほしいと頼んだんだ。



『麻奈! 頼むから癌と戦ってくれ! 少しでもいいから長生き

してほしんだ! 僕も麻奈を支えるから!』

『・・・ううん、そうだね。』

『きっと、治るよ! そう信じてるから!』

『うん! ありがとう、諒。』

『うん。』






 *




・・・麻奈とは?

元々、友達だったんだ。

高校からの友達! どこでどうなったのか?

僕達は、自然と二人でいるようになり付き合うようになる。

気がつけば、僕の方が彼女の事を好きになっていた。

今では、彼女と付き合って6年。

やっと、彼女との未来について考えれるようになったのに。

収入も安定し、僕もやっと家族を持てる自信がついたんだ。

彼女には、随分と我慢をさせてきたと思う!

近いうちに、お互いの両親に会いに行く予定も立てていた。

結婚式も、1ヶ月前から予約している。

籍は、結婚式の後に入れようと二人で決めていたんだ。

彼女のお父さんと初めて会う緊張と【娘さんを僕にください!】と

言う言葉が僕の頭の中でグルグルと回っていた。





それなのに、、、。

彼女が病気になるなんて! 僕は想像もしていなかった。

やっと、彼女を幸せにしてあげれると思っていたのに。

また、僕は彼女に何もしてあげれないのか!




彼女は、医者に言われた事を僕に話してくれた。

風邪を引いて、病院に行ったら? 乳癌検診があったらしく!

たまたま受けてみようと思ったらしい。

検査をしてから1週間後。

彼女の元に、病院から1本の電話が入った。

そこで彼女が、【乳癌】だと分かったらしい。

既に、癌は体中に広がって手の打ち所がないと医者に言われる。

唯一、できる事は? 抗がん剤治療のみと言われた。

いつも、泣きべそをかきながら僕に頼ってくる彼女が。

僕に、直ぐに言えなかったと謝ってくれた。





 

だから! 君の為に決めたんだよ!

僕は、“僕が君の為に、してあげられる事”をひとつひとつ

叶えていこうと思うんだ!

先ずは、僕と彼女は籍を入れた。

これで! 【ふたりは晴れて夫婦】になれたんだよ。

それから、僕は病院のベットで彼女が寝ている前でお見舞いに

来ていた彼女のお父さんにこう言った。



『お父さん! 彼女を僕にください!』



何度も何度も、僕の頭の中で繰り返し言っていた言葉だ。

彼女のお父さんも、【娘をよろしく!】と泣きながら僕に

言ってくれたよね。




最後は、彼女の為にウエディングドレスを着せたかったんだ。

僕も彼女も、絶対に後悔しないように、、、。

小さな式場を借りて、身内だけで式を挙げた。

彼女は、眩いぐらいにキラキラしていたね。

僕も、彼女の笑った顔を見て凄く嬉しかったよ。

この時までは、僕達は幸せを感じていた。





・・・その後は?

彼女は、ひたすら【癌】と戦い続けた。

抗がん剤のせいで、彼女の長くて綺麗な髪は全て抜け落ちた。

何度も何度も、抗がん剤の後は彼女は吐いていた。

体も、急激に痩せてしまったしね。

顔は青白く、血の気がない。

彼女は、苦しいのに僕の前だといつも笑っていたな。

彼女の笑顔を見る度に、僕は何度も泣きそうになった。

どんなに苦しくても、頑張って前向きに生きようとしてくれた彼女。

その彼女は、もう僕の傍に居ないけど。

僕は、彼女の思い出と一緒に生きていくよ。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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