『アトランティス・オンライン』
設定って悩み過ぎちゃいます……
『アトランティス・オンライン』
全世界100ヶ国以上で発売されているVRMMO。
『Thor』という機能により言語変換は可能となり、言語の壁を越えて楽しめる。
ゲームの広さは地球同等、またはそれ以上とも言われる。
登録プレイヤー数は5000万人を超えると言われている。
日本人の九割九分が初期に選択するのが【ジパング】と呼ばれる国の【エド】と呼ばれる首都だ。
ちなみに選択可能は各国の首都だ。
そんな【エド】に一人のプレイヤーが新たに現れた。
そのプレイヤーは頭の上に『アーサー』とあった。
アーサーは【エド】の街並みを見渡す。
(これは想像以上だったなぁ……)
街の名前は【エド】だが、近未来的な街並みの中に和のテイストも残っている。
そんな街並みに感動、驚愕していると声を掛けられた。
「アーサー?」
振り返るとそこには、黒の三角帽子にローブを見に纏い、誰が見ても魔法使い、魔女と思うだろう。
「えっと……マーネは真紀ちゃんで良いんだよね?」
そう言うとマーネは喜びで抱き着いてきた。
「やっと来たんだね真凛!ツキネもフィーリアもコロンもみんな待ってたんだからね!」
アーサーもとい真凛は一ヶ月前からクラスメイトに誘われ続けていた。それを即答しなかったのは『刀剣』で無敗という偉業をやってのけた一人の男の事を思ってだ。
だが、その男も既にやっていただけではなく、まさかの初日組という衝撃のサプライズを受けたわけだが。
「アーサーはVRゲームやったことあるんだっけ?」
マーネはアーサーに問いかける。アーサーは『刀剣オンライン』のことは伝えていなく、ただVRゲームをやっていると言っている。
まさか対人専門のゲームでランキング1位だったことなんて言ってない。
「うん、あるよ!」
「ジョブは何したの?あっ、言いたくなかったら言わなくてもいいからね」
ゲームマナーを考えての発言だが、この状況で言えないと言えるほど強くはない。
「ジョブは【騎士】だよ」
『刀剣』時代のアーサーの経験を考えたの事だ……が、アーサーはスキル、ステータス、魔法が無いゲームしかやってこなかったため、その存在を忘れているのだが……
「へぇー!前衛とは意外!アーサーは可愛いからそういう戦闘苦手かと思ってた」
「うーん……理由がちょっとアレだけど……戦闘はちょっと自信あるよ!」
そう言うとマーネの目が光った(ような気がした)
「じゃあNPCとPvP出来るところがあるから、腕試ししよう!」
「そうだね、じゃあ行ってみようか!」
こうしてアーサーとマーネの二人は【武道館】に向かったが、その五分後一人のプレイヤーが現れた。
「お、おい!アレって【最強】の紅葉じゃないか?」
「マジかよ……誰か人を探してるようだな」
「あのソロプレイヤーが人探し?」
現れただけで話題になる超有名プレイヤー紅葉は周りの目線は気にせず、辺りを見渡すが目的の人物は見当たらない。なので近くのプレイヤーに声をかける。
「いきなりで悪いんだけどさ、アーサーって名前の初心者装備のプレイヤー居なかった?」
声を掛けられたプレイヤーは、雲の上の存在である紅葉に声を掛けられ固まってしまい、声を出そうにも出ないようだった。
これはダメか……と思ったその時、近くのプレイヤーが
「え、えっと多分アーサーってプレイヤーなら友達っぽいプレイヤーと共にNPCと戦える場所行くって行ってましたけど……」
「NPCと戦える場所……【武道館】かな?ありがとね……ハウンド君?じゃあこれお礼になるかわからないけど」
そう言って何かの骨の様なを渡し、歩いて行った。
ハウンドはそのアイテムを《鑑定》しようとしたがレベルが足りないためか???としか表示されなかった。
その後、NPCの鑑定屋に持って行くと『閃光竜の堅骨』という、今話題の最高級の素材だったという。
●
アーサーとマーネは【武道館】にいた。
アーサーは貸し出しのロングソードと盾を借り、『ハザマ教官』というNPCと向かい合っていた。
「用意はいいか?」
「はい」
そう言うとアーサーは『刀剣』の時の様に剣と盾を構える。ハザマ教官は一本のロングソードだ。
「はっ!」
