М子とK雄とS那
【問】
皮膚に付くと十日後に死ぬ毒があります。M子は一月七日に自分の唇と性器に毒を塗りました。夫のK雄はその三日後にM子を抱きました。K雄はその四日後に不倫相手のS那を抱きました。
M子、K雄、S那が死亡する日をそれぞれ求めなさい。
真子は、以前なんとなく自分で思い付いた問題の答えを考えていた。実のところ、答えは既に確定している。
薄暗い部屋、カーテンの隙間から外を覗くと雪がちらついている。真子は、全身ずぶ濡れだが寒さは感じない。
真子は、自分なりに辿り着いた答えを脳内で復唱した。
【答え】
そんな毒は存在しないから考える意味がない。
部屋の床には、ロープで縛られた二人の人間。
猿轡によって声は出せない。「ムームー」とみっともなく唸っている。
二人ともガタガタ震えていた。
真子同様ずぶ濡れだからか、恐怖によるものか真子は分からない。
興味もない。
和雄と芹那を見下ろしながら、真子は和雄が愛用しているジッポライターに着火した。
「そう、そんな毒はないのよ」
真子はライターを放り投げた。
灯油まみれの三人が炎に包まれる。
灼ける気道で絶叫しながら真子は考える。
「問いに対する本来の答え」を。
ええっと…………。
M子が十八日に死亡。
K雄が二十日に死亡。
S那が二十四日に死亡。
間違いないわ。
真子は間違っている。
M子が死亡する日を一日長く答えている。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
御感想、評価(☆)頂けると励みになります。
よろしくお願いいたします。




