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最初の出会い

フィールドマップ北西部-カドナスの町‐


今カドナスの町は慌しくなっている。俺がこの町に来てから三日、事態は悪くなる一方だ。この町から北に徒歩10分ほど行ったところにフェルトの洞窟という30レベル前後のプレイヤー向きのダンジョンがある。そのダンジョンを独占するために敵対勢力である北欧連合は補給するための道具屋と休息をとるための宿を常に見張っている。町の中ではプレイヤーキルが出来ないとはいえ、捕獲スキルに捕まればしばらくは開放しては貰えないだろう。


俺はフェルトの洞窟の偵察のために最短10分の道を迂回して50レベル前後のモンスターが出没するアブソの森を30分もかけて通り抜けて遠回りをしてこの町にきたため重量限界まで持ってきた回復アイテムは尽きかけている。この状態でもし町中以外で北欧連合の連中と鉢合わせればLPを一つ奪われるのは免れない。


だがここまで無茶をして偵察した価値はあっただろう。北欧連合のこの動き・・・やはり”あれ”の準備にはいったと見るべきか。


俺はこの三日間偵察したことを報告するため、目を閉じる事で表示されるコマンド一覧からテレパスという友達登録しているものとだけは離れていても通話可能となるシステムを選んで今回の偵察を依頼してきた人物への通話を試みた


「シズネ。今平気か?」


反応が帰ってこない。寝ているのだろうか?1分ほどまったが反応が返ってこないため移動しようと思った時にようやく


『起きている、丁度会議が終わったところだ。カドナスの様子は?』


っと、シズネから返答が帰ってきた。


シズネは俺の幼馴染で俺が所属しているギルド、ナイトガーデンという剣を使う職が沢山所属しているギルドだ。


「事態は思っていた通りだったよ。北欧連合はカドナスの町をほぼ封鎖することで町近くのフェルトの洞窟を独占している」


シズネは考え事をしているのかまた反応が消えた。1分ほどまって反応がないため俺から話しかけた。


「どうする?偵察を続けるか?」


『いや、いい。フェルトの洞窟を独占していることが分かった以上そこにいるのは危険だから直ぐに撤退をしてくれ』


「了解だ。じゃあ最後にできる限りの妨害をしていくとするか」


『馬鹿なこと言うな!』


シズネの怒声が俺の頭に響いた


「おまっ・・・っちょ!耳元で直接喋ってるのと同じくらいの音量に設定してるのに怒鳴るなよ。頭がキンキンする」


『馬鹿はどっちだ!フェルトの洞窟の独占を図っているということはあれが完成間近ということだ。それが意味することは間もなく北欧連合の本隊・オリュンポスがそちらに向かうことだってことくらい分かっているだろう』


「そんなの俺だって分かってるよ。冗談で言ってみただけさ。りょーかい、撤退するよ」


撤退を了承したが俺は内心残念でしょうがなかった。

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