僕は追放されるみたいです。
まだまだ未熟ですが、楽しんでいただければ幸いです。
「~だから、その。君には荷が重いと思うんだ。今まで一緒に来てくれてとても感謝しているよ。」
勇者・サンティエは困ったような笑顔で目の前の彼、ファーマに告げる。
ファーマは、状況を飲み込めず、口を開きかけては閉じを繰り返していた。
「全く!サンティエもはっきり言ってやればいいんだ!要するにお前は足手まといなんだよ!!」
「そうよ。いくら神託で選ばれたからと言って、ここまで戦力にならないとただの足手まといだわ!」
苛立ちを隠さずに、剣士シズマは言い放つ。
魔法使いのソルセルも冷ややかにファーマを見ていた。
「まぁまぁ、お二人とも。ファーマ君。これはあなたの身を案じてのことなの。最近戦闘で怪我を負うのも増えてきたでしょう?」
ハーフエルフのフォレルがやさしく言う。
―パン!
勇者・サンティエは手叩き、みなを黙らせた。
ふぅ、とため息を吐くと、ゆっくりと語るように話始める。
「王都から旅をしてそろそろ1年はたとうとしているね。魔王城にもだいぶ近づいてきて、魔物たちも強くなってきた。君もパーティにとても貢献してくれたよ。君の回復魔法で何度も助けられた。」
「じゃ、じゃあ。なんで!」
ファーマの絞り出した声が部屋に響く。
「まだ旅に出るには早すぎたんだ。まだ子供の君には。いくら神託を受けていたとしても、まだ成人もしていない。魔力の扱いも完璧にはできていない君を、連れて行くわけにはいかないんだ!わかってくれ・・・」
サンティエの強い意思のこもった目が、ファーマを射る。
だが、ファーマも負けてはいなかった。
「確かに、僕はまだ子供だし、魔力操作もまだまだ未熟なところもあると思う。でも!回復魔法や補助魔法は誰にも負けない自信はあるし、最近は攻撃魔法も・・・!!」
「攻撃魔法は私がいるわ。」
「ソルセルさん・・・」
「回復魔法だって、あなたほど私とフォレルで事足りるの。何も、成長してるのはあんただけじゃない。神託を受けたってだけで勘違いしないでほしいわ。」
「あんたは元から。
仲 間 じ ゃ な い の 。 」