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涼宮鷹尾の歴史改変日誌~令和のアラサー女子、明治の時代に転生して無双する。電子の技術は最強です!~  作者: 島風


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88珊瑚海海戦(アメリカ機動部隊壊滅)

すいません! 艦これにハマって続きが書けてません! しばらく不定期投稿になります。

(*- -)(*_ _)ペコリ

「あのクソアマぁ・・・ッ!」


「今度会ったら絶対にぶち殺してやる・・・!」


空母大鳳の艦橋。そこで響いているのは、帝国海軍の名将が発したとは到底信じがたい、ド底辺の悪役のような罵声だった。悶絶し、顔を真っ赤にして地団駄を踏んでいるのは、第三航空艦隊司令、山口多門。そしてその横で、負けじと殺気立った声を上げているのは加来艦長である。


そんな地獄のような雰囲気の中、一人の通信員が震える声で告げた。


「し、司令! 第13艦隊前衛部隊、潜水艦伊15より入電です!」


「なんだッ! この忙しい時にッ!」


山口が吠える。


(いや、吠えてるだけで仕事してないだろ・・・)


艦橋のクルー全員がそう思ったが、誰も口に出す勇気はなかった。


「司令、一応・・・一応聞きましょ? ね?」


見かねた伊藤参謀長が、なだめるように促す。


「・・・わかった! 少しだけだぞ! 3秒で言え!」


「なんでそんなに短いんですか・・・」


クルーたちの心の中のツッコミは、もはや止まることを知らなかった。


「・・・待てよ。第13艦隊の前衛潜水艦と言えば?」


ふと、加来艦長が顔を強張らせた。


「なんだ加来、それがどうした?」


「確か・・・あの忌々しい女(未来)と同じく、女だてらに潜水艦艦長をやっているという・・・」


「まさか」


「・・・多分、そのまさかかと」


スピーカーから、涼やかだがどこか人を食ったような女性の声が響き渡る。


『――山口提督。こちら伊15の長門です。ちょうど目の前に敵機動部隊が並んでいますが、攻撃しても宜しいですか?』


(なんで潜水艦が、雷撃の瞬間に航空艦隊司令官に許可なんて求めてるんだ・・・?)


クルーたちの頭の中が、疑問符でぐるぐる回り始める。


「ならんッ! 絶ッ対にならん! 敵空母は我が航空艦隊が、この手で叩き潰すと決まっているんだッ!」


山口が血圧を上げ、マイクを奪い取って叫ぶ。


(いや、沈めてくれるなら誰でもいいだろ・・・!)


総員のツッコミが、声にならない叫びとなって艦橋に充満した。


「閣下・・・。そうは言っても、味方の潜水艦が敵を捉えておいて、攻撃を許さないというのは・・・流石に軍紀として如何なものかと。・・・まあ、なぜ許可を求めてくるのかは、甚だ不可解ではありますが」


伊藤参謀長の、理性的かつ必死な説得に、山口はぐぬぬと奥歯を鳴らした。


「わかった! 伊藤参謀長! 少し・・・ほんの少し、かすらせる程度ならいいと伝えろ! 後で吠え面かかせてやるからなッ!」




「長門艦長。第三航空艦隊司令、山口多門少将より入電――『少しだけならいい』とのことです」


「・・・聞いておいて正解だった。私、未来みたいに航空派を敵に回す趣味はないから」


淡々と、しかしどこか冷徹な響きを帯びた声で応じたのは、潜水艦伊15の指揮官、長門有希だ。 岩崎茜の愛娘であり、母の旧姓をビジネスネームとして冠する彼女の瞳には、感情の揺らぎなど微塵も存在しない。あるのは、ただ静謐な計算のみ。


「目標、運動解析完了。ミサイル攻撃用意」


「ミサイル初期情報、入力。1番、2番、データ同期――」


「同期確認。ミサイル、スタンバイ」


「1番、2番管注水。発射管扉、開放」


有希の指示に従い、潜水艦の暗い胎内がシステマチックに鼓動を速めていく。


「注水完了。ハッチ開きます。・・・射撃準備、完了」


「――撃て」


有希の短い宣告。


「1番、ッ!」


深海を震わせ、カプセルに包まれたミサイルが射出される。海面に顔を出した瞬間、カプセルを捨てたミサイルがブースターに点火。白煙の尾を引いて、水平線の彼方の獲物へと針路を向ける。


「・・・続いて、新型長距離魚雷の実戦テスト。一式超魚雷、攻撃用意」


彼女の狙いはミサイルだけではない。


「一番、二番に装填。目標運動データ、入力。1番、2番、魚雷起動」


「ジャイロセット完了」


「注水、魚雷発射管扉開放」


「・・・撃て」


有希が細い腕を振り下ろす。


「1番、2番、発射ッ!」


圧縮空気の放出音とともに、二本の巨大な影が発射管を滑り出した。一式超魚雷。それは、現代の常識を遥かに超えた航続距離を誇る、海中の暗殺者アッサシンだ。


「・・・魚雷、正常走行。アクティブソナー捕捉まで待機」


ここからが、潜水艦にとって最も長く、最も脆弱な沈黙の時間となる。超魚雷に、自律型の打ちっ放し能力はまだない。海面上に突き出した通信アンテナが友軍偵察機からの信号を拾い、それを有線で海中の魚雷へ送り続ける。


敵艦までの距離、約30km。魚雷が自らの意思アクティブソナーで敵を捉えるまで、あと20km。時間にして12分。 CICの誰もが言葉無く、ただ計器の刻む秒数だけが響く。


