最初の出会い1.1
北欧連合。
それは現在トップクラスの戦力を誇る3大ギルドの一つ。元々北欧神話が好きな連中が作ったギルドに徐々に他のギルドが集まった複合ギルドの総称。司令塔を北欧神話のマスターがやっていることで北欧連合と呼ばれるようになったらしい。そしてオリュンポスとはチームの名前だ。北欧連合の全ての同盟ギルドの中から選りすぐりのプレイヤーで構成しているらしい。彼らはそれぞれが元々廃人クラスの高接続プレイヤーだったことにも加え装備、そして何よりプレイヤースキルの高さから選ばれたとされる。
殺ってみたいねぇ。一度くらい死合いたいな。
まあでも今回は諦めるとするか。本来の俺なら真っ先に自分から探してでも戦いを挑むのにな。
俺が考え事をしているとそれがわかったのかシズネが
『いま入った情報だとオリュンポスはベルヘデスを30分前に出発、ルートからしてそっちの街の南のルートを通るのは間違いないらしい。だからそのルートは回避して帰還するよう』
っと釘を刺してきた。
「りよーかい」
俺はシズネとのテレパスが終わり、ユイフィーリア南東地区の首都ベルガに戻るための道順検索を始めた。
「さてと、連中の本部隊がこの街の南から来るとして俺が無事に帰れるルートはっと」
そういいながらアイテムストレージを押して次に表示された欄から地図を選択して実体化させてとりだした。
「ふーん、南のルートが通れないと上級狩場2つつっきらないといけないのか。これは少し、いやかなりつらいな、、、」
俺は地図を見て予定を変えようか悩んでいた。
上級狩場一つならダメージを喰らいながらもひたすら逃げれば回復も間に合うが2つつっきるとなると回復に不安がある。だからと言って南のルートを通ればオリュンポスと鉢合わせる可能性があるわけで、難しい選択だな。海ルートはまだ開拓が進んでいないため未知数過ぎで通れない。さて、どうしたものか。っと考え事をしているときだった、シズネからテレパスがきた。何か言い忘れたのだろうか?
『タクト予定変更だ、すぐに南ルートに向かえ』
願ってもない言葉だった。