血生臭い運動会?
バトルロワイヤル的運動会、始まるよー
早朝7時、空砲が鳴り響き運動会の始まりを告げる。
「うへぇ……じいや、私行きたくない」
テーブルに突っ伏したまま動かない私。そんな私にじいやは耳寄りな情報を持ち掛けた。
「何でも優勝者には賞金が―――」
ガバッ!!
「行くわ! 何をグズグズしているの!? 置いていくわよじいや!」
「分かり易くて助かります」
じいやはクスクスと笑い共に学校へと向かった。
「―――っと、お嬢様。誠に残念ながら、本日は私変装してお嬢様のお側についております……」
―――ポン
じいやが煙に包まれると、一瞬で付け髭に変身した。
「お嬢様、着けて頂けませんか?」
Wの形をした格好良い髭だけど、私が着けたら明らかに変。
「……何これ?」
「百合の花対策にございます。これならば私が見付かること無くお嬢様のサポートが出来る上に貞操を狙われる事もありますまい……」
「何だか良く分からないけど、じいやが言うなら間違い無い……わよね?」
「……ええ……ププ!……とても……プププ! お似合いで……!」
「……この髭引き千切ろうかしら?」
「止めて下さい死んでしまいます!!」
仕方なく髭を着けて学校へと入った。校庭にはクラスメイトがおり、準備体操をしていた。
「あ! ルルルゥちゃんおはよう!!」
木刀をブンブンと振り回し朝から元気なエリカ。オカマは眠そうに腰を振り振りしていて気持ち悪い。イケメン君は剣の手入れをしている。そして金髪の魔法少女は強張った面持ちで掌に『人』の字を書いて飲んでいる。これって異世界でもお決まりなのかしら……?
「あれぇ? その髭何?」
「お、おまじないよ!」
「……可愛いね♪」
何とかスルーして貰えた様で事無きを得た。そして周りを見渡すと続々と生徒達が校庭へと集まっていく。その中にはこの前見た盤古蘭先輩も紛れている。
―――ピピー!
笛の音が鳴り、ジャージ姿のノノ先生が生徒達を集め始めた。
「はぁーい! 始めますよ~!」
相変わらず気の抜けるような声の先生の先導で、生徒達は一堂に集まった。
「校長先生のお話しです~!」
段の上に上がるリース校長。咳払いを一つすると「あーあー、テステス」と始まり……「それじゃあ、元気に死ぬように!」とあっさり段を降りた。
「適当ね!?」
「校長先生はいつもあんな感じだよ」
こっそりエリカが隣で教えてくれる。
「早く戦いたいからね♪」
……戦闘民族め。
―――ブォン……
突如広い校庭の周りに薄紫色の透明な壁が現れた。
「結界だよ。外に出られないけど、魔法が外に漏れる事も無いから安心して暴れられるんだよ♪」
……さいですか。
「はーい! それじゃあルールを説明しま~す!」
ノノ先生が冊子片手にマイクを握った。
「①外に出れません
②死んでも復活します
③時間は一時間
④最後まで生きてた人の勝ち
⑤30分したら先生が乱入します
⑥先生を殺した人には特別報酬が出ます
以上~! 始めます~!!」
ノノ先生の合図を皮切りに、全生徒達が一斉に戦闘の構えを取った!
「それじゃあ……頑張ろうルルルゥちゃん!!」
「え、ええ!」
私はエリカと熱い約束を交わした。
しかしその隣でオカマとイケメン君は早くも死んでいた―――
読んで頂きましてありがとうございました(*'ω'*)
 




