チョコメロクエスト その2
ここは暗い洞窟の中、不思議生物ーーチョコメロは歩いていました。 まったく見えない暗闇の中、手探りで歩きます。 ーーたいまつは持つと、熱いのでやめました。
短い手が壁にぶつかるたびに、方向転換するチョコメロ。 それを繰り返すこと数時間、突然チョコメロの視界が明るくなりました。 その場所に向かって行きました。
するとそこに居たのはーー天上まで見上げないと、顔が見えないほどの、巨大なドラゴンでした。 洞窟が明るくなったのは、このドラゴンが口から出す火が理由でした。 チョコメロはドラゴンに挨拶します。
「うん? 何故この様な暗い洞窟に灯りを持たずに来たのだ? ⋯⋯なに、ここに姫が囚われているから助けにきたと⋯⋯素晴らしい! なんと、勇敢な者なのだな⋯⋯ だがここは真っ暗な洞窟だ。 我が道を照らそう」
そう言うとドラゴンは炎を出して、洞窟を照らしました。 よかった、これで道よく見えますね。
チョコメロとドラゴンは洞窟を進みます。 すると目の前に大きくて頑丈そうな扉が現れました。 どうやら開けるのにカギが必要ですーーしかし、そのカギを持っていませんでした。
途方に暮れるチョコメローードラゴンは問います、「お主はこの先に行きたいのか?」と。 チョコメロは肯定します。 すると、ドラゴンが扉に向けて突撃! 扉は粉々になりました。
そして扉の中から出てきたのは、ドレス姿のネコーーお姫様です。 彼女は目の前にいるチョコメロに笑顔でかけよります。
「勇者様、ありがとうございます! 貴方のおかげでここを出ることができます」
姫は飛び跳ねて喜び、チョコメロに抱きつきます、チョコメロは照れながらも嬉しそうです。
「あの、おまえ達⋯⋯ちょっと、どいてくれないか?」
「貴方は、ドラゴンさん! すみません、気付きませんでした⋯⋯」
「構わん、問題ない。⋯⋯飛び跳ねなければな」
「すみません。 私、恥ずかしいことをしました」
「それにしても、どうしてここに囚われていたのだ! 犯人は?」
「それが、私にもわからなくて⋯⋯気付くとここにいました」
どうやら、姫さま自身も誰に攫われたのかわからないようです。 一体犯人は何者でしょうか?




