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始まりと魔法編
結構更新は遅い方なので、すみません。
プロローグ・お前が僕に負けたことを忘れないよう、お前の腸に名前を刻んでやろう
何の力もない、只の平凡な人間。
その右手には、異能を打ち消す力も、吸血鬼の力も、死に戻りの力も、文字使いの力も、賢者の力も、剣聖の力も、抗う力も、超能力の力も、初級魔法ですらも、ましてや…
勇者の力など、無い。
只、僕の右手は、目の前に居る高慢ちきな令嬢によって、燃やされているだけだ。
「アハハハハっ、やっぱりあなたごとき、魔具を使うまでもなかったわね!」
目の前の女が、僕を見てケタケタと笑っている。
でも、僕にはわかる。いや、分かるはずが無いとしても、彼女の家の重圧によって無理を、空元気をしているということはわかる。
「あなたは殺さない。生きて私の奴隷として、死ぬまでこき使ってあげるわ!感謝しなさ
「僕にはあんたを救えない」
「は…?」
「だからせめて、たとえあんたが今より辛くなったとしてもー」
「あんたを、負かしてやる」