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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

М子とK雄とS那

作者: 野中 すず
掲載日:2025/01/11


【問】

 皮膚に付くと十日後に死ぬ毒があります。M子は一月七日に自分の唇と性器に毒を塗りました。夫のK雄はその三日後にM子を抱きました。K雄はその四日後に不倫相手のS那を抱きました。

 M子、K雄、S那が死亡する日をそれぞれ求めなさい。




 真子(まこ)は、以前なんとなく自分で思い付いた問題の答えを考えていた。実のところ、答えは既に確定している。

 薄暗い部屋、カーテンの隙間から外を覗くと雪がちらついている。真子は、全身ずぶ濡れだが寒さは感じない。


 真子は、自分なりに辿り着いた答えを脳内で復唱した。


 【答え】

 そんな毒は存在しないから考える意味がない。




 部屋の床には、ロープで縛られた二人の人間。

 猿轡(さるぐつわ)によって声は出せない。「ムームー」とみっともなく(うな)っている。

 二人ともガタガタ震えていた。

 真子同様ずぶ濡れだからか、恐怖によるものか真子は分からない。

 興味もない。


 和雄(かずお)芹那(せりな)を見下ろしながら、真子は和雄が愛用しているジッポライターに着火した。


「そう、そんな毒はないのよ」


 真子はライターを放り投げた。




 灯油まみれの三人が炎に包まれる。

 ()ける気道で絶叫しながら真子は考える。

 

「問いに対する本来の答え」を。


 ええっと…………。

 M子が十八日に死亡。

 K雄が二十日に死亡。

 S那が二十四日に死亡。

 間違いないわ。



 真子は間違っている。


 M子が死亡する日を一日長く答えている。






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― 新着の感想 ―
教科書に載せるべきです(`・ω・´) 問い 「最後、なぜ彼女がそう思ったかを考えなさい」 憎い、殺したい、もうこのまま自分も…… そんな人間がなぜこんなことを考えたのか。 と、私も感想欄の返信…
読み逃してた! と慌てて読みました。 そしたら……怖ぁ……(´;ω;`) 冒頭の問いを一生懸命計算していた私。 確かに1日長い、なんでだろう……と思っていたところ、感想欄で成る程となりました。 地獄の…
拝読させていただきました。 去年のこの時期、ちょうど自殺方法はどれが一番苦しまずに済むかと言うことを比較していたので、毒と焼死の対比はなかなか考えさせられるところがありました。焼死は一番おすすめされな…
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