ウォルシャオンライン1.3
フルダイブシステムにはある問題があった。それを回避するべくフルダイブシステムが構築された際ある法律が作られた。それは人を守るために作られた法律
【フルダイブシステム中の強制ログアウトシステムは特定緊急時以外認められない】
どんなことでもそうだが、それが世にでるさいは何度もテスト試験をする。当然フルダイブシステムが世に出る前にモルモットを使った何千何万というテスト試験があっただろう。その繰り返されたテスト試験の中で極めて少ない症例だが、強制ログアウトをさせた場合にのみ脳に障害を持ってしまったモルモットがいたそうだ。それを防止するべく作られた法律だった。
この法律がゲームに接続しているプレイヤーの思っていた以上に今回の事態を重くした。
ウォルシャオンラインは定期メンテナンスが無い。それは寝落ちや、居座るプレイヤーがいるため元々強制ログアウトが必要になってしまう定期メンテナンスという存在がないのだ。当然ゲーム内のエラーも想定されていなかったのだろう。公開される前にエラー全てを取り除いたと豪語するだけあり、ゲームが始まってから半年、実際一度たりともゲーム内でエラーが起きたという報告がないのだから感服するほどだ。
だからこそ運営側であるロウル社はウォルシャオンラインが完璧と信じすぎていたため強制ログアウトというシステムをゲーム内以外から作っておかなかったのだろう。まあこれは仕方ないことではあったと思う。何故ならフルダイブシステムの強制ログアウトは緊急時以外認められないという法律がある以上、何者かが勝手にゲーム外から起動できる強制ログアウトを使いでもすればロウル社は法律に違反したことになり直ぐ潰れてしまうだろう。