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やっちゃった……ですわ!!

 静まり返る生徒たちがこちらを見て唖然としている。無理も無い、たった今高い高いハードルであるノノ先生が一瞬でやられてしまったのだ。きっと開いた口も塞がらないだろう……。


「ルルルゥ……ちゃん。今のは……?」


 エリカが私に問い掛ける。これは良くない流れ。()ったのはじいやだが、私が魔法を使えない事はバレてはいけない。発言には細心の注意を払わねば……!!


「い、今のは……」


 そして言い淀む。何か上手い濁し方は無いのだろうか……。


  !!


「今のは! 『じいや魔法』よ!!」


 ………………エリカ達が私を奇異の目で見ている気がする。そしてじいやがさり気なく口元を隠して笑っている。明らかにこの状況を楽しんでおられますね彼は……。


「……スゲー!!!!」


 エリカ達の表情がパアッと明るくなり、私に向かって尊敬の眼差しが向けられた。どうやら何とか誤魔化せたようね……。


「でも先生が居ないと授業が出来ないわよ」


 筋肉オカマが唐突に発言した。確かにまだ時計の針は開始してから10分ほどしか経っていない。授業が終わるまでは復活しない仕組みなら、この授業はこれで終わり……?


「そんなに強いなら貴女が相手になってよ」


 金髪の魔法少女生徒が私に向かって小さなメイスを差した。そう言えばこの人の名前まだ知らないわね……。


「お嬢様……! この展開は……!!」


 じいやがまるで尻尾をブンブンに振り回し舌を出して遊びをねだる犬のように私を見ている。


「……仕方ないわね! 次はこの私が相手になって差し上げるわ!!」


 やってしまった……!!


 勢いとは言えとんでもない事になってしまった!!


「流石にクラスメイトと闘うのは……」


 イケメン君が頭を掻きながら私と魔法少女の間に割って入ってくる。ナイスだイケメン君!


「あら。良いんじゃないかしら。折角だからやりましょうよ♡」


 そしてこのクソオカマである。コイツはいつか何とかしてやるわ。覚えてなさい……!!


「いくよー!」


 エリカが待ちきれずに木刀を振り回し始めた! やはりこの世界の住人は戦闘民族しかいないのだ! ちくしょう!!


「じいや! 手加減なさい!」

「かしこまり♪」


 じいやは嬉々として生徒たちの攻撃を一身に浴び、ヘロヘロの蚊も殺せぬ様な火球で反撃をしている。絶対に楽しんでやがりますわ彼は……。



 じいやは一人で四人の生徒を相手にし、私に飛んできた攻撃も全て受け、その上で生徒がギリギリで躱せるような火球を飛ばし笑っている。


「お嬢様! 楽しいですぞ♪」

「……良かったわね」


 もしかして魔法学校に通いたかったのはじいやの方なのかも知れないわね……。


 終業ベルが鳴り、生徒たちはヘロヘロと床へ這いつくばった。そして魔方陣の真ん中からノノ先生が煙の如く復活を遂げる。


「あれれ~~あっさり生徒に殺されたのは初めてですぅ~♪」


 笑顔で拍手を送るノノ先生に、じいやは照れながら頭を掻いていた…………

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