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ゆめ
『みてみて おねえちゃん
ふわふわの
きらきらで
おいっしーの』
一面真っ白な
まるで雲の上にいるような柔らかくて明るい世界の真ん中で
緑の瞳をきらきらと輝かせ
長い長い尻尾がふりふりふりながら
何度も何度も振り返って
私を誘う。
きいちゃん。
きいひめ。
耳がぴんと立っていて、小さな顔と長い足。
キジトラだから、そう呼んだ。
わが家で
いちばんかわいくて
いちばんわがままで
いちばんさびしがりやで
いちばんあまえんぼうで
唯一無二のおひめさま。
いとしい、いとしい。
私のたいせつな妹。
我が家の一員になって十五年目のお祝いを待たずに 虹の橋をさっさと渡ってしまった、
つれない相棒。
きいちゃん。
あなたと白い世界で思う存分遊ぶ、そんな夢を見た。




