水の加護 フルダーン
そろそろ恋愛要素が出るような出ないような……
家へと戻ると、玄関の前に見慣れた男が待っていた。
「約束の日は明日だぞ、フルダーン」
「いやいや、ナターシャの事だからそろそろ用意が整っていると思ってな」
青いローブに身を包み、いつもの顔で私を見るフルダーン。
「……っと、隣の……オッサン?お兄さん?は誰だい?」
「じいやだよ。最近拾ったんだ」
「お初にお目にかかります」
「また変な物を拾ったんだな。まあいいや、頼みの品はその袋の中かい?」
「ええ」
じいやがトカゲ入り袋を手渡すと、フルダーンは意気揚々と担ぎスタスタと去って行った。
「また今度会おう」
一度だけ振り向き、後は振り返らずに消えたフルダーン。出来れば二度とは会いたくないんだけどね……。
「今の青年は……?」
「えーっと……何処から話そうかな。まぁ、簡単に言うと母校の同期だ」
「『また今度』とは……何の事でしょう?」
「……近々母校の創立記念日があってだなぁ…………行きたくないんだけど……行かないと周りが五月蝿くてねぇ……」
「行きたくない理由をお伺いしても?」
じいやがグイグイと質問を寄せてくる。何が気になるのか知らないがあまり話したくはない。出来ることなら考えるのもいやだ。
「あー……彼、フルダーンはこの大陸の魔法協会を束ねる【五人組】の一人の息子なんだよ。私と同い年だから仲良くはしているけれど、私は出来れば関わりたくないんだ……一人がいいんだよ」
「左様で御座いますか。色々伺って失礼を……」
「いや、いいんだ。じいやの事を知りたい私が自分の事を話さないのは変ではないか」
「ありがとうございます」
「さて、用事も済んだことだし、今日はゆっくりするとしようか?」
「それは良い考えですね」
私とじいやは暫しの休息を楽しんだ。