「・・・魚雷、アクティブソナー起動。目標を捕捉しました。誘導、継続」


「魚雷、ターゲットをロック。命中まで・・・あと5分」


「任務完了」


有希の声に、迷いはない。


「通信アンテナ収容。直ちに潜航――全速、回避運動へ。戦域を離脱する」


自らが放った魚雷が敵を粉砕する光景にすら興味を示さず、伊15潜は深淵の闇へとその身を隠した。数分後、何も知らないアメリカ軍戦艦の舷側で、魚雷が爆発すると確信しながら。




レイモンド・スプールアンス少将は、かつてない無力感に苛まれていた。


ハルゼー提督に出撃の再考を直訴したが、猛牛ブルの異名を持つ男は鼻で笑うだけだった。エセックス級二隻の沈没? 弾薬庫の不始末だ。ジャップにそんな芸当ができるはずがない、と。だが、スプールアンスは知っていた。自身の指揮下に、あれほどの爆発を引き起こすような不手際を犯す士官など一人もいない。


日本軍は一体、何をしたのか。その正体を見極めるまで、これ以上の主力投入は控えるべきだ――その慎重さは、ホワイトハウスの政治的圧力によって無残に踏みにじられた。サモアやニューカレドニアが落ちれば、日本軍の超長距離爆撃機がアメリカ西海岸を火の海にする。その恐怖が、理性を上回ったのだ。


「せめて、サモアの基地航空隊の支援があれば・・・」


スプールアンスの不安は、それだけではなかった。 海軍情報部は、日本の空母戦力を赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴の四隻と推定していた。だが、もし日本がアメリカと同じように、常識外の速度で空母の量産を行っていたら?


その嫌な予感が、現実を砕く音に変わった。


「――何か聞こえます。エセックスが沈んだ時と同じ、あの・・・嫌な音が!」


見張り員の悲鳴が、旗艦の艦橋に突き刺さる。


「北西より未確認機接近! いや、速すぎる! ロケットか!?」


「全艦回避運動ッ! ハルゼー提督にも伝えろ! 面舵一杯だ!」


スプールアンスは咄嗟に艦隊を守ろうとした。だが、何かがおかしい。敵の狙いは、空母ではない。


「・・・標的は戦艦アイオワ!? なぜ空母を狙わないんだ!」


絶叫に答えるように、凄まじい破裂音が海域を震わせた。長門有希が放った精密誘導ミサイルが、アイオワの艦橋に着弾したのだ。鋼鉄の要塞は瞬時に火だるまとなり、一瞬にして艦の頭脳は蒸発した。


「アイオワ被弾! 機関は健在ですが、艦橋要員が・・・全滅です!」


「馬鹿な・・・。一瞬で戦艦を置物に変えたというのか」


指揮系統を喪失した巨艦を置き去りにし、数十分の静寂が訪れた。スプールアンスは、後続の攻撃を待ち構えていたが、何も来ない。 ――いや、来なかったのではない。


刃は、海面の下を静かに這い寄っていたのだ。


ゴオオオオオオンッ!


鈍い轟音が響き、アイオワの右舷で巨大な水柱が上がった。


「・・・ぎょ、魚雷らしきもの、命中!」


「『らしきもの』とは何だ! 報告を正確にしろ!」


スプールアンスは苛立った。二重の輪形陣、万全の対潜哨戒網――そのすべてを潜り抜け、どこに潜水艦がいたというのか。


「傾斜が止まりません! 通信不能、アイオワ、ダメコン失敗! 沈みますッ!」


たった一発。長門有希が放った一式超魚雷は、たった一撃で五万トンの巨艦を深海へと引きずり込んだ。 それだけではない。次なる悲鳴が上がる。


「油槽艦ネオショー被雷! 沈没!」


「・・・ッ!」


スプールアンスは戦慄した。敵将は残酷なまでに戦略を熟知している。油槽艦を潰せば、艦隊は引き返すことすら叶わず、海上で干からびるしかない。


「だが、なぜ空母を狙わない・・・。我々を、なぶり殺しにするつもりか!?」


その時、ついにあの音が聞こえた。音速の壁を切り裂く、破滅の咆哮。戦艦大和から放たれた高速滑空誘導弾だ。


ガスンッ――!!


それはもはや着弾という生易しい現象ではなかった。エセックス級空母への至近弾となった第一弾は、その衝撃波だけで三万トンの巨体を軽々と宙へ放り投げた。空中に舞い上がった空母が、艦首から海へとダイビングした瞬間、第二弾が船体の中央を容赦なく貫通する。


破壊力は、物理の法則を忠実に体現した。三万トンの巨体が一瞬でバラバラの鉄屑と化し、海面に消えていく。


「バンカーヒル、轟沈! 続いて・・・レキシントン、イントレピッドも消失!」


断末魔の切り裂き音は続き、残りの正規空母たちも、まるでおもちゃのように次々と粉砕されていった。海には艦載機と兵士たちがゴミのように降り注いでいる。


「・・・じ、地獄だ」


誰かが呟いた。だが、それはまだ序章に過ぎなかった。


「レ、レーダーがホワイトアウト! 強烈な電波妨害ジャミングです!」


「何だと・・・?」


それは、山口多聞が率いる正規空母十隻からの、トドメの一撃の合図だった。 数秒後、スプールアンスが見上げた空は、数百発の滑空赤外線誘導爆弾で埋め尽くされていた。


もはや、迎撃など不可能。 かつて無敵を誇ったアメリカ第五十八任務群は、反撃の一矢すら報いることができぬまま、珊瑚海の藻屑となって消滅した。

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― 新着の感想 ―
超高度からの砲弾の落下速度は音速を越える為、砲弾は音が聞こえないはず(着弾後に聞こえるが着弾時の爆発音で欠き消える)と、思いますので気付かず爆発してたとなると思います
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