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婚約破棄された上に、追放された伯爵家三男カールは、実は剣聖だった!これからしっかり復讐します!婚約破棄から始まる追放生活!!  作者: 山田 バルス
第2章 カール=キリト 魔王国編

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第134話 ぼくのご主人、ぜったい最強なんだワン!》──ルゥ視点

ぼくのご主人、ぜったい最強なんだワン!》──ルゥ視点

うぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉんっ!!!


ご主人、勝ったワン!!!


すっごかった!すっっっごかったワン!!!


決勝戦の最後の最後。

アレクのすっごい雷の拳が、空を割ったかと思ったら、ご主人の剣が光って、ばしゅん!って!


「絶閃・零ノ型・空閃」だワン!!


ご主人がよく夜の修行で使ってたやつ!


でも今のは、今まで見た中で一番すごかったワン!

キラキラして、ピカってなって、もうなんか……かっこよすぎて、ぼく、尻尾ちぎれそうだったワン!!


アレクも、すごかったワン。

あんなでっかくて、雷ゴロゴロで、吠えるたびに耳がきーんってなったし。


正直、最初はちょっとだけ怖かったワン。


でも、うちのご主人、ぜったい負けないって、信じてた!


だって……ご主人は、ぼくのヒーローなんだワン!



思い返せば、ぼくがご主人と出会ったのは、ちょっと前。


ぼく、もともとはただのフェンリルの子犬だったワン。


寒くて、ひとりぼっちで、食べ物もなくて、ガルルって唸って誰も近寄らなかったぼくを、ご主人はぎゅって抱きしめてくれた。


「おいで。大丈夫だ、もうひとりじゃない」


あの声、今でも忘れられないワン。


あれから、ぼくはご主人の隣にいることが日常になった。


一緒にご飯食べて、一緒に旅して、一緒に戦って、一緒に笑って。


……だから、ご主人がこの大会に出るって決めたとき、ぼく、うれしいのと、ちょっとだけ心配だったワン。


だって、強いやついっぱい来るって聞いたから。


でも、ぼくは知ってた。


ご主人が一番強くて、一番優しくて、一番カッコイイってこと。



戦いのとき、ぼくは闘技場の近くから見てたワン。


セリアお姉ちゃんとリーリアンお姉ちゃんの近くだワン。


「カール、がんばって……!」


「無茶はしないでよ……!」


お姉ちゃんたちの声も、ぼくと同じ気持ちだったワン。


みんな、ご主人のことが大好きで、大事で、大切なんだワン。


でも、ご主人の戦いは、そんな気持ちを全部包みこんでくれるくらい、すごかったワン。


最初は互角だった。


アレクの雷拳と、ご主人の剣。


ぶつかって、はじけて、地面が割れて、空気がビリビリして。


でも、だんだんご主人が押されて……!


「あぶないワン!やめるワン!」って、ぼく、つい大声出しちゃったワン!


でも、セリアお姉ちゃんが言った。


「大丈夫。カールは負けないわ」


それを聞いて、ぼく、信じるって決めたワン。


それに、ご主人……全然、諦めてなかった。


体がボロボロになっても、目がまっすぐだった。


剣を握る手が震えてても、気持ちはぜったい折れてなかった。


……そんなの、反則だワン。


かっこよすぎるワン……。



そして、ついに、最後の一撃。


ご主人の足元に魔法陣が走って、剣が空に吸い込まれるみたいに振り上げられて——


「絶閃・零ノ型・空閃!!」


ぼく、しっぽピーンって立って、思わず吠えたワン!!


一瞬で、アレクの雷が裂かれて。


一瞬で、勝負が決まった。


そのときの静けさ。


世界が止まったみたいだったワン。


空気が澄んで、風が止まって、音もなくなって。


ただそこに、ご主人が立ってた。


勝者として。

剣士として。

そして……ぼくたちのヒーローとして!



ぼく、走ったワン。


一番に、ご主人のとこへ!


「ご主人ーーっ!!勝ったワァァァァァァン!!!」


思いっきり飛びついたワン!!


ご主人、ちょっとふらってしてたけど、ぼくの頭をちゃんとなでてくれた。


「……ルゥ、ただいま」


その言葉聞いたとき、涙出たワン。耳までびしょびしょになったワン。


「おかえり、ご主人!」


世界一あったかくて、世界一ほっとする言葉だったワン。



そのあと、みんなが集まってきた。


リーリアンお姉ちゃんがちょっと泣きそうな顔で「ほんとに、すごいよ……」って言って、

セリアお姉ちゃんは「バカ……でも、無事でよかった……」って肩に顔うずめてて。


その姿見て、ぼく、またうるうるしちゃったワン。


でもね、そのとき気づいたワン。


ああ、ぼくたち、家族なんだって。


ただの仲間じゃない。


一緒に戦って、一緒に信じて、一緒に泣いて笑って。


ご主人を真ん中に、ぼくたちはみんな、ひとつなんだワン。



戦いは終わったワン。


でも、これからもっといろんなことが起きるかもしれない。


魔王軍のこと、世界のこと、人間と魔族のこと——


でも、ぼく、怖くないワン。


だって、ご主人がいるから!


ご主人は、どんなに暗い道でも、剣で道を切り開いてくれる。


迷っても、立ち止まっても、ぜったいに前を向いてくれる。


だから、ぼくも走るワン!


ご主人の隣を、これからもずっと!


そして——いつかミゥにもカッコイイとこ見せてやるんだワン!


フェンリルの誇りにかけて、ぼくは、ぼくだけの道を行く!


その先に、ご主人と一緒にいる未来があるなら、それがいちばん幸せだワン!



最後に、ひとことだけ。


ご主人、だぁぁぁぁぁぁいすきだワァァァァァァァァン!!!


ほんとに、ほんとに、おめでとうだワン!!

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