ハザマ教官は凄まじいスピードでこちらに向かってくる。そのスピードは人間のスピードじゃない。
「くっ!!」
人間のスピードじゃない理由は分からないが、盾を使いガードする。幾千もの斬撃をガードし続ける。
相手のロングソードを振り下ろすタイミングに合わせて盾を突き出しパリィをする。
「うおっ!?」
その隙に右手のロングソードで反撃する。だが、与えられたダメージは極微量。するとハザマ教官が、
「ふっふっふ……レベル1でここまでやる奴は初めてだな!名前はなんて言う?」
「えっ?えっと、アーサーです」
「そうか!よしっ、アーサーお前が時間ある時訓練をつけよう!」
〈クエスト:ハザマ教官の指導〉
YES/NO
「はへっ!?」
思わず変な声が出たが、とりあえずYESを押しておく。
「じゃあ時間ある時またこいよ!」
そう言ってハザマ教官は歩き去って行く。
するとマーネから詰め寄られた。
「何でそんなに動けるの!?ってか何でステータス差があるのに攻撃出来るの!?何でレベル75のハザマ教官にレベル1のアーサーが攻撃を防げるの!?折角わたしが『アトランティス・オンライン』の壁をぶつけようとしてたのにどうして!?」
聞き逃せない発言があったが、取り敢えず……
「ちょっ、ちょっと落ち着いて!」
マーネの言葉を聞き、先ほどの戦闘について理解する。
(そっか、ステータスの差かぁ……『刀剣』の世界にはそんなの無かったから忘れてたなぁ。この世界では人間の限界以上の力を出せるのか……これ『刀剣』やりたくなった時大変そうだなぁ。って!?紅葉はステータスの差が天と地ほどあるのに、あんだけ動けてたの!?)
紅葉の凄さを改めて理解した時、入口の方からざわめきの声が聞こえてきた。
先輩ヅラしてたマーネと一緒に何事かと思って近づくと、ある人の名前が聞こえてきた。
「なんで紅葉がここに!?」
「バカ!そんなの俺が知るわけねーだろ!」
「【最強】の戦闘が見られるのか!?」
既に【武道館】にいる殆どのプレイヤーが一人のプレイヤーを注目していた。
(えっ、えっ、なんで紅葉がここに!?)
アーサーが紅葉の登場に戸惑っていると、マーネが興奮した表情で後ろから抱き着いてきた。
「真凛!あの紅葉ってプレイヤーはね、全プレイヤーの中で【最強】って呼ばれる人なんだよ!こんな所で会えるなんて運が良いね!他のみんなに自慢できるよ!」
まさか知り合いなんて言えない雰囲気の中、神話の様に人が割れていって、遂にお互いの顔が見える距離にまで近づいた。
紅葉は辺りを見渡していて、遂に目が合ってしまい、紅葉の顔が自分の顔のすぐ上を見た。そう、プレイヤーネームがあるところを。
すると紅葉は顔全体のお面をしているのに、ニヤッとしたのが分かった。
そしてそのまま此方に向かって一直線に向かって歩いてくる。背中にしがみついているマーネはテンションが上がる一方だが、自分は未だかつてないほど心臓がバクバクいっていた。
(なんでこんなにバクバクしてるの?顔を見られるから?でもそれなら楽しみとか、嬉しいだと思う……じゃあなんで?)
そんなことを考えていると、目の前に身長180センチ前後ぐらいのお面をつけた和装姿の【最強】のプレイヤーが立っていた。
「やっぱり女の子だったんだな、しかも美少女だし」
そう言いながら笑ってきたので、ついいつもの様に答えてしまった。
「えっ!?女子ってバレてたの!?」
「ああ、僕っ娘なのかなーって思ってた」
「そ、それはバレない様に変えて、今じゃついリアルでも僕って言っちゃうときもあるんだからね……っ!!」
慌てて後ろ見て見ると、驚いた様子でこちらをみるマーネの姿がそこにはあった。
「えっ……あの……えっ?真凛、どうゆうこと?」
その場には、
どうやって説明しようか頭を抱える美少女
その美少女の名前を知れてラッキーと思うもの
超有名プレイヤーと知り合いみたいな様子の美少女を友達に持つもの
突如現れた超有名プレイヤーを一目見ようとする多くのプレイヤー達
一人のプレイヤーが、一人のプレイヤーを探すために起こった【武道館】での騒動。
後にこの騒動が原因で、大きな話題となる。
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