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涼宮鷹尾の歴史改変日誌~令和のアラサー女子、明治の時代に転生して無双する。電子の技術は最強です!~  作者: 島風


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27帝政ロシア復活は困るけどね

「お嬢様、真剣な顔で何をお考えですか?」


「あ、茜? ごめんね。うっかりして考え事に夢中になっちゃったの」


村の空き屋で一泊して朝を迎えて、髪のブラッシングを茜にお願いしていたんだけど、つい考え事に夢中になってしまった。


「実は予想外のビジネスの成功とアナスタシア様が我が国に与える影響を考えると、一長一短・・・いや、デメリットの方が大きいかもしれない」


「何故ですか? お嬢様は白ロシア軍に加担しようと。ロシア赤軍、即ち将来の共産党よりは白ロシア軍優勢の方が日本にとってありがたいと仰っていたではないですか?」


「確かにそうだけれど・・・問題は場所と正統性なのよ」


「どういう事ですか? お嬢様?」


私はため息を吐くと、茜に私の懸念事項を教える事にした。これにはかなり未来の不確定事項が含まれる。


「前にも言ったけど、日本は満州や韓国、つまり大陸に手を出すべきじゃないの。権益はギリギリ許容できるとしても、大陸に大規模な軍隊を送ったり、傀儡政権を立てたりするのは厳禁」


「そう言えば、伊藤博文様のご活躍で日韓併合は廃案になりましたが・・・あれもお嬢様が裏で糸を引いておられました」


「後日、遺恨を残すという点もそうなんだけど、海洋国家が大陸に手を出すべきじゃない」


「お嬢様が仰っていた、地政地理学ですね。ランドパワー(大陸国家)、シーパワー(海洋国家)では地理的制約から違いが生じる、でしたか?」


「そうよ。海洋国家はシーパワーを活かした海洋からの介入や勢力均衡を重視すべき。一方、大陸国家は陸上での領土拡大や防衛、同盟関係構築を優先し、互い覇権争いを行うしかない」


「つまり、大陸に手を出すと覇権争いに自然に巻き込まれると?」


「その通りよ」


私は頭の中で最悪のシミュレーションを行った。このままアナスタシアさんの白ロシア軍がシベリアで活躍して帝政ロシアを復活させたら、日本やもうじき誕生するソ連が黙っていない。


ソ連は当然、日本も満州利権保全の為、軍隊をシベリアに送る事態になる。史実のシベリア出兵は短期間で終わるが、果たして今回はどうなるか? 帝政ロシアが復活した場合、中国、ソ連、アメリカに加えて帝政ロシアが大陸に群雄割拠する事になり、それに日本も巻き込まれる。


次善策として、帝政ロシアと同盟を結ぶという形もあるが、それでは海洋国家の日本がランドパワー、即ち大陸国家として動く事になる。


このままでは前世同様、大陸、太平洋と同時に戦争をする二正面作戦となる事は必然で、アメリカとは非戦に努めようと考えていた私の構想が大きく修正を余儀なくされる。


アメリカはアジアを浸食する日本を容認できない筈だ。当然、介入して来る。それがオフシェアバランスというものだ。


・・・アナスタシアさんの暗殺。一瞬頭に浮かんだ言葉に思わず首を振る。


「どうされたのですか? お嬢様? お顔色が優れません」


「ううん。何でもないの。日本政府がアナスタシア様擁護の立場になる様に伊藤博文様にお願いしてみるわ。例え、それがいばらの道だったとしてもね」


「シベリアのこの地で正統な帝政ロシアが復活したら、日本も大陸の諸事情に巻き込まれる、と、言うにも拘わらずですか? ・・・ここはアナスタシア様に」


「茜。私は政治家じゃないし、そう言う事は考えられないの!」


「失礼致しましたお嬢様。出過ぎた発言でした」


「くれぐれもお父様や蒼一郎兄様には私の考えを伝えないでね。もしも・・・そんな事になったら、茜でも許せないかもしれない」


「私はお嬢様専属、お嬢様だけのメイドです。主人の御意向や信用を第一に考えております」


そう言って、一歩下がって礼をした。




「それにしても、今日はどんな風の吹き回しですか? お嬢様がご自身から髪の手入れや化粧などを所望されるなど。それにこんな場所で白のワンピースでお洒落…お嬢様らしくございません」


