昔々あるところに_015
昔々あるところにモグさんという貧しい青年がおりました。
あるとき、モグさんは黒猫堂という骨董品屋の店先で、不思議なズボンを見ました。
「チャックからどんどんお金が出てくる。魔法のズボン(このズボンはその昔インドのマハラジャが使用していたモノです)(本物)」とありました。
生地はカシミアで分厚く、金糸銀糸で豪華な刺繍がしてありました。
モグさんはそれを見るとほしくてたまらなくなりました。
早速モグさんはそのズボンを持ってカウンターに駆けつけました。
「このチャックからどんどんお金が出てくる。魔法のズボン(本物)というのは本当ですか?」
「本当だニャ」カウンターに座っていたのは年取った黒猫でした。
「売ってください。買います」
「にじゅうまんえんダニャ」
モグさんはさっそく全財産二十万円を支払いそのズボンを手に入れました。
モグさんは黒猫堂を出ると、早速、路地裏で、ズボンを履き替ました。
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「さあ、これから新宿ゴールデン街にでも行って、遊んでくるか」
そう言って、ズボンのポケットに両手を突っ込み、肩をそらし意気揚々と歩き始めました。
そして電車に乗りました。
夕方のラッシュ時で、電車は混んでいました。
すると、モグさんのズボンのチャックがぱかっと開いてしまいました。モグさんは
『まだ早い……お金を出すのは、まだだ。現地に着いてからだ』
そう思いました。
しかし、ズボンが反応しているので仕方ありません。
両手を股間に当て、出てくるお金を受け止めようとしました。
しかし出てきたのは、お金ではなくモグさんの逸物でした。
モグさんはとっさにしまいこみました。しかし逸物は何度しまっても
ぽろっっと外に出てきました。
満員電車の中で、股間を触っていかがわしい行為をしている奴がいる。
モグさんは駅員に通報されました。
そして警察に、公然わいせつ罪で逮捕されました。
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