2話:守ってあげたくなる子
次の日もバイトな私。
プールの監視員としてまた監視台に登り観察している。
今日は昨日みたいに溺れている人はいないなー。
うん、そう何度もあってもらっても困るけどね
「あの・・・」
はぁ~それにしても暑っついな、せめて足だけでも水に付けさせて欲しい。
「すいません!」
「はい!」
びっくりした~、いきなり声をかけられたら驚くよ。
「どうしました?」
「昨日はありがとうございました!」
「昨日?」
「はい、溺れてた者です・・・」
あぁ、どこかで見たことある顔だと思ったら昨日助けた子か。
「いえいえ、仕事ですから」
それにしてもこの子めっちゃ可愛いな。
肩まで伸びた藍色の髪の毛。カールしているのかふわっとした髪で艶もいい。目元もぱっちりしていて小顔で背も小さい。なんというか守ってあげたくなる容姿をしている。背も小さいだけありほかの部分も小さいが愛嬌ある顔をしている。今はなんかもじもじと頬を染めているがどうしたのかな?
「どうかした?」
「えっと・・・・・・あの・・・お名前、教えてください」
「あぁ、私は東條麗華、あなたは?」
「あ、東條さん!私は遠藤優奈です」
「優奈ちゃんね、よろしく」
「よろしくお願いします」
こっちを見てもじもじしながら話してくるので凄い庇護欲を感じる。
パッと見監視台に立っていなくてほかの場所でも監視員がいるので監視台から降りて優奈ちゃんの近くに行く。
「と、東條さん!どうしました!?」
「ん?見下ろしながら話すのも変かと思って・・・・・・それより、小さいね背どれくらいなの?」
「えっと、150です」
「そっか、そう言えば何歳?」
「19です」
え!?うそー!私より年上だったの・・・・・・なんか小さいから年下かと思ってちゃん付けにしちゃったよ。
「ごめんなさい、年上だったんですね、私は18なので」
「気にしないでください、背が小さいからよく言われます」
「大学生ですか?」
「はい、夏休みだったので涼みに来て泳いで溺れちゃいました」
「気をつけてくださいよ遠藤さん」
年上ならやっぱり敬語で話さないとだよね。
「遠藤なんて堅苦しいのでやめて、優奈でいいです」
「なら私も下の名前で呼んでください、さん付けもいらないです」
「わかった麗華ちゃん」
「優奈さんは夏休み結構忙しいですか?」
「んーん、忙しくないよ」
「なら私と遊びませんか?この夏初日で彼氏に浮気されて仕方なくバイト三昧してたんですよ」
「そうなんだ!(かっこいいから彼氏くらいいるよね・・・でも浮気されたらしいし」
「どうですか?」
「いいよ!じゃあ連絡先交換しようよ」
「分かりました、あと少しでバイト終わるのでそれからでいいですか?」
「うん、待ってるね」