僕が君の為に、してあげられる事。
【僕が君の為に、してあげられる事。】
何度も何度も、考えたよ。
たくさんたくさん考えた!
それでも、“答え”が見つからないんだ。
・・・1週間前、突然! 君から【告白】される。
『あのね? 私、もうそんなに長くないんだって...。』
『えぇ!?』
はじめは、彼女が冗談で話しているのかと僕は思った。
何の話をしているのか? あの時の僕は、ピンときてなかったんだ。
彼女がその後、こう言うまでは、、、。
『私、“乳癌”なんだって! もう、あちこちに転移している
らしいの! 入院して抗がん剤治療をするしかないって! 先生が
私にそう言ったわ。』
『・・・えぇ!? 本当の話なの?』
『うん。』
・・・僕の頭の中は、真っ白になった。
急に、絶望を感じたんだ!
でも? 彼女の方が辛いと直ぐに思い僕は前を向いた。
本当に、泣きたいのは彼女だから。
僕が、しっかりしないと、、、!
そう、思ったんだよ。
僕は、彼女に少しでも長生きしてほしいから入院して抗がん剤
治療をしてほしいと頼んだんだ。
『麻奈! 頼むから癌と戦ってくれ! 少しでもいいから長生き
してほしんだ! 僕も麻奈を支えるから!』
『・・・ううん、そうだね。』
『きっと、治るよ! そう信じてるから!』
『うん! ありがとう、諒。』
『うん。』
*
・・・麻奈とは?
元々、友達だったんだ。
高校からの友達! どこでどうなったのか?
僕達は、自然と二人でいるようになり付き合うようになる。
気がつけば、僕の方が彼女の事を好きになっていた。
今では、彼女と付き合って6年。
やっと、彼女との未来について考えれるようになったのに。
収入も安定し、僕もやっと家族を持てる自信がついたんだ。
彼女には、随分と我慢をさせてきたと思う!
近いうちに、お互いの両親に会いに行く予定も立てていた。
結婚式も、1ヶ月前から予約している。
籍は、結婚式の後に入れようと二人で決めていたんだ。
彼女のお父さんと初めて会う緊張と【娘さんを僕にください!】と
言う言葉が僕の頭の中でグルグルと回っていた。
それなのに、、、。
彼女が病気になるなんて! 僕は想像もしていなかった。
やっと、彼女を幸せにしてあげれると思っていたのに。
また、僕は彼女に何もしてあげれないのか!
彼女は、医者に言われた事を僕に話してくれた。
風邪を引いて、病院に行ったら? 乳癌検診があったらしく!
たまたま受けてみようと思ったらしい。
検査をしてから1週間後。
彼女の元に、病院から1本の電話が入った。
そこで彼女が、【乳癌】だと分かったらしい。
既に、癌は体中に広がって手の打ち所がないと医者に言われる。
唯一、できる事は? 抗がん剤治療のみと言われた。
いつも、泣きべそをかきながら僕に頼ってくる彼女が。
僕に、直ぐに言えなかったと謝ってくれた。
だから! 君の為に決めたんだよ!
僕は、“僕が君の為に、してあげられる事”をひとつひとつ
叶えていこうと思うんだ!
先ずは、僕と彼女は籍を入れた。
これで! 【ふたりは晴れて夫婦】になれたんだよ。
それから、僕は病院のベットで彼女が寝ている前でお見舞いに
来ていた彼女のお父さんにこう言った。
『お父さん! 彼女を僕にください!』
何度も何度も、僕の頭の中で繰り返し言っていた言葉だ。
彼女のお父さんも、【娘をよろしく!】と泣きながら僕に
言ってくれたよね。
最後は、彼女の為にウエディングドレスを着せたかったんだ。
僕も彼女も、絶対に後悔しないように、、、。
小さな式場を借りて、身内だけで式を挙げた。
彼女は、眩いぐらいにキラキラしていたね。
僕も、彼女の笑った顔を見て凄く嬉しかったよ。
この時までは、僕達は幸せを感じていた。
・・・その後は?
彼女は、ひたすら【癌】と戦い続けた。
抗がん剤のせいで、彼女の長くて綺麗な髪は全て抜け落ちた。
何度も何度も、抗がん剤の後は彼女は吐いていた。
体も、急激に痩せてしまったしね。
顔は青白く、血の気がない。
彼女は、苦しいのに僕の前だといつも笑っていたな。
彼女の笑顔を見る度に、僕は何度も泣きそうになった。
どんなに苦しくても、頑張って前向きに生きようとしてくれた彼女。
その彼女は、もう僕の傍に居ないけど。
僕は、彼女の思い出と一緒に生きていくよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




