夢からの帰還
久々の更新です!
_(´ཀ`」 ∠)_
まるで紙が目に沿って切れるように、飛び散る紙粉すらも愛おしく。眩く鋭い朝の景色が、微睡む脳に繋がれた哀れな目に飛び込んできた。
「──ウッ……!!」
「お嬢様、些か魘されておりましたが、具合は大丈夫ですか?」
「……ココは? ココは何処なの?」
まるで宿屋のような部屋の二方の窓からは、朝の日差しが眩く私を照らし、これがまだ夢であるかのような現実感を指し示していた。
「……しがない宿屋にて御座います」
「?」
極めて落ち着いたじいやが私の顔を覗き込む。その顔は紛れもなくじいやなのだが、それ以外の記憶がどうしようもなく曖昧で薄呆けている。
「無理もありませぬ。リース殿との一戦では激しく消耗致しました故、きっとお疲れなのでしょう……」
確かに、生まれて初めて意識を失うような闘いをしたし、夢の中でもしていたような気がする。
「今は時間魔法の手掛かりを掴むべく、他の七公三民の下を訪ねている途中で御座いますぞ?」
「そう……だったっけ?」
「そうで御座います」
「……そうなのね。ごめんなさい、やはり記憶がはっきりしないわ」
「無理もありませぬ」
窓から見た景色は、初めて見るように新鮮で、昨日の記憶すら無い私にとっては驚き以外の何物でも無かった。
「少し、おかしな夢を見たわ」
「ほう……そうで御座いますか」
「……そうなんだけど、それもハッキリとは覚えてないわ」
「夢とはそういう物で御座います」
窓の外では、疎らな人の往来があり、空腹を告げる虫の声がなる前に、朝食が運ばれてきたので、仕方なく外の景色を思い出すことを諦めた。