「ちょっと、一樹兄にいと朝のお散歩に行って来るだけよ」


「デートですか?」


「違うから! そんなんじゃないから! 私と一樹にいとはそんなんじゃないでしょ?」


「そうなのですか? ようやくお嬢様も色恋に目覚めたのかと茜は一安心した次第なのですが・・・その、さっさと嫁に行って頂きませんと私が嫁に行きそびれます」


「知るかぁ!」


そんな他愛のない話の後、空き家を出て、にいと落ち合う。予め時間は決めてあり、約束の場所は私の家の前だ。


「にい、待った?」


「・・・いや。というか、時間通りだろ?」


この野郎。こう言う時は一時間位前から待っていて、全然待ってないよ、と言うのがお約束だろ? 少しは私の乙女心を満たせよ、この唐変木。折角、朝の森が綺麗なのに。


「じゃあ、行くか? 鷹尾」


「う、うん」


良く考えたら、デートって、前世を含めて生まれて初めてかも・・・段々心細くなった。


私、たかが にい相手に何を意識してるの? 今日の私、おかしいよね?


昨日、にいに助けてもらったからかな?


庇ってもらって、押し倒された事を思い出して顔が赤くなりそうになる。


違う、違う、あれは私を庇うためで、当然の・・・にい、私を命がけで守ってくれたのか?


「夏のシベリアは中々綺麗なものだな」


「この辺は森の手入れが行き届いているみたいですわ」


「ああ、植層に少々違いがあるが、軽井沢の様な景色だな」


「・・・ど」


「何だ?」


「今度、軽井沢に連れてってよ」


「昨日、頭でも打ったか?」


「うるさい!」


ああーもう! 乙女心の分かんないヤツ! 思わず近くの石を蹴とばす。その瞬間、何か痛みを感じた。


「鷹尾!」


「え?」


気が付くと、にいに押し倒されていた。え? なんで? にいが何で?


「鷹尾、すまん」


そう言って、スカートを捲って、太ももに口づけする。


ここでおっぱじめる気?


「にい、ダメ」


駄目だ、何故私は大声を出せない? 何故本気でにいを振りほどかない?


そんなに太ももに触らないで、そんなに口づけしないで。


「にい?」


いや、時と場合を考えろよ。こんな処でムードも作らず、いきなり!


そもそも、いくら私が可愛いからって、襲うか、普通? 信用していたのに!


「多分、これで大丈夫だ。毒は全部吸い出した」


「へ?」


「何て間抜けな顔してんだ? お前、考え無しで、石ころなんて蹴とばすから、潜んでいた毒蛇に噛まれてたぞ。俺が居なかったら、今頃、死んでただろ」


「え? はあ?」


気が付くとにいは私のはだけたスカートを元に戻してくれていて・・・。


「お嬢様。ご無事で宜しかったですね」


「え、茜? いたの?」


「はい、万が一に備えて、お嬢様のお傍に潜んでおりました」


え? じゃ、私の太もも吸うの、茜で良かったんじゃないの?


「茜に毒吸い出してもらったら良かったんじゃないの?」


私が一樹にいをジト目で見ると、何故かばつが悪そうな顔でごほんごほんとせき込んでいた。

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― 新着の感想 ―
この頃の人達は歯磨きがいい加減で歯周病あるから毒を吸い出したら歯茎から毒が入ってしまうんですのよ。
史実では革命政府がブリカスにロマノフ一家の引き取り依頼してる。 ブリカスが拒否した事があの悲劇の一因でもある。 アーシャが満州に居るならロマノフ一家をシベリアに連れてくれば良いからブリカスも引き取…
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