まさかの登校初日……ですわ!
まさかの授業内容……
登校初日を迎え、私は半分緊張と半分嬉しさが混じる心持ちの下、先生に案内された教室へと足を踏み入れた。勿論後ろにはじいやも一緒だ。
先生は子どもと思うくらい背が低く、顔付きも幼かった。
「大丈夫~皆優しい生徒ばかりですから~~」
何とも気の抜けるような話し方。もしかして本当に子どもでは、と思える位に……。
「こう見えて~わたし26歳ですからね~~」
(この人心の中を読めるのかしら?)
「はい♪ 先生ですから~」
「はは、ははは……」
この人の前では無心で居ようと心に誓った私は教室を見渡した。教室の中は魔法に関するアイテムや本が沢山置いてあり、私には何の事やらさっぱりだ。
机に座る生徒は四人おり、如何にも勉強の出来そうな眼鏡の女の子に、イケメン、お金持ちそうな金髪の女性、それとあからさまなオカマが居た。
「は~い、これから~、皆と一緒に~~お勉強をすることとなりました~ルルルゥちゃんですぅ~~皆宜しくね~♪」
「はーい」
四人の声が聞こえ、私は空いている席へと案内された。
「よ、宜しくね」
隣には眼鏡の女の子が座っていた。オカマじゃなくて良かったと思う。女の子は私に顔を寄せると、小声で話し掛けてきた。
「後ろのオジサン……誰?」
私は後ろで佇むじいやの顔を見た。じいやは白い歯を見せ手を振った。私も手を振り返す。
「じいやだよ?」
私の答えに納得したかとうかは分からないけれど、眼鏡の女の子は無言で微笑み身を戻した。
「それじゃあ~~最初の授業はぁ~……」
私は初めて受ける魔法の授業に胸を躍らせた。一体何が始まるのかとてもとても楽しみだ♪
「先生と殺し合いをしてもらいますぅ~~♪」
「はーい!」
……ぱーどぅん?
後ろを振り向くとじいやが笑顔で頷いている。いや、何が?
「せ、先生!」
私は思わず手を上げ立ち上がった!
「何ですかぁ~ルルルゥちゃん~」
先生は見事なスマイルで私へと顔を向けた。
「こ、殺し合い……って……?」
「あらあら~ごめんね~」
よ、良かった。やっぱり何かの冗談だったんだ……。
「先生説明を忘れてたわぁ~。これからぁ~皆で力を合わせて先生を殺してねぇ~? 先生も、頑張って皆を殺すから~♪」
「え、えぇ……???」
私が理解に苦しむ最中、他の生徒たちは物騒な道具を出し始めた。どう見ても人を殺める刃物や鈍器が盛りだくさんだ。と、言うか先生が生徒を殺してもいいのかい!?
「お嬢様、大丈夫でございます。ここは魔法学校、何かあっても魔法で元に戻ります故……」
じいやが私に耳打ちをしてくれた。それなら大丈夫そうね。よし、やってやろうじゃないの!
眼鏡の女の子が私にレイピアを手渡してくれた。
「あ、ありがとう」
「私はエリカ。宜しくね」
エリカは血塗られた木刀を担ぎ、柔やかに笑った。
次話より、じいやが真の力を発揮